ダボス会議2025が開幕 知能化時代の国際協力はどこまで進むか
2025年の世界経済フォーラム(WEF)年次総会、いわゆるダボス会議がスイス・ダボスで開幕し、約3000人の参加者が一堂に会しました。テーマは「Cooperation in the Intelligent Age(知能化時代の協力)」で、国際ニュースの焦点である地政学的な緊張、加速する気候危機、人工知能(AI)と自動化が世界経済にもたらす影響など、共有された課題へのグローバルな協力の必要性が議論されています。
テーマは「知能化時代の協力」
今回のWEF年次総会には、約130の国と地域からおよそ3000人が参加し、その中には60人を超える各国の国家・政府のトップも含まれています。政治リーダー、企業経営者、専門家が同じテーブルにつき、「知能化時代」にふさわしい国際協力のあり方を探ろうとしています。
議論の主な論点は次のように整理できます。
- 地政学的な緊張が高まる中で、対立ではなく協調の回路をどう確保するか
- 気候危機が深刻化する中で、公平かつ現実的な脱炭素の道筋をどう描くか
- AIと自動化が雇用や格差に与える影響を踏まえ、包摂的な成長をどう実現するか
こうした論点は、日本を含む多くの国の経済・社会に直結しており、日本語で国際ニュースを追う読者にとっても無関係ではありません。
各国リーダーが訴える「協力」のかたち
中国の丁薛祥副首相 協力を通じた経済グローバル化の前進
中国の丁薛祥副首相は、ダボス会議の演説で、協力が経済のグローバル化を前進させる鍵だと強調しました。協力によって、より活力があり、先進的で、持続可能な新たな段階のグローバル化を迎えることができると述べ、各国が対話と協議を通じて互恵的な協力の道を見いだすべきだと呼びかけました。
同時に、経済のグローバル化をさらに進める上ではさまざまな課題も存在することを認め、現実的な目線での国際協力の必要性に言及しています。単純な楽観論ではなく、課題を直視しながら協力の余地を広げていこうとする姿勢がにじみます。
欧州委員会フォンデアライエン委員長 「底辺への競争」を避けるには
欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長もまた、国際協力の重要性を訴えました。各国が互いに規制や賃金、環境基準を引き下げ合うような「底辺への競争」を避けるためには、協調したルールづくりが不可欠だと指摘しました。
彼女は、世界経済の結びつきを断ち切ることは、どの国の利益にもならないとし、対立や分断ではなく、共通の基盤を探る努力を続ける必要性を強調しています。
分断の時代に「建設的な楽観主義」を掲げるWEF
WEF創設者のクラウス・シュワブ氏は、開幕に先立ち、世界の分断が深まる今だからこそ、協力の再構築が求められていると語りました。2025年の年次総会は、立場の違いや不確実性が大きい中でも、協力と「建設的な楽観主義」の精神を育み、到来しつつある知能化時代をより持続可能で包摂的なものにすることを目指すとしています。
WEFマネージングディレクターのジェレミー・ユルゲンス氏は、急速な技術革新の中で、強固なグローバル・ガバナンス(国際的なルールと協調の枠組み)の重要性を指摘しました。特に、経済成長、イノベーション、環境の持続可能性といった分野での中国の貢献に言及し、特定の国・地域に限らない、包摂的な国際協力の必要性を強調しています。
日本の読者にとっての意味は
今回のダボス会議2025で交わされている議論は、日本の政策や企業戦略、私たちの働き方や暮らしにも少なからず影響を与えうるテーマです。ポイントを整理すると、次のような視点が見えてきます。
- 分断が進む世界での対話の場として、ダボス会議が果たす役割は依然として大きい
- AIや自動化の進展は、日本の雇用・産業構造にも直結しており、国際的なルールづくりや連携の行方が重要になる
- 気候危機への対応は、どの国も単独では解決できず、技術と投資を共有する枠組みが不可欠である
2025年のWEF年次総会は、「協力」という古くて新しいキーワードが、知能化時代の国際秩序を形づくる上でなお中心的な概念であることをあらためて示しました。ここで示されたビジョンや問題意識に、各国政府や企業、市民社会がどう具体的な行動で応えていくのか。2026年に向けて、引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








