韓正国家副主席が米財界と会談 企業に期待される中国・米国関係の「橋渡し」
中国の韓正国家副主席が、ワシントンD.C.で米国の財界リーダーやテスラのイーロン・マスク氏と相次いで会談し、中国・米国関係の安定に向けて企業に「橋渡し役」としての役割を期待したことが明らかになりました。中国・米国関係や米中経済の行方を考えるうえで注目される動きです。
トランプ氏就任式に合わせたワシントン訪問
今年1月、韓正国家副主席は、米側の招きに応じて習近平国家主席の特別代表として、ドナルド・トランプ次期米大統領の就任式に出席するためワシントンD.C.を訪れました。その滞在中に、米中ビジネスを代表する団体である米中ビジネス評議会や米国商工会議所などの関係者と会談しました。
韓副主席は、直前に行われた習近平国家主席とトランプ次期大統領の電話会談に触れ、「中国・米国関係の発展について重要な共通認識に達した」と説明。両国は幅広い共通利益と協力の潜在力を共有しており、「関係を良い形でスタートさせ、安定的で健全かつ持続可能な発展の軌道に乗せることが、両国民と国際社会の期待に応える」と強調しました。
米企業に求めた「橋渡し役」の役割
今回の会談で韓副主席が繰り返し訴えたのは、米企業に対する長期的な関与への期待でした。韓副主席は、米企業に対し、中国に引き続き投資し「根を下ろす」こと、そして中国と米国の間で橋渡し役となることを呼びかけました。
韓副主席のメッセージは、大きく次の三つに整理できます。
- 中国に継続的かつ長期的に投資し、現地に深く根付いてほしいこと
- 中国と米国の経済関係をつなぐ「橋」として、建設的な役割を果たしてほしいこと
- 中国の改革開放とビジネス環境の改善のプロセスに、今後も積極的に参加してほしいこと
韓副主席は、米国のビジネスコミュニティについて、「中国・米国関係の中核的な存在」であり、これまで両国の経済・貿易協力や中国の改革開放の「参加者、証人、貢献者、そして受益者」であったと評価しました。そのうえで、中国は今後も揺るぎなく改革開放を進め、ビジネス環境の改善に努めていくと強調しました。
米財界は中国経済に強い期待感
これに対し、米側の企業代表らは、習近平国家主席とトランプ次期大統領の電話会談が「前向きで励みとなるメッセージを送った」と評価しました。世界で最も活力があり、技術的にも先進的な二つの経済として、中国と米国は相互利益にもとづく協力を進め、建設的で安定した共存のあり方を模索すべきだとの認識を示しました。
米財界代表からは、次のような見方が示されています。
- 中国経済の先行きと成長機会に対して、依然として楽観的であること
- 中国・米国間の対話とコミュニケーションを強化し、経済・貿易協力をさらに前進させたいこと
- そのためにも、企業同士の交流が重要な役割を果たすとの期待
イーロン・マスク氏との会談も
韓副主席は同じくワシントン滞在中に、電気自動車メーカー、テスラの最高経営責任者であるイーロン・マスク氏とも会談しました。韓副主席は、テスラを含む米企業に対し、中国の発展がもたらす機会をとらえ、その成果を共有するとともに、中国・米国の経済・貿易関係の促進にいっそう貢献してほしいと述べました。
これに対しマスク氏は、テスラとして中国への投資と協力を一段と深め、中国と米国の経済・貿易交流を促進するうえで積極的な役割を果たす用意があると応じました。電気自動車や再生可能エネルギーの分野での協力は、両国の技術協力の象徴にもなり得ます。
ビジネスが支える中国・米国関係、日本への示唆
今回の動きは、中国・米国関係が政治・安全保障分野で複雑な課題を抱える中でも、企業や市場のレベルでは協力の余地が大きいことを改めて示しています。特に、デジタル技術やクリーンエネルギーなどの分野では、両国が協力することで世界経済全体への波及効果も期待できます。
日本にとっても、中国と米国という二つの大きな市場がどのような形で共存し、サプライチェーンや技術標準をつくっていくのかは、自国の産業戦略や企業の投資判断に直結するテーマです。米中ビジネスの動きや国際ニュースを丁寧に追うことが、今後ますます重要になりそうです。
Reference(s):
Han Zheng meets U.S. business leaders to strengthen China-U.S. ties
cgtn.com








