トランプ次期大統領の関税脅しにカナダ外相「全てが選択肢」
2025年12月現在、米国のドナルド・トランプ次期大統領がカナダ製品に高関税を課す可能性を示唆するなか、カナダのメラニー・ジョリー外相が「対抗措置は全て選択肢」と強い姿勢を示しました。カナダ政府は、エネルギー輸出の削減や報復関税など、幅広いカードを検討しているとされています。
トランプ次期大統領が示唆する「カナダ製品25%関税」
カナダの地元メディアによると、トランプ次期大統領は、カナダからの全ての輸入品に対し、一律25%の関税を課す可能性に言及していると報じられています。実際に発動されれば、両国の貿易関係に大きな衝撃を与える規模です。
米国とカナダは、互いに最大級の貿易相手であり、製造業の部品や農産品、資源など、サプライチェーンが深く結び付いています。そのため、25%という高い追加関税は、企業活動だけでなく、消費者価格にも影響が及ぶ懸念があります。
ジョリー外相「全てがテーブルの上」 エネルギー輸出停止も排除せず
今週放送されたカナダ民放テレビ局CTVのインタビューで、ジョリー外相は、トランプ次期大統領の関税方針への対応について問われ、「全てがテーブルの上にある」と述べました。エネルギー輸出を止める可能性があるかという問いに対しても、明確に否定しませんでした。
カナダは米国にとって、石油や天然ガス、電力などの重要なエネルギー供給国です。そのカナダがエネルギー輸出を交渉カードとして示唆したことは、対立がエスカレートすれば経済だけでなくエネルギー安全保障にも波及しかねないことを意味します。
トルドー政権内で対策協議 州首相も交えた「国内結束」へ
ジョリー外相は、ジャスティン・トルドー首相、ドミニク・ルブラン財務相とともに、近く各州の首相と会合を開き、カナダとしての対応方針を協議すると説明しました。その上で、まとめた戦略を携えて今週、ワシントンを訪問し、米共和党の議員や政策決定者らと直接協議する予定だとしています。
またジョリー外相は、自身とルブラン財務相が、米国側の動きに対するカナダの公式な反応を主導していくと強調しました。さらに「いまは分断のときではなく、弱さを見せるときでもない。必要なのは強さと団結だ」と述べ、保守・リベラルの違いを超えて国内の政治指導者に結束を呼びかけました。こうした発言には、対米交渉では国内で一枚岩になることが重要だという認識がにじみます。
報復関税リストを準備か カナダの「次の一手」
カナダの複数のメディアは、政府が米国製品に対する報復関税の候補リストを水面下で準備していると伝えています。トランプ次期大統領がカナダ製品に25%関税を実際に導入した場合に備え、段階的な対抗措置を検討しているとみられます。
一般的に、報復関税の対象となる品目を選ぶ際には、次のような点が重視されます。
- 相手国の政治的・経済的に影響が大きい産業の商品
- 自国の企業や消費者への打撃をできるだけ抑えられる分野
- 交渉でメッセージ性を持たせやすい象徴的な品目
今回のカナダの動きも、単なる「やり返し」ではなく、交渉の場で影響力を確保するためのカードづくりだと見ることができます。
日本や世界経済への波及リスク
今回の米加関係の緊張は、日本を含む世界経済にも無関係ではありません。特に、北米市場に深く進出している日本企業にとって、25%関税や報復措置は、コスト構造やサプライチェーンの再設計を迫る要因となり得ます。
注目すべきポイントとしては、次のようなものがあります。
- 自動車や機械など、米国・カナダ・他の国をまたぐ生産体制への影響
- 原油や天然ガスなどエネルギー価格の変動リスク
- 貿易摩擦の連鎖による、世界的な保護主義の強まり
日本の企業・投資家・政策担当者にとっても、米加間の交渉の行方を注視し、自社の北米戦略にどのような影響が出得るのかを検討しておく必要があります。
今後の焦点とシナリオ
2025年12月8日時点では、トランプ次期大統領の関税方針はまだ最終決定されたものではなく、カナダ側の対抗措置も具体的な内容は公表されていません。今後、次のような点が焦点となりそうです。
- ジョリー外相のワシントン訪問で、どこまで米側の姿勢が軟化するか
- カナダ政府が報復関税リストやエネルギー輸出に関する方針をどのタイミングで正式発表するか
- 両国の企業や市場が、この動きをどう受け止めるか
- 交渉によって、関税発動を回避する妥協点が見いだされるか
今回の動きは、単なる米加二国間の「関税の応酬」にとどまらず、選挙を経て誕生する新政権が、どのような通商政策を世界に示していくのかを占う試金石でもあります。日本の読者としても、北米発の貿易リスクを早めに把握し、自分たちのビジネスや生活にどのような影響が出るのかを考えるきっかけにしたいところです。
Reference(s):
Canada says 'everything is on the table' to Trump's tariff threat
cgtn.com







