2025年春節の中国映画興行が100億元突破、世界首位に
中国では2025年の映画興行収入(前売り券を含む)が正式に100億元(約14億ドル)を突破し、今年の春節(旧正月)シーズンは世界の映画産業にとって象徴的な出来事となりました。累計興行収入は北米市場を上回り、この時点で中国が世界の興行ランキングの首位に立ったと伝えられています。
春節興行だけで80億元超えというインパクト
国家電影局のデータによると、ある月曜日の午後3時30分時点で、春節期間の興行収入は過去最高となる80億元(約11億ドル)に達しました。短期間でこれだけの売り上げを記録したことで、中国本土の春節映画シーズンは、世界でも突出した興行イベントとして存在感を示しています。
今回伝えられている主な数字を整理すると、次のようになります。
- 2025年の中国映画興行収入(前売り含む):100億元超
- 春節期間(ある月曜日15時30分時点):80億元
- 累計興行収入は北米市場を上回り、世界ランキング1位に
短い期間に80億元という数字が積み上がったことは、中国本土の映画市場の厚みと観客の熱量をあらためて浮かび上がらせるものとなりました。
アニメ大作「哪吒2」が記録ラッシュ
この興行ブームを牽引しているのが、アニメ映画の大作「哪吒2(Ne Zha 2)」です。作品は、前年の春節シーズンでトップだった「Yolo」の成績をすでに上回り、10以上の国内興行記録を次々と更新しました。当時、中国映画史上最高の興行収入作品となる可能性が高いと見られていました。
シリーズ第1作となる2019年の「Ne Zha: Birth of the Demon Child(Ne Zha 1)」は、およそ50億元(約6億9,000万ドル)の興行収入で映画業界を驚かせました。続編とされる「哪吒2」は、より練り込まれたストーリーと迫力ある映像表現で注目を集め、公開後はその内容や表現をめぐって幅広い議論が起きています。
ハリウッドの「バックオフィス」から、自ら物語を紡ぐ存在へ
かつて、中国のスタジオはハリウッド作品の視覚効果の一部を請け負う「バックオフィス(後方支援)」的な存在と見られることがありました。中国の映画産業が成長するなかで、逆に大作のCG制作を海外スタジオに委託するケースも増えていたとされます。
しかし、そうした構図は変わりつつあります。中国本土のコンピューター・グラフィックス(CG)産業は前面に出て、自国の文化や物語に根ざした作品づくりを支える役割を担い始めています。「哪吒」シリーズのように、中国文化に根ざした物語を現代的な映像技術で描き出すアプローチは、その象徴的な例だといえます。
技術力だけでなく、「自分たちの物語を自分たちの映像で語る」という意識の変化が、今回の興行記録の背景にあると見ることができそうです。
日本の観客・アジアの映画市場への示唆
2025年春節シーズンの興行記録は、単に「中国市場が大きい」という事実を示すだけではありません。アニメ作品がここまで大きな興行を達成したことは、日本を含むアジアの映画・アニメ産業にとっても重要なシグナルです。
今後、「哪吒2」のように中国本土のCGスタジオが手がける作品が、どのような形で国際市場と結びついていくのかは、グローバルな映画ビジネスを考えるうえでも注目すべきポイントです。
2025年の春節興行で示された数字は、世界の映画地図の重心が静かにシフトしつつあることを示す一つのサインと言えるでしょう。日本の観客にとっても、アジア発の物語や映像表現に目を向けるきっかけとなりそうです。
Reference(s):
2025 Chinese New Year box office soars to 10B yuan, tops global charts
cgtn.com







