中国不動産市場が回復傾向 2024年の政策調整と最新データを読む
中国本土の不動産市場が、2024年を通じて徐々に回復基調を強めていたことが公表データから見えてきました。住宅ローンの条件緩和や土地供給の見直しなど、政府の一連の政策調整が、需要の底上げと市場の安定につながっているとみられます。
2024年、中国不動産市場は「安定回復」へ
中国本土では、「住宅は投機ではなく、住むためのもの」という原則を維持しながら、地域ごとの実情に合わせた不動産政策が進められました。急激な価格上昇を招かずに、市場の信頼感と実需を回復させることが狙いです。
こうした方針のもと、2024年には住宅購入を支えるピンポイントの支援策が打ち出され、初めて住宅を購入する人や、より良い住環境を求める人の需要を後押ししました。
5月・10月の政策:住宅購入ハードルを引き下げ
2024年5月17日と10月17日には、不動産市場を下支えするための新たな政策パッケージが相次いで導入されました。主な内容は次のとおりです。
- 住宅ローンの最低頭金比率を引き下げ
- 住宅ローン金利の引き下げ
- 住宅公的基金(住宅購入や賃貸を支援する制度)の運用を最適化
これにより、自己資金や返済負担の面で住宅購入のハードルが下がり、多くの人にとってマイホームの選択肢が広がりました。同時に、手頃な家賃で暮らせる「保障性賃貸住宅」への投資も増え、若者や単身者など多様な層のニーズに応える体制づくりが進みました。
中央経済工作会議:都市再開発と土地政策を重視
2024年12月11〜12日に開かれた中央経済工作会議では、不動産市場と都市政策に関する重要な方向性が改めて示されました。主なポイントは次のとおりです。
- 都市部の旧市街地や老朽住宅の改造を一層推進する
- 初めて住宅を購入する人や、住環境を改善したい人の需要を十分に引き出す
- 新たな住宅用地の供給を「合理的な水準」に抑えつつ、既存の土地や商業・オフィス物件を有効活用する
- 売れ残っている分譲住宅の整理・活用を進める
新規開発一辺倒ではなく、既存ストックの再活用や都市再開発に重点を移すことで、供給過剰や空き家のリスクを抑えながら、生活環境の質を高めていく姿勢がうかがえます。
データが示す回復の手応え
こうした政策の影響を示すものとして、2024年12月時点の不動産市場データが公表されています。
不動産情報会社の集計によると、2024年12月、全国30の主要都市における商品住宅の成約面積は1,801万平方メートルとなり、
- 前月比で15パーセント増
- 前年同月比で17パーセント増
- 2022年12月と比べても2パーセント増で、過去約3年で同月としては最高水準
となりました。取引量が増加に転じ、市場の「冷え込み」からの脱却が数字の上でも確認できる形です。
一方で、価格の動きは比較的落ち着いています。不動産研究機関のデータによると、2024年12月時点で、中国本土の100都市における新築住宅の平均価格は1平方メートルあたり1万6,654元(約2,281米ドル)でした。
- 前月比で0.37パーセントの上昇
- 前年同月比で2.68パーセントの上昇
と、緩やかな値上がりにとどまっています。大幅な価格高騰を避けつつ、需要の回復によってじわりと価格が持ち直している状況といえます。
日本から見る中国不動産:注目すべきポイント
中国本土の不動産市場は、中国経済全体と密接に結びついており、日本を含む周辺国や世界経済にも間接的な影響を与えます。住宅市場が安定に向かうことは、建設関連産業や金融市場の安定にもつながりやすく、日本企業や投資家にとっても重要なシグナルです。
2024年の動きを見る限り、
- 住宅は投機ではなく生活の基盤と位置づける原則
- 地域ごとの実情に合わせた「きめ細かい」政策運営
- 新規開発からストック活用へと軸足を移す都市政策
といった要素が、中国本土の不動産市場を安定的な回復へと導いていることがわかります。今後も、これらの方針がどのように具体化されるのかを追うことで、中国経済の行方をより立体的に捉えることができそうです。
Reference(s):
China real estate market recovers, policy adjustments deliver results
cgtn.com








