ハルビン冬の観光が好調 新体験とサービス刷新で需要拡大
中国北東部・黒竜江省の省都ハルビンで、2025年の冬季観光シーズンが本格化しています。観光客数と収入が大きく伸びるなか、多様な氷雪体験や新しい列車の導入など、「氷雪経済」の広がりが注目されています。
観光客300%増、収入500%増という伸び
前の冬シーズン、ハルビンは延べ8700万人以上の観光客を受け入れました。これは前年と比べて約300%の増加で、観光収入も約1248億元(約173億ドル)と、前年から500%伸びたとされています。
こうした急成長により、ハルビンは中国の氷と雪を中心とした「氷雪観光」の代表的な都市として存在感を高めています。氷像やイルミネーションといった従来の見どころに加え、多様なアクティビティやサービスが組み合わさることで、都市全体が一つの巨大なウィンターリゾートのようになりつつあります。
新しい旅行体験が需要をけん引
南の都市と結ぶ「氷雪テーマ列車」
観光需要の高まりに対応するため、ハルビンには新たな冬季テーマの列車ルートが登場しています。中国鉄路南昌局集団が運行を始めた「K974」氷雪テーマ列車は、南部の厦門(アモイ)とハルビンを結び、南方の都市からでもより便利に冬のハルビンを訪れられるようにしました。
さらに、「K5197」氷雪旅行写真列車も運行が始まりました。この列車には専用の写真撮影サービス付き車両が連結されており、移動中にスタジオさながらの記念撮影ができるのが特徴です。とくに高齢の旅行者の間で人気を集めているとされます。
遼寧省から訪れた金岳(ジン・ユエ)さんは、中国メディアの取材に対し「今年72歳になりますが、この観光列車と旅の写真サービスを体験しに来ました。本当にうれしいサプライズでした」と話しています。移動そのものを思い出に変えるサービスが、新たな旅行スタイルとして受け入れられていることがうかがえます。
「映える旅」は世代を超えて
写真撮影サービス付き列車の人気は、若者だけでなく高齢の旅行者も「映える旅」を楽しみたいというニーズがあることを示しています。移動と観光を一体化させたコンテンツは、団体旅行から個人旅行まで幅広い層に響きやすく、冬の観光需要を底上げする役割を担っていきそうです。
ホテル予約は76%増 サービスもアップグレード
2025年の冬も、ハルビンへのレジャー目的の旅行需要は強いままです。中国のオンライン旅行プラットフォーム「去哪儿(Qunar)」によると、春節(旧正月)期間のハルビンのホテル予約は前年同期比で76%増加しています。冬の長期休暇を利用して本格的な氷雪体験を楽しみたいというニーズが読み取れます。
観光客の急増に合わせて、ハルビンではインフラの拡充や地元ならではのホスピタリティの強化、サービスのアップグレードが進められています。こうした取り組みが、リピーターの獲得や口コミによる認知の広がりにもつながっているとみられます。
2025年アジア冬季競技大会が後押し
開催を控える2025年のハルビン・アジア冬季競技大会も、都市の魅力を高める重要な要素になっています。国際的なスポーツイベントを前に、新たな冬季テーマの旅行商品が打ち出され、国内外の旅行者の関心を集めています。
大会をきっかけに世界の注目が集まることで、ハルビンは「観光地」としてだけでなく、冬季スポーツや氷雪文化の発信地としての役割も強めていく可能性があります。観光とスポーツイベントを連動させることで、短期的な観光消費だけでなく、長期的なブランド価値の向上も期待されます。
ハルビンの氷雪観光が示すもの
前の冬シーズンに観光客300%増、収入500%増という急成長を遂げたハルビンは、氷雪資源を生かした都市づくりと観光戦略が大きな成果を上げうることを示しています。一方で、急激な観光ブームは、街のキャパシティや住民の生活とのバランスといった課題も伴います。
冬の旅行先を選ぶとき、私たちは「どんな体験ができるか」だけでなく、「その街の変化が地域にどんな影響を与えるのか」という視点も持てるかもしれません。ハルビンの事例は、これからの氷雪観光のあり方を考える一つのきっかけになりそうです。
Reference(s):
Harbin's winter tourism booms with new experiences, upgraded services
cgtn.com








