トランプ政権2.0で世界経済はどう動く?CGTN BizTalkの論点 video poster
2025年1月20日に発足したトランプ政権2期目。その就任前後から、米国の通商政策がさらに保護主義色を強めるのではないかという懸念が、今年を通じて世界の国際ニュースをにぎわせてきました。中国の国際ニュースチャンネルCGTNの経済番組BizTalkは、就任を目前に控えたタイミングで、このトランプ2.0が世界経済とグローバルガバナンスに与える影響をテーマに専門家を招き、議論を深めました。
トランプ政権2.0、何が「より急進的」に?
番組の冒頭では、1月20日の就任を控えた新政権の通商スタンスが、前政権期よりもよりラディカル(急進的)になる可能性が指摘されました。米国は世界最大の経済規模を持つ国であり、その貿易政策は世界の景気や金融市場、企業の投資判断に直接影響します。関税の活用や輸出規制、同盟国との経済連携のあり方など、あらゆる手段を通じて自国産業の保護を強めるシナリオが議論の出発点となりました。
保護主義が強まれば、短期的には国内産業を守れる一方で、他国からの報復措置やサプライチェーン(供給網)の混乱を招きかねません。番組は、その波紋が先進国だけでなく、新興国やグローバルサウスと呼ばれる国々にも広がる可能性を指摘しました。
4人の専門家が読む、世界経済のゆくえ
この回のBizTalkには、さまざまな地域と専門分野を持つ4人のゲストが参加しました。フランスを拠点とするシンクタンクThe Bridge Tankの創設者兼会長Joel Ruet氏、オーストラリアのQueensland University of Technology客員教授Warwick Powell氏、東京のNational Graduate Institute for Policy Studies(政策研究大学院大学)の経済学教授Xing Yuqing氏、対外経済貿易大学のCenter for International Business Ethics所長Liu Baocheng氏です。司会は、CGTNのキャスターGuan Xin氏が務めました。
番組では、主に次のような論点が取り上げられました。
- 米国の保護主義的な通商政策が長期化した場合、世界の貿易ルールや多国間協定はどう変わるのか。
- 世界経済の重心が北米・欧州からアジアへと移る中で、中国やアジア諸国はどのような役割を果たしうるのか。
- グローバルサプライチェーンの再編が進む中で、日本を含む各国の企業や労働者にはどのようなリスクと機会が生まれるのか。
4人の専門家は、それぞれの地域の視点から、米国の政策だけを特別視するのではなく、多極化する世界経済全体の構図を見る必要があると強調しました。トランプ政権2.0の動きは、その構図を浮かび上がらせる試金石のような存在だというわけです。
揺れるグローバルガバナンス、改革の方向性は
番組のもう一つの柱は、グローバルガバナンス(国際社会のルール作りや調整の仕組み)の改革に関する議論でした。世界貿易機関(WTO)や国際通貨基金(IMF)などの既存の枠組みは、冷戦終結後の自由貿易の拡大を前提として設計されてきました。しかし、大国間の競争や保護主義の台頭が進む今、その前提が揺らいでいます。
番組では、特に次のようなポイントが示されました。
- ルールを守るよう各国に求めるだけでなく、ルールそのものを時代に合わせてアップデートする必要性。
- 特定の国や地域だけでなく、より多くの国と地域が意思決定に参加できるよう、代表性と公平性を高めること。
- 気候変動やデジタル経済といった新しい課題を、通商ルールや金融規制にどう組み込むか。
トランプ政権2.0の保護主義的な動きは、こうした議論を加速させるきっかけにもなりえます。番組に参加した専門家たちは、対立を深めるか協力の枠組みを再設計するかは、各国の選択と対話にかかっていると指摘しました。
日本とアジアの読者にとっての含意
2025年現在、日本やアジアの読者にとって、米国の通商政策と世界経済の行方は遠い国の話ではありません。為替レートや株価、輸出産業の業績だけでなく、日常の物価や雇用にも影響が及びます。番組BizTalkが提示したのは、次のような視点でした。
- 短期的な景気動向だけでなく、中長期のルール作りの動きを追うことが重要である。
- 米国対その他という単純な構図ではなく、多極化した世界のバランスの中で各国の選択を位置づけて見るべきである。
- 日本やアジアの社会が、貿易・投資・人の移動に関する国際ルール作りにどう関わるかを考える必要がある。
通勤電車の中でスマートフォンを開いたとき、ニュースを自分ごととして捉えられるかどうかは、情報の量よりも視点にかかっています。トランプ政権2.0の通商政策をめぐる議論は、世界経済の行方を考える上での一つの入り口にすぎません。この機会に、グローバルガバナンスや国際ルールのあり方にも目を向けてみると、ニュースの見え方が少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








