中国2025年春節映画興行が過去最高、70億元突破 video poster
2025年の春節(旧正月)連休に、中国本土(中国)の映画興行収入が過去最高となる約70億元(約9億6600万ドル)を記録し、世界の映画市場で存在感を一段と高めました。
この国際ニュースは、エンタメとしての話題性だけでなく、「どこで、どのような物語が世界の観客を引きつけているのか」を考える上でも示唆的です。本記事では、記録更新の中身と背景、そして2025年12月現在の視点から見た意味を整理します。
2025年春節、史上最高の興行収入
中国本土の映画業界は、2025年の春節連休(1月28日〜2月2日)に新たな節目を迎えました。この6日間での興行収入は約70億元、日本円にして1,000億円規模に達した計算です。
数字で見る「春節70億元」
- 期間:2025年1月28日〜2月2日の春節連休
- 興行収入:約70億元(約9億6600万ドル)
- 中国の春節シーズンとして過去最高を更新
- 2025年の世界興行収入で、中国本土は北米市場を上回るポジションを固めたとされています
春節シーズンは、家族や友人が集まり、映画館で新作を楽しむ一大イベントとして定着しています。その「年に一度のピーク」で記録が塗り替えられたことは、中国本土の映画市場の底力を象徴していると言えます。
なぜ2025年春節興行はここまで伸びたのか
今回の記録更新には、いくつかの要因が重なっていると考えられます。ニュースで伝えられる「過去最高」の背後には、観客の行動や産業の変化があります。
1. 春節向け大作の集中公開
春節は、各スタジオが最も力を入れる「勝負の時期」です。家族向け作品、アクション超大作、コメディなど、幅広い層を狙った作品が一斉に公開されることで、映画館に足を運ぶ理由が増えます。
2. 劇場体験の価値の再認識
動画配信サービスの普及で、自宅で映画やドラマを楽しむ選択肢は増えました。一方で、大きなスクリーンや音響、観客と一緒に笑ったり驚いたりする「共有体験」への価値も見直されています。春節のようなハレの日には、あえて映画館を選ぶ動きが強まっているとみられます。
3. 地方都市まで広がるスクリーン
中国本土では、シネマコンプレックス(複合型映画館)の広がりにより、地方都市や新興エリアでも最新作を楽しめる環境が整いつつあります。スクリーンの裾野の広がりが、春節のようなピーク期にはそのまま興行収入の押し上げ要因になります。
世界の映画市場で何が変わるのか
今回の春節興行は、中国本土の数字が国内記録を更新しただけでなく、2025年の世界興行全体の勢力図にも影響を及ぼしています。
北米を上回る「世界トップ級市場」へ
2025年の興行収入において、中国本土は北米市場を上回り、世界の映画興行をけん引する存在となりました。「どの市場を最優先に作品を作り、公開スケジュールを組むのか」というスタジオの戦略にも、今後さらに変化が生まれる可能性があります。
例えば、
- 中国本土の公開日を起点にした世界同時公開
- 現地の観客の嗜好や文化に合わせた作品づくり
- 国際共同制作による、大型プロジェクトの増加
といった動きが、これまで以上に意識されていくと考えられます。
「ローカルな物語」がグローバルになりうる時代
映画は、単なる娯楽であると同時に、その国・地域の価値観や日常を映し出す文化コンテンツでもあります。中国本土発の作品が世界市場でも存在感を持つようになると、「どの国の物語が世界のメインストリームになるのか」という問いも、より多様な答えを持つようになります。
ストリーミングと映画館、国内市場と海外市場が重なり合うなかで、「ローカルに根ざした物語」がグローバルに届くルートは、今後さらに増えていきそうです。
日本からどう見る? 観客と映画産業へのヒント
日本の観客や映画業界にとっても、2025年春節のこのニュースは他人事ではありません。いくつかの視点が考えられます。
- 「イベントとしての映画体験」づくり:春節のように、特定の時期に映画館へ行くこと自体がイベント化すると、観客動員の底上げにつながります。
- ローカルな題材の再評価:日常の小さな出来事や地域の文化を丁寧に描いた作品が、むしろ海外で評価されるケースも増えています。
- 国際共同制作の可能性:アジアを含む多地域の観客を意識した企画・制作が、これまで以上に重要になっていくかもしれません。
日本から中国本土の映画を見に行く人も増えるなかで、スクリーン越しに隣国の生活や感情に触れることは、ニュースや統計だけでは見えないリアリティを教えてくれます。
2025年を振り返って:映画はどこへ向かうのか
2025年12月の時点で振り返ると、今年の春節興行70億元という数字は、単なる「過去最高」以上の意味を持っているように見えます。それは、
- 映画館という空間が、依然として強い吸引力を持っていること
- アジア、とくに中国本土の物語が世界の中心に近づきつつあること
- 観客の選択が、国境を越えてコンテンツの流れを変えうること
を示すシグナルでもあります。
2026年以降、春節や他の大型連休でどのような作品が生まれ、どの地域のどんな物語が世界の観客を引きつけるのか。2025年春節の記録更新は、その行方を占ううえで重要な「起点」となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








