米中「トランプの貿易戦争」が再燃?10%関税の行方とそのツケ
米国が中国本土からの輸入品に一律10%の追加関税を発表し、中国側が世界貿易機関(WTO)への提訴と報復関税で応じる構図が強まっています。2024年の対米輸出額約5247億ドルという深い経済関係を持つ米中間で、誰がこの新たな「トランプの貿易戦争」のツケを払うことになるのでしょうか。
米国が中国本土からの輸入に10%関税
2025年現在、米国は中国本土からの輸入品に対し、新たに10%の追加関税を課す方針を打ち出しました。発表の理由として、米側はフェンタニル(合成オピオイド)をめぐる懸念などを挙げています。
この措置は、いわゆる「トランプの貿易戦争」と呼ばれてきた一連の関税政策の延長線上にあります。すでにさまざまな品目に高い関税がかかるなか、さらに10%が上乗せされれば、企業の調達コストや消費者価格への影響は避けられません。
中国商務部はWTO違反と批判、報復関税で対抗
これに対し、中国商務部は米国の決定を世界貿易機関(WTO)のルールに反する一方的な貿易保護主義だと批判しています。中国側はWTOに提訴するとともに、国務院関税税則委員会を通じて対抗措置を準備しています。
具体的には、来年2月10日から次のような新たな関税が予定されています。
- 石炭および液化天然ガス(LNG):15%の関税
- 原油:10%の関税
- 農業機械:10%の関税
- 大排気量車およびピックアップトラック:10%の関税
対象となるのはいずれも米国からの輸入品であり、エネルギーから自動車、農業関連まで幅広い分野に及びます。
輸出5247億ドルの中国本土、どの産業が最も打撃を受けるか
中国本土から米国への輸出は、貿易摩擦が続くなかでも高い水準を維持してきました。2024年の対米輸出額は約5247億ドルに達しています。
主な輸出品目は以下の通りです。
- 電気機械・電子機器
- 繊維製品
- 各種金属製品
- プラスチック製品
- 輸送用機器
今回の10%関税は、こうした分野に集中して影響するとみられます。価格競争力の低下に直面する企業は、コスト削減や生産拠点の見直しなど、厳しい選択を迫られる可能性があります。
誰がツケを払うのか:企業、消費者、そして世界経済
米中の企業にのしかかるコスト
関税は一見すると相手国への「制裁」のように見えますが、実際には次のような形でコストが波及します。
- 中国本土の輸出企業:米国市場での価格上昇により、シェア維持が難しくなる
- 米国の輸入企業:調達コストが増え、利益率が圧迫される
- 米国のエネルギー・農業・自動車関連企業:中国側の報復関税により、中国市場での競争力が低下する
消費者とサプライチェーンへの影響
最終的な負担の一部は、価格として消費者に転嫁される可能性が高いとみられます。また、電気機械や輸送用機器などサプライチェーンが複雑な製品では、部品や素材の価格変動が世界中の生産ネットワークに波及しやすい構造があります。
2025年の国際ニュースとして見る米中関税問題
WTOへの提訴と報復関税の応酬は、ルールに基づく多国間貿易体制にあらためて問いを投げかけています。米中という世界経済の二大プレーヤーの間で緊張が高まるとき、周辺の国と地域の企業もまた、サプライチェーンの再編や市場戦略の見直しを迫られます。
「トランプの貿易戦争」は、単に米中2カ国の問題ではなく、私たちの日々の物価や働き方にも静かに影を落とすテーマです。ニュースを追いながら、自分の生活やビジネスとどこでつながっているのかを考えることが、これからの国際ニュースとの付き合い方になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








