世界経済フォーラム、AR・VR仮想空間で対話拡張へ video poster
世界経済フォーラム(WEF)が、ダボスでの年次総会だけにとどまらず、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を活用した仮想空間を通じて議論の場を広げようとしています。新たな仮想世界「Global Collaboration Village」は、参加者が登壇者と交流しながら地球規模の課題をインタラクティブに学べる場として構想されています。
年次総会を超えて対話を「常時オンライン」に
世界経済フォーラムは、これまでダボスでの年次総会を中心に、各地のリーダーや専門家を集めて議論を行ってきました。今回の取り組みは、その影響力を年に一度の場から、より継続的で開かれた対話へと広げる試みといえます。
ARとVRを活用することで、物理的にダボスに集まることが難しい人々も、仮想空間の中で議論に参加しやすくなります。地理的な制約を減らし、多様な背景を持つ人々を巻き込むことで、国際会議のあり方そのものを変える可能性があります。
仮想世界「Global Collaboration Village」の特徴
「Global Collaboration Village」は、世界経済フォーラムが用意した新しい仮想世界です。参加者はその仮想空間に入り、登壇者の話を聞いたり、議論に参加したり、世界が直面する課題をさまざまなコンテンツとして体験したりできます。
参加者にとってのメリット
- 登壇者とより近い感覚で対話できる
- 複雑なテーマを映像や立体的な表現を通じて理解しやすくなる
- 世界各地から同時にアクセスし、同じ空間を共有できる
AR・VRが国際議論にもたらす変化
ARは現実の景色にデジタル情報を重ねる技術で、VRはユーザーを仮想空間に没入させる技術です。これらを組み合わせることで、参加者は「画面の向こう側」で起きている出来事を眺めるだけでなく、その場にいるかのような感覚で議論に参加できます。
国際会議やフォーラムでは、発言者と聴衆の距離感や、オンライン参加者と会場参加者の間の温度差がしばしば課題になります。没入感のある環境は、そのギャップを埋め、より主体的な参加を促す手段となりえます。
共感と協働を生みやすい土台
地球規模の課題は、国や地域を越えた相互理解と協力が欠かせません。自分とは違う地域に暮らす人々の視点を、映像や仮想空間を通じて具体的に感じられれば、数字や資料だけでは得にくい実感や共感につながります。
世界経済フォーラムがAR・VRを活用する背景には、こうした「共感にもとづく対話」を増やしたいという狙いがあると考えられます。
CGTN記者が体験した没入型フォーラム
中国の国際メディアCGTNのWang Tianyu記者は、この「Global Collaboration Village」を実際に訪れ、没入型の技術がどのように協働や意味のある議論を生み出せるのかを取材しました。
取材の焦点は、単なる技術の紹介ではなく、「なぜ仮想空間が対話の質を変え得るのか」という点にあります。世界各地から参加する人々が、同じ空間で同じコンテンツを共有することで、これまで以上に一体感のある議論が期待されています。
これからの国際会議をどう変えるのか
今回の取り組みは、リアルな場での議論を置き換えるというより、補完し拡張する試みといえます。現地で直接顔を合わせるからこそ生まれる信頼関係と、仮想空間ならではのアクセスのしやすさや体験のしやすさを、どう組み合わせるかが鍵になりそうです。
国際ニュースや世界の動きを日本語で追う私たちにとっても、こうしたデジタル技術を通じた「新しい会議のかたち」は、今後のグローバルな対話のスタンダードになるかもしれません。次のダボスの話題は、現地だけでなく仮想空間からも生まれていく時代に入りつつあります。
Reference(s):
cgtn.com








