紛争・気候変動・偽情報が2025年の世界リスク上位に WEF報告書
世界経済フォーラム(WEF)が公表したグローバル・リスク報告書2025年版は、武力紛争、気候変動、偽情報を、2025年に世界が直面する主要な脅威として挙げました。この国際ニュースは、日本から世界を眺める私たちにとっても無関係ではありません。経済リスクはいくぶん落ち着いた一方で、社会の分断と地政学的な緊張が、私たちの暮らしと国際秩序に大きな影を落としていることが浮き彫りになっています。
世界経済フォーラムが示した2025年の不安
報告書は、水曜日に公表された最新の分析の中で、これらのリスクへの対処には、各国政府、企業、市民社会による緊急かつ協調的な行動が不可欠だと強調しています。これらの脅威を和らげ、より強靭な社会と経済をつくるためには、個々のリスクをバラバラに見るのではなく、相互に影響し合う構造として理解する必要があるとしています。
武力紛争が最も差し迫ったリスク
報告書によると、国と国との武力紛争は、2025年において最も差し迫ったリスクと位置付けられました。回答者のおよそ4人に1人が、国家間の武力衝突を自らにとって最大の懸念として挙げています。
武力紛争は直接の当事国だけでなく、エネルギー価格や食料供給、難民の流入などを通じて、遠く離れた地域の社会や経済にも波及します。報告書が武力紛争を最優先のリスクとみなす背景には、こうした連鎖的な影響への不安がにじんでいるといえるでしょう。
気候変動は長期的な土台リスク
気候変動もまた、紛争や偽情報と並ぶ最重要リスクの一つとして示されています。気温の上昇や極端な気象は、インフラの破壊、農業生産の不安定化、健康被害などを通じて、社会の基盤そのものを揺るがします。
短期的には経済リスクがやや後退しているように見えても、気候変動がもたらす影響は中長期的にじわじわと積み上がり、結果として経済や安全保障にも跳ね返ってきます。報告書が気候変動を上位リスクとして位置付けているのは、その長い影のせいだといえます。
短期リスクの首位は偽情報
短期的なリスクのリストでは、偽情報が引き続き最も大きな脅威として挙げられています。報告書は、偽情報が社会の結束や統治に深刻なリスクをもたらし、公共への信頼を蝕み、国内外の分断を深めると警鐘を鳴らしています。
SNSや動画プラットフォームを通じて広がる誤情報・偽情報は、選挙や外交、安全保障政策などの重要な意思決定に影響しうるだけでなく、日常生活での対立や疲労感も生み出します。何を信じてよいか分からない状態が続けば、政府やメディア、専門家への信頼が揺らぎ、社会のガバナンス(統治)の土台も弱くなっていきます。
経済リスクはいったん後退、残るのは社会のきしみ
今回の報告書では、インフレや景気後退などの経済リスクは、これまでと比べるといったん落ち着きを見せているとされています。一方で、社会的な不満や分断、地政学的な対立といった要因に結び付いたリスクは、依然として重大な懸念として残っています。
経済指標だけを見れば回復基調に見える局面でも、社会のきしみが大きいままであれば、紛争や政治的不安、極端な主張の台頭など、別の形でリスクが顕在化するおそれがあります。報告書は、そうした構造的な不安定さに光を当てていると言えます。
私たち一人ひとりにできる備え
2025年の終わりが見え始めるなかで、今回のグローバル・リスク報告書は、世界がどこに不安を感じているのかを映し出す一枚の地図のような役割を果たしています。同時に、それは政府や企業だけでなく、私たち一人ひとりに行動を促すメッセージでもあります。
- 情報を鵜呑みにせず、複数の信頼できる情報源を確認する
- 気候変動対策や環境負荷の少ない選択を、日常の行動の中に取り入れる
- 国際ニュースや紛争の背景を、多面的な視点から学ぶ
世界規模のリスクは、一見すると遠い場所で起きている抽象的な問題に見えます。しかし、偽情報の拡散、気候変動による災害、不安定な国際情勢の影響は、私たちの仕事や暮らし、オンラインでの議論のあり方に直結しています。2025年のグローバル・リスクを読み解くことは、自分たちの未来をどうデザインしていくかを考える第一歩でもあります。
Reference(s):
Conflict, climate & misinformation top global risks in 2025: WEF
cgtn.com








