中国の消費市場、第1四半期は堅調成長へ 春節8連休で見えた回復力
中国の消費市場が2025年の第1四半期にかけて堅調な成長軌道にあると、中国商務省が最新の記者会見で示しました。春節(旧正月)の8連休で、買い物・外食・旅行・映画など幅広い分野の消費が前年より伸びたことが背景にあります。
商務省「第1四半期は安定した成長トレンド」
中国商務省の報道官である何勇倩(He Yongqian)氏は、木曜日に行われた記者会見で、今年第1四半期の中国の消費市場全体について「安定した成長トレンドにある」との見通しを示しました。発言は、1月29日から2月4日までの8日間の春節連休中の消費動向に関する記者からの質問に答えたものです。
何氏は、今年の春節連休について「全国的に祝祭ムードが強く、消費活動も力強かった」と述べ、消費の底堅さを強調しました。
春節8連休で何が起きたのか
中国商務省が公表した春節期間の主要データは次のとおりです。
- 全国の主要小売・外食企業の売上高:前年同期比4.1%増
- 家電・通信機器の販売:前年同期比10%超の増加
- 外食産業の売上高:前年同期比6.2%増
- 国内観光の延べ旅行者数:5億人に到達(前年同期比5.9%増)
- 国内観光による消費額:6770億元(約931億ドル)で前年同期比7%増
- 春節期間の映画興行収入:95.1億元(約13.1億ドル)で過去最高を更新
モノの消費からサービス、さらには映画といったコンテンツまで、幅広い分野で前年を上回る数字が並んでいることが分かります。
モノの消費:家電・通信機器が2桁成長
春節は、ボーナス支給や帰省・団らんをきっかけに、家電やデジタル機器を買い替えるタイミングになりやすい時期です。今年は特に、家電や通信機器の販売が前年より10%を超える伸びを記録しました。
スマートフォンや通信デバイス、生活家電などへの支出が伸びたとみられ、何氏はこうした動きが消費市場の潜在力を示していると説明しています。
コトの消費:旅行と外食が回復基調
国内観光も活発でした。春節期間中の国内観光の延べ旅行者数は5億人に達し、前年同期比で5.9%増加しました。観光消費額も6770億元と、前年より7%増えています。
家族や友人との会食も増え、外食産業の売上高は6.2%増となりました。旅行と外食という「コトの消費」がそろって伸びていることは、日常生活の楽しみや体験にお金を使う動きが広がっていることを示しています。
コンテンツの消費:映画興行が過去最高
春節シーズン恒例となりつつある映画館も大きなにぎわいを見せました。春節期間中の映画興行収入は95.1億元(約13.1億ドル)となり、過去最高を更新しました。
家族や友人と映画を楽しむ習慣が定着しつつあることに加え、春節向けの大型作品が相次いで公開されたことも、記録更新を後押ししたとみられます。
数字から見える中国の消費市場
全体の売上高の伸び率は4.1%と、急激な拡大というよりは安定した増加という印象です。一方で、家電・通信機器の2桁成長や、観光・映画分野の力強い伸びからは、消費の質が変化している様子もうかがえます。
何氏は、中国の消費市場について「依然として回復力が強く、潜在力に満ちている」と評価しており、春節連休のデータはその一端を示すものといえます。
日本からどう見る?生活者とビジネスへの示唆
中国の消費動向は、日本を含むアジアの経済や企業戦略にも影響を与えます。特に次のような点は、日本の読者にとっても関心が高いところかもしれません。
- 家電や通信機器の需要拡大は、関連部品やサービスを提供する企業にとってビジネスチャンスとなり得ること
- 国内観光や外食の回復は、今後の国際旅行需要にもつながる可能性があること
- 映画などコンテンツ消費の活発化は、エンターテインメント産業の連携や共同制作の余地を広げること
「中国の消費は本当に戻っているのか?」という問いに対して、今回の春節データは、少なくとも国内向け消費が着実に動いていることを示す材料になっています。
これから見えてくる第1四半期の全体像
今回明らかになったのは、春節という限られた期間のデータですが、中国商務省はこうした動きを踏まえ、第1四半期全体の消費市場についても安定した成長が続くとの見方を示しました。
今後、公的統計などを通じて第1四半期全体の数字が出そろえば、消費のトレンドがより鮮明になります。中国の消費市場がどのようなペースで成長を続けるのか、アジアと世界の経済を考えるうえでも注目が集まりそうです。
Reference(s):
Official: China's consumer market on track for steady Q1 growth
cgtn.com








