春節の中国消費が絶好調 巳年スタートが示す内需シフト
2025年の春節(巳年)にあわせて、中国各地で消費券の配布やキャンペーンが相次ぎ、消費市場が力強いスタートを切りました。消費が経済成長の「主役」になりつつある中国経済の今を、数字とともに整理します。
2025年春節、中国各地で消費喚起策が相次ぐ
2025年の春節期間中、中国各地の地域では、住民の消費意欲を高めるための政策が幅広く打ち出されました。いわゆる「ホリデー経済」の活力を引き出すことがねらいです。
具体的には、さまざまな分野で使える消費券(クーポン)が配布されました。
- 文化・観光分野:映画館や観光施設、旅行商品の割引券
- 小売・飲食分野:百貨店やスーパー、飲食店で利用できるクーポン
- 自動車・家電分野:自動車購入支援や家電買い替えを促す補助・割引
こうした政策は、春節休暇中の人の移動や買い物、外食を後押しし、地域経済全体の活性化につながるよう設計されています。
統計が示す「消費主導」への転換
中国ではすでに、消費が経済成長の主なエンジンになりつつあります。2024年の経済成長への寄与度を見ると、最終消費支出が44.5%を占め、投資や輸出を大きく上回りました。
- 最終消費支出の寄与度:44.5%
- 投資(資本形成)の寄与度:25.2%
- 純輸出の寄与度:30.3%
かつての「投資と輸出頼み」から、「国内消費を柱にした成長」へと軸足を移そうとしている姿が数字に表れています。
中央経済工作会議でも、2025年に向けて「消費を力強く押し上げ、あらゆる面で内需を拡大する」方針が示されました。春節期の集中的な消費促進策は、こうした政策方針を具体化する取り組みの一環と位置づけられます。
なぜ春節消費が重要なのか
春節のような大型連休の消費は、中国の年間消費トレンドを占うバロメーターです。祝祭日シーズンの消費は、年間の社会消費小売総額の約1割を占めるとされています。
調査によると、2024年の春節期間中に売れた日用品・食品などの「ファストムービング消費財(すぐに消費される生活必需品)」は、年間販売額の20%に達しました。自動車や家電、酒類などの高額商品も、春節前後に購入が集中しやすいとされています。
こうした動きを裏付けるように、中国商務部によれば、2025年の「中国ニューイヤーショッピングフェスティバル」期間中の全国オンライン小売額は7,000億元(約960億ドル)を突破しました。オンラインプラットフォームのセールと、各地の消費券を組み合わせたキャンペーンが、春節商戦を一段と押し上げた形です。
「消費シナリオ」をどう増やすか
中国では、消費をさらに伸ばすために「消費シナリオ」を増やすことが重視されています。消費シナリオとは、人びとが自然にお金を使いたくなる場面や体験のことです。
- 旅行や帰省とセットになった観光・娯楽消費
- 年越しのごちそうやギフト需要に合わせた外食・小売
- 新生活やライフスタイル提案と結びついた自動車・家電の買い替え
2025年春節の各種キャンペーンは、こうした場面を意識的につくり出し、住民の潜在的な消費力を「解凍」する試みとも言えます。
日本からどう見る?グローバル経済への含意
日本の読者にとって、中国の春節消費はどのような意味を持つのでしょうか。いくつかのポイントが考えられます。
- 中国の消費拡大は、輸出や観光、ブランドビジネスを通じて周辺国の需要にも波及する可能性がある
- 政府とプラットフォームが連携し、消費券やポイント還元で需要を喚起する手法は、各国にとって政策の参考例となりうる
- 「内需拡大」を明確に掲げることで、経済構造をより消費中心に転換しようとする潮流が見えてくる
春節期の強い消費は、単なる一時的な盛り上がりではなく、政策と生活者の行動変化がかみ合うことで、年間を通じた成長の基盤づくりにつながっていると見ることができます。
巳年スタートの勢いは続くか
2025年の春節は、中国の消費市場が巳年のスタートから力強さを示した節目となりました。今後も、より多様な消費シーンをつくり、住民の消費ポテンシャルを十分に引き出せるかどうかが、経済の安定成長を左右する鍵になりそうです。
日本を含むグローバル経済にとっても、中国の内需の行方は無視できないテーマです。春節という一つの窓から、アジア経済のダイナミズムをどう読み解くかが、これからの重要な視点になっていきます。
Reference(s):
Consumption market ushers in strong start to the Year of the Snake
cgtn.com








