中国の対外貿易、2024年は5%増で過去最高 輸出は8年連続プラス
中国の2024年の対外貿易額が前年比5%増の43.85兆元(約6.1兆ドル相当)と過去最高を更新しました。輸出入の内訳や政策の背景から、この数字が意味するところを整理します。
2024年の対外貿易、過去最高の43.85兆元に
中国税関総署(GAC)が発表したデータによると、2024年の中国の対外貿易総額は43.85兆元で、前年に比べて5%増加しました。記録的な水準となり、中国の貿易活動の強さを示す結果となっています。
- 対外貿易総額:43.85兆元(前年比5%増)
- 輸出:25.45兆元(前年比7.1%増)
- 輸入:18.39兆元(前年比2.3%増)
特に輸出は25兆元の大台を初めて超え、8年連続で増加しました。輸入もプラス成長を維持しており、外需と内需の両面で一定の底堅さがうかがえます。
輸出主導の成長と新しい貿易形態の広がり
今回の伸びを主導したのは輸出です。輸出額が25.45兆元と過去最大となり、中国から世界へのモノとサービスの流れが一段と拡大しました。
発表によると、輸出入の品目構成はここ数年で継続的に高度化しており、ハイテク製品を中心とした高付加価値の製品が好調でした。また、越境EC(国境をまたぐ電子商取引)など、新しいタイプの貿易も拡大しています。
越境ECとは、インターネットを通じて国境を越えて商品を売買する仕組みのことです。中小企業や個人事業者でも海外市場にアクセスしやすくなるため、貿易の裾野を広げる役割を果たしています。
150以上の国と地域と結ぶ「貿易の輪」
北京で開かれた記者会見で、中国税関総署の王令浚副署長は、中国が世界の150を超える国と地域にとって主要な貿易相手となっていると説明しました。対外貿易を通じた「友人の輪」が拡大しているという認識です。
王氏は、輸出入の品目構成が継続的に最適化・高度化しているとし、高度な技術を要する製品や新たなサービス分野が着実に伸びている点を強調しました。これは、量だけでなく質の面でも貿易が変化していることを意味します。
成長を支えた政策と現場での取り組み
王氏は、2024年の対外貿易の成果は決して容易に得られたものではなく、中央当局による一連の政策と、税関など現場での具体的な取り組みの結果だと説明しました。
- 税関当局は、港湾のビジネス環境を最適化し、企業の通関をさらに円滑にするための16項目の措置を導入・実施
- 20の都市で、越境取引の手続きの簡素化など、貿易円滑化を進めるための特別行動を展開
- 市場志向・法に基づく運営・国際化をキーワードに、「第一級の港湾ビジネス環境」の整備を目指す方針を打ち出し
こうした施策により、企業が輸出入を行う際の時間的・事務的な負担を軽減し、全体として貿易活動を後押ししたとされています。
数字から見える中国経済の今
2024年の対外貿易の動きからは、中国経済のいくつかの側面が読み取れます。
- 貿易総額と輸出が過去最高を更新したことは、世界経済の不透明さが続く中でも、中国の外需が一定の強さを保っていることを示す材料となる
- 輸入も増加したことで、国内の生産活動や消費に支えられた需要が存在している可能性がうかがえる
- ハイテク製品や越境ECの拡大は、産業構造の高度化やデジタル経済の進展が貿易に反映されていることを示している
単に「どれだけ売り買いしたか」という量の数字だけでなく、「何を」「どのような仕組みで」取引しているのかが変わりつつある点も重要です。
日本や世界にとっての意味は
中国の対外貿易の動きは、日本を含むアジアや世界のサプライチェーンと無関係ではありません。中国との取引や中国市場と関わりを持つ企業にとって、貿易の拡大はビジネス機会の広がりであると同時に、競争環境の変化も意味します。
2025年を迎えた今、2024年の貿易データは、中国が引き続き対外開放と貿易の安定を重視していることを示す一つの指標といえます。今後も高付加価値分野や越境ECなど、新しい貿易のかたちがどこまで広がるのかを追うことが、アジア経済や世界経済の行方を考える上で重要になりそうです。
ニュースを受け取る私たちにとっても、「数字の大きさ」だけでなく、その裏にある構造や政策の方向性をセットで押さえておくことが、国際ニュースを読み解くうえでの鍵になってきます。
Reference(s):
cgtn.com








