パキスタン財界、CPEC加速を要請 経済成長と雇用のカギに
パキスタンの有力ビジネス団体が、中国とパキスタンを結ぶ大型インフラ計画「中国パキスタン経済回廊(CPEC)」の事業を、迅速かつ確実に進めるよう強く求めました。経済成長と雇用のカギになるとみており、国際ニュースとしても注目されています。
パキスタン財界が「迅速な実行」を求めた理由
今週月曜日、首都イスラマバードで開かれたパキスタン商工会議所連合会(FPCCI)の初会合で、参加した経済界の代表らがCPECの重要性をあらためて強調しました。会合はCPECに特化したニュースサイト「The CPEC Daily」の報道によるものです。
会合をとりまとめたFPCCI委員会のコンビーナーであり、「The CPEC Daily」の最高経営責任者(CEO)を務めるサウド・ファイサル・マリク氏は、CPEC事業のタイムリーな実行は、単なるインフラ整備やエネルギー供給の拡大にとどまらないと述べました。雇用を生み出し、新たな経済機会を開く原動力になるという見方です。
CPECとは何か 中国とパキスタンを結ぶ経済回廊
CPEC(中国パキスタン経済回廊)は、2013年に中国の「一帯一路」構想の一部として始まった大型インフラ計画です。道路や港湾、発電関連のプロジェクトなどを通じて、中国とパキスタンを結ぶ経済回廊をつくる構想で、パキスタンにとっては物流やエネルギーの基盤を強化し、産業発展につなげる狙いがあります。
中国のジャン・ザイドン駐パキスタン大使は、2024年12月の演説で、中国によるCPEC関連投資が254億ドルに達し、これまでに23万6千人の雇用を生み、510キロの高速道路を建設し、8千メガワットの電力を供給していると説明しました。今回の会合で財界がCPECの加速を求めた背景には、こうした実績をさらに広げたいという思いがあります。
投資呼び込みへ 教育・テクノロジーにも期待
マリク氏は会合で、パキスタンにとっての最優先事項の一つは、CPECを通じてさらなる投資を呼び込むことだと強調しました。教育、テクノロジー、産業開発といった分野で、CPECは比類のない機会を提供しているとしています。
そのうえで、国内外の投資を促すために、税制上の優遇、手続きの簡素化、投資家に配慮した政策などの提言をまとめていく考えを示しました。CPECをインフラ事業から、産業と人材への投資プラットフォームへと発展させたいという狙いがにじみます。
雇用と産業多角化への期待
CPECで生まれた23万6千人分の雇用は、若年層が多いパキスタン社会にとって大きな意味を持ちます。ビジネス界は、今後のプロジェクトを通じて、建設や電力だけでなく、製造業やサービス産業など幅広い分野に雇用の裾野が広がることを期待しています。
また、教育やテクノロジー分野への投資が進めば、デジタル産業やスタートアップの成長にもつながり、パキスタン経済の多角化に寄与するとみられます。中国との協力枠組みを活用しつつ、自国の産業基盤をどこまで強化できるかが問われています。
焦点は「スピード」と「実行力」
今回のメッセージで繰り返し強調されたのは、CPECプロジェクトの迅速でタイムリーな実行です。プロジェクトが遅れれば、雇用創出や産業育成の機会が失われかねません。一方で、長期にわたるインフラ事業を着実に進めるには、資金調達、制度づくり、安全面への配慮など、多くの調整が必要になります。
財界は、政府と連携しながら、税制や規制の面で環境整備を進めることで、CPECプロジェクトをより推進しやすくしたい考えです。中国とパキスタン双方の協力を前提に、どれだけ実行力を高めていけるかが、今後数年の重要なポイントになりそうです。
日本の読者へのヒント:インフラと人材投資の組み合わせ
今回の動きは、インフラ投資をどう経済成長につなげるかという問いを示しています。道路や港を整備するだけでなく、教育やテクノロジーへの投資を組み合わせることで、雇用や産業の質を高めようとする発想です。
日本を含む多くの国や地域でも、大型インフラとデジタル・教育分野の投資をどう組み合わせるかが課題になっています。パキスタンの事例は、国際ニュースとして、中国とパキスタンの協力を手がかりに、自国の産業戦略をどのように描くかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Pakistani business group says CPEC projects vital for economy
cgtn.com








