中国商務省「米と安定した経済関係を」 関税とTikTok巡り発言
中国商務省が定例記者会見で、米国との安定的で健全、かつ持続可能な経済・貿易関係の構築に前向きな姿勢を示しました。来年2月1日からとされる中国製品への10%の関税引き上げ案や、TikTokを巡る動きを念頭に、相互尊重と平和共存、ウィンウィンの協力を改めて呼びかけています。
中国「相互尊重・平和共存・ウィンウィン」で米国と協力を
中国商務省の報道官・何亜東氏は、米国との経済・貿易関係について「相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力の原則に基づき、安定的で健全、かつ持続可能な関係を促進する用意がある」と述べました。
米中経済関係は、関税やハイテク分野をめぐる緊張が続いてきましたが、中国側はあらためて「協力」をキーワードに、対話と関係安定化の方向性を示した形です。
- キーワードは「安定」「健全」「持続可能」
- 原則として「相互尊重」「平和共存」「ウィンウィンの協力」を強調
- 米国と長期的な経済関係を築く意欲をアピール
10%関税引き上げ案に懸念 「双方と世界の利益にならない」
今回の発言は、トランプ政権が来年2月1日から中国からの輸入品に対して10%の追加関税を課す可能性について質問を受けた際に示されたものです。
何氏は、関税措置について「中国や米国のいずれの利益にもならないだけでなく、世界全体の利益にも資さない」と指摘しました。関税は、企業のコストや消費者価格に影響し、サプライチェーンの不確実性を高める要因となりやすいためです。
関税をめぐる応酬が続けば、影響を受けるのは当事国だけではありません。日本を含む多くの国や地域の企業にとっても、米中間の関税水準や規制環境の行方は、経営や投資判断に直結するテーマとなっています。
TikTok問題で強調された「企業の正当な権益」
会見では、ショート動画アプリTikTokを巡る動きについても質問が出ました。これに対し何氏は、中国が一貫して企業の「正当な権利・利益」を尊重し、保護してきたと強調しました。
一方で、市場経済の基本原則に反し、企業の正当な利益を損なう行為には反対すると表明。特定の企業を標的とするような措置に対する懸念をにじませた形です。
- 中国側は「企業の正当な権利・利益の保護」を再確認
- 市場経済の原則に反する措置への反対姿勢を表明
- TikTokを巡る議論は、デジタル経済と安全保障の交差点にある重要テーマ
米国に求めた「公平で公正なビジネス環境」
何氏は、米国に対し「企業や国民の声にもっと耳を傾け、各国の企業を含む企業に対して公平で公正なビジネス環境を提供する」ことを改めて求めました。そのうえで、中国企業を含む各国企業にとってプラスとなる行動を増やし、両国民の幸福に資するよう期待を示しました。
ここには、次のようなメッセージが込められていると考えられます。
- 政策決定の際に企業と市民の声を重視してほしい
- 特定の国や企業を不利に扱わない「公平なルール」を求める
- 米中双方の国民の生活向上につながる協力分野を広げたい
米中経済関係はどこへ向かうのか
今回の発言は、中国側が米国との対立よりも、安定と協力を重視する姿勢を再確認したものと言えます。同時に、追加関税や特定企業への規制といった「圧力型」の措置には明確に懸念を示し、ルールに基づく公平な競争条件を求めています。
来年2月1日からの10%関税案の行方や、TikTokを含むデジタル企業を巡る米国の対応は、米中関係だけでなく、国際市場全体に影響を与える可能性があります。投資家や企業にとっては、今後数カ月の政策動向を注視する必要がありそうです。
一方で、「相互尊重」「平和共存」「ウィンウィンの協力」というキーワードは、米中だけでなく、他の国・地域が関わる国際経済関係にも通じる基本原則でもあります。今回の動きをきっかけに、どのような形で対話とルールづくりが進んでいくのか。引き続き、冷静にフォローしていく必要があるでしょう。
Reference(s):
China willing to promote stable economic relations with U.S.
cgtn.com








