パキスタン財務相「2025年は中国本土の資本市場にアクセスする絶好の機会」 video poster
2025年のダボス会合(ダボス2025)で、パキスタンのムハンマド・アウランゼブ財務相が、中国本土の資本市場を「世界で2番目に大きく、最も厚みのある市場の一つ」と評価し、「2025年はその資本市場にアクセスする素晴らしい機会だ」と語りました。本記事では、その発言の背景と「パンダ債」というキーワードをわかりやすく整理します。
ダボス2025で示されたパキスタンの資金調達戦略
アウランゼブ財務相は、ダボス2025で中国の国際メディアCGTNのグアン・シン記者とのインタビューに応じ、中国本土の資本市場を活用する意欲を明確にしました。
インタビューの中で財務相は、
- 中国本土の資本市場は「世界で2番目に大きく、最も厚みのある市場の一つ」であること
- パキスタンはこの市場にアクセスするために、パンダ債の活用を重視していること
- 2025年を、中国本土の資本市場とつながる「fantastic opportunity(素晴らしい機会)」と見ていること
を強調しました。2025年12月現在、この発言はパキスタンが今後どのように資金調達の多様化を進めていくのかを考えるうえで、重要な示唆を与えています。
中国本土の資本市場とパンダ債とは
今回の発言の中でキーとなるのが、中国本土の資本市場と「パンダ債」という言葉です。ここでは、その基本を押さえておきます。
アウランゼブ財務相が見る中国本土の資本市場
財務相は、中国本土の資本市場について次のような点を評価しています。
- 世界第2位の規模を持つこと
- 投資家層が厚く、流動性が高い「深い」市場であること
こうした特徴を持つ市場にアクセスできるかどうかは、新興国にとって、インフラ整備や財政運営の安定性に直結するテーマでもあります。
パンダ債とは何か
パキスタンが活用を目指している「パンダ債」は、中国本土の資本市場を活用するための一つの手段です。一般的にパンダ債は次のような特徴を持ちます。
- 中国本土以外の政府や企業などが発行する債券
- 中国本土の投資家向けに、中国人民元建てで発行される
- 発行の場は、中国本土の債券市場
つまり、発行主体は海外でありながら、資金は中国本土の投資家から人民元建てで調達する仕組みです。パキスタンにとっては、自国の外貨調達手段を多様化しつつ、中国本土との金融面でのつながりを強めるツールになり得ます。
なぜ2025年が「素晴らしい機会」なのか
アウランゼブ財務相は、2025年を中国本土の資本市場を活用するうえで「fantastic opportunity」と表現しました。その背景には、少なくとも次のような狙いがあると考えられます。
- 資金調達先の多様化:従来の米ドルや欧州通貨中心の市場に加え、中国本土の投資家からも資金を集めることで、調達リスクを分散したい思惑
- 中国本土との経済関係の深化:インフラや貿易などで進んできた協力に、資本市場を通じた金融協力を重ねることで、長期的なパートナーシップを強化する狙い
- 通貨・債務構成の調整:人民元建ての債務を活用することで、外貨建て債務の構成や為替リスクのバランスを取りやすくする可能性
こうした点を踏まえると、パキスタンにとって2025年は、中国本土の資本市場との関係を一段階引き上げる「節目の年」として位置づけられていると見ることができます。
投資家・市場関係者が見ておきたいポイント
今回の発言は、パキスタンと中国本土だけでなく、新興国と中国本土の資本市場全体の関係を考えるヒントにもなります。市場関係者が注目したいポイントを整理すると、次のようになります。
- パンダ債の発行動向:パキスタンがどのタイミングで、どの規模のパンダ債を発行していくのか
- 条件や金利水準:パンダ債の利回りや条件が、他の国際債市場と比べてどのような位置づけになるのか
- 投資家層の広がり:中国本土の機関投資家に加え、どの程度幅広い投資家がパキスタン関連のパンダ債に関心を示すのか
- 為替・通貨リスクの管理:人民元建てで調達した資金を、パキスタン側がどのように活用し、リスクを管理していくのか
これらは、単に一つの国の資金調達戦略という枠を越え、新興国全体と中国本土の資本市場との関係性を映し出す指標にもなります。
2025年以降に向けた視点
2025年12月の時点で、アウランゼブ財務相のダボス2025での発言は、次のような問いを投げかけています。
- 今後、どれだけ多くの新興国がパンダ債を活用し、中国本土の資本市場にアクセスしていくのか
- 中国本土の資本市場が、インフラ投資や成長戦略を支える「安定した資金源」として、どこまで機能していくのか
- 各国が自国経済の安定と成長を図る中で、中国本土との金融協力をどのように位置づけていくのか
パキスタン財務相の「2025年は素晴らしい機会だ」というメッセージは、新興国がグローバルな資本市場とどう向き合うべきかを考えるうえで、ひとつの象徴的な発言と言えるでしょう。中国本土の資本市場とパンダ債をめぐる動きは、今後も国際ニュースとして注目が続きそうです。
Reference(s):
2025 a fantastic opportunity to tap into China's capital markets
cgtn.com








