米中協力は「不可欠」 イェール大研究者が語る現代世界の相互依存 video poster
米中関係をめぐる国際ニュースが絶えない中で、「協力こそが現代世界の土台だ」とする見方が示されています。イェール大学ロースクールの研究者、Karman Lucero氏は、CMGのインタビューで、米国と中国の協力がいまもなお基本的な役割を果たしていると語りました。
現代世界を支える米中の「深いつながり」
Lucero氏は、誰が米国や中国の指導部にいるかにかかわらず、現代の世界は依然として深く相互に結びついていると指摘しました。2025年現在も、経済やテクノロジー、安全保障など多くの分野で、米中両国は世界に大きな影響力を持っています。
その中で、米国と中国のあいだには、政府レベルだけでなく、企業、大学、研究機関、市民同士など、多層的なつながりが存在します。Lucero氏は、こうした広がりのある関係性こそが、国際社会全体を支える重要な基盤になっていると強調しています。
政治的緊張の中でも続く専門家のコラボレーション
近年、米中関係には政治的な緊張や対立も指摘されています。しかしLucero氏は、そのような状況の中でも、両国の専門家同士の協力は続いており、その存在が「基本的」だと述べています。
研究者、技術者、法律家、政策の専門家などが、国境を越えて議論し、共同研究や情報交換を行うことは、気候変動や公衆衛生、デジタル技術のルールづくりなど、単独の国では解決できない課題に取り組むうえで不可欠です。政治的な緊張があっても、専門家同士の連携を維持することが、将来の対話の「橋」を守ることにもつながります。
経済・貿易の改善が押し上げる文化・技術交流
Lucero氏は、米中の経済・貿易関係が改善すれば、文化やテクノロジーの分野での交流が一段と進むと見ています。貿易や投資の流れが落ち着き、予見可能性が高まれば、人の往来や共同プロジェクトも計画しやすくなります。
具体的には、次のような連鎖が期待されています。
- 企業間の取引や投資が増えることで、共同研究や技術提携の機会が広がる
- 学生や研究者の往来が活発になり、留学や共同研究プロジェクトが進む
- 映画、音楽、ゲームなどのコンテンツを通じて、互いの文化への理解が深まる
こうした経済・貿易から文化・技術へと広がる波及効果は、単に数字としての成長をもたらすだけでなく、相手への理解を積み重ね、誤解や不信をやわらげる役割も果たします。
日本から見る米中協力の意味
日本にとっても、米中関係のあり方は日常生活と無関係ではありません。多くの日本企業は米国と中国の両市場に関わっており、テクノロジーやサプライチェーン、金融市場は米中の動きに敏感に反応します。
例えば、米中の技術協力が進めば、新しい標準やルールが生まれ、日本企業の戦略にも影響します。逆に緊張が高まり協力が進まなければ、技術規格が分かれたり、市場が分断されたりするリスクもあります。
また、大学や研究機関、シンクタンクなどで働く人にとっては、米中の研究ネットワークの行方が、共同研究の可能性や国際会議のあり方を左右します。国際ニュースを追う日本の読者にとって、米中協力が実際にどのような形で続いているのかを知ることは、自分の仕事やキャリア、そして社会の将来を考える手がかりにもなります。
これからの米中関係を読むための3つの視点
Lucero氏の指摘を踏まえると、これから米中関係や国際ニュースを読み解く際には、次の3つの視点がヒントになりそうです。
- 対立だけでなく、協力の「現場」を見る:安全保障や政治での緊張が注目されがちですが、その裏側で続く研究協力やビジネス、文化交流にも目を向けることが重要です。
- 短期のニュースと長期のつながりを分けて考える:日々の発言や対立は変化しますが、専門家ネットワークや教育・研究の関係は長期的に積み上がるものです。その「時間軸の違い」を意識することで、見え方が変わります。
- 自分との関わりを意識する:米中の話を「遠いどこかのニュース」としてではなく、自分の仕事や生活、将来の選択とどう結びつくのかを考えると、同じニュースでも意味合いが変わってきます。
政治的な緊張が続く局面でも、Lucero氏が示すように、米国と中国の間には多くの協力のチャンネルが残されています。対立か協力かという二者択一ではなく、「緊張の中でどのように協力の基盤を守り、広げていくのか」という視点が、2025年の国際ニュースを読み解くうえでますます重要になっていきそうです。
Reference(s):
Collaboration between the US and Chins is fundamental: Yale scholar
cgtn.com








