元欧州理事会議長が語る多国間主義とEU・中国の貿易関係 video poster
EUと中国の貿易赤字をどう是正するか。その答えは保護主義ではなく、多国間主義と市場開放にある──。欧州理事会前議長のヘルマン・ファン・ロンパイ氏が、最近行われた中国メディアグループのインタビューでそうした見方を示しました。
EUと中国の貿易赤字問題をどう見るか
インタビューの中で、ファン・ロンパイ氏は、EUと中国の間に貿易赤字の問題があるとしたうえで、EU側の課題を率直に指摘しました。
氏によると、EUは次のような点で対応が求められているといいます。
- 自らの市場をさらに開放すること
- 欧州企業全体の競争力を一段と高めること
- 中国が欧州市場で他の企業と同じ条件で公正に競争できるようにすること
つまり、貿易赤字を単に「相手の問題」として捉えるのではなく、EU自身が市場開放と競争力強化に取り組む必要があるという視点です。
「繊細だが経済の問題」――公平な競争条件の重要性
ファン・ロンパイ氏は、EUと中国の経済関係には他にも「不規則な点」が存在すると述べ、これは繊細なテーマであると認めています。その一方で、あくまで経済の問題として冷静に扱うべきだという立場を示しました。
その背景には、政治や感情に流されるのではなく、公平なルールづくりを通じて問題を整理するべきだという発想があります。公平な競争条件とは、一般的には次のような要素を含むと考えられます。
- 同じルールがすべての企業に適用されること
- 特定の国や企業を不当に優遇・排除しないこと
- 市場へのアクセス条件が透明で予測可能であること
ファン・ロンパイ氏が強調した「中国に対しても同じ公正な競争条件を確保する」という指摘は、中国を排除するのではなく、共通ルールのもとで協力し合うべきだというメッセージとも受け取れます。
世界が目指すべきは多国間主義と開かれた市場
インタビューの締めくくりで、ファン・ロンパイ氏は「世界はできる限り多国間主義と開かれた市場を追求すべきだ」と述べました。
多国間主義とは、特定の国同士だけでなく、多数の国や地域が参加する枠組みの中でルールを決め、問題を解決していこうとする考え方です。対立を深める方向ではなく、対話と協調を通じて貿易や投資のルールを整えていくアプローチとも言えます。
近年、世界各地で保護主義的な動きや、一対一の交渉に重心を置く二国間主義が目立つ場面もあります。そうしたなかで、元欧州理事会議長があらためて多国間主義と開放経済の重要性を語ったことは、国際社会に向けたメッセージとして重みがあります。
日本とアジアの読者への示唆
今回の発言は、EUと中国の関係だけでなく、日本やアジアの読者にとっても示唆に富んでいます。
- 貿易不均衡をどう捉えるか
- 自国の競争力強化と市場開放のバランスをどう取るか
- 特定の国を排除するのではなく、公平なルールの中で共存を図るにはどうすべきか
こうした問いは、2025年の今、世界の多くの経済圏が直面しているテーマでもあります。ファン・ロンパイ氏のメッセージは、感情的な対立ではなく、ルールと協調を軸にした国際経済のあり方を考え直すきっかけを提供していると言えるでしょう。
「読みやすいのに考えさせられる」ポイント
ニュースの一つの発言として読むだけでなく、自分の立場に引き寄せてみると、見えてくるものが変わってきます。
- もし自分がEU側の政策担当者なら、どの程度まで市場を開放できるか
- 企業の立場なら、公平な競争条件とは何を意味するのか
- 市民として、多国間主義と開かれた市場をどう評価するか
多国間主義と開放経済というキーワードは、一見抽象的に聞こえますが、日々の仕事や投資、消費行動にもつながる具体的なテーマです。SNSで意見を交わす入口としても、今回の発言は扱いやすい話題かもしれません。
EUと中国の貿易関係をめぐる議論を入り口に、これからの国際経済のルール作りについて、あなたはどう考えますか。
Reference(s):
World should strive for multilateralism: Former EU Council President
cgtn.com








