メキシコ大統領、米国の新関税に報復表明 カナダも25%関税で対抗
米国の新たな関税措置をめぐり、メキシコとカナダが相次いで報復措置を表明しました。北米と中国を巻き込む貿易摩擦が、世界経済や日本にも影響を及ぼす可能性があります。
メキシコ大統領、米国関税に報復方針
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は土曜日、米国のドナルド・トランプ大統領が発動した関税に対し、自国も独自の関税とその他の措置で報復すると発表しました。
トランプ大統領は、メキシコ、カナダ、中国からの輸入品に対する関税を命じる文書に署名しており、メキシコの発表はこれに直接応じる形となります。
シェインバウム氏は、あくまで米国との関係では対立ではなく協力と対話を重視すると述べつつも、自国の主権と経済的利益を守る姿勢を示した形です。
麻薬組織との同盟批判を中傷と一蹴
今回の関税措置に関連し、ワシントンからはメキシコ政府が麻薬密売組織と同盟関係にあるとの批判が出ています。これに対し、シェインバウム氏はこの主張を中傷だとして強く退けました。
同氏はSNSのXに長文の投稿を行い、メキシコ政府が犯罪組織と関係を持っているというホワイトハウスの中傷、そしてメキシコ領土への干渉の意図を示唆するいかなる発言も断固として拒否すると表明しました。
さらに、メキシコ政府は対立ではなく協力を望んでいると強調し、北側の隣国との建設的な関係を維持したい考えを示しています。
治安対策の成果をアピール
シェインバウム氏は、今年10月の就任以降の治安対策の成果も強調しました。具体的には、強力な合成オピオイドであるフェンタニル約2000万回分を押収し、麻薬取引に関与したとみられる10万人以上を拘束したと説明しています。
こうした実績を示すことで、メキシコ政府が犯罪組織と戦っているのであり、同盟しているわけではないというメッセージを米国世論にも発信した形です。
カナダも25パーセントの報復関税
北米の緊張はメキシコだけにとどまりません。カナダのジャスティン・トルドー首相も土曜日、米国の関税への対抗措置として、米国からの輸入品に対し25パーセントの関税を課す方針を明らかにしました。
トルドー首相によると、対象となるのは総額1550億カナダドル相当の米国製品で、このうち300億カナダドル分については火曜日から、残る1250億カナダドル分は21日後から発動されるとしています。
カナダもまた、米国との緊密な経済関係を維持しつつ、自国の産業と労働者を守る必要があると強調しており、対話と報復措置を並行させる難しい対応を迫られています。
貿易摩擦は北米と世界に何をもたらすか
今回の一連の動きは、米国とメキシコ、カナダ、そして中国との間で貿易摩擦が強まっていることを示しています。関税は各国の交渉カードである一方、企業や消費者にとってはコスト増という形で跳ね返ってきます。
- 輸入品の価格上昇により、企業の収益圧迫や消費者価格の上昇につながる可能性
- 自動車や電子機器など、国境をまたぐ生産ネットワークへの影響
- 不確実性の高まりによる企業の投資計画の先送り
日本企業の中にも、メキシコやカナダ、米国に工場やサプライチェーンを持つ企業が少なくありません。関税の動き次第では、調達先の見直しや価格戦略の修正が必要になる場面も出てくるかもしれません。
これからの注目ポイント
今回の国際ニュースは、単なる米墨・米加の二国間問題にとどまらず、世界経済や日本にも波及しうるテーマです。今後、次の点に注目が集まりそうです。
- メキシコが発表する具体的な報復関税の品目や水準
- 米国とメキシコ、カナダとの間でどのような対話の枠組みが設けられるか
- カナダの25パーセント関税が、北米のサプライチェーンや雇用に与える影響
- 中国を含む他の貿易相手国との交渉に、この動きがどのような影響を及ぼすか
メキシコのシェインバウム大統領は、対立を避けつつも自国の立場を守る姿勢を鮮明にしました。米国、メキシコ、カナダそれぞれの国内事情と国際交渉が複雑に絡み合う中で、関税をめぐる駆け引きは今後もしばらく続きそうです。
Reference(s):
Mexican president says Mexico will retaliate against U.S. tariffs
cgtn.com








