国際ニュース アジア冬季大会開幕で中国ハルビンの氷雪経済が加速
第9回アジア冬季競技大会が、中国東北部・黒竜江省ハルビンで金曜日に開幕しました。中国の「氷雪経済」に火をつけたこの国際大会は、冬のスポーツと観光をどう変えつつあるのでしょうか。
第9回アジア冬季大会が照らす中国の「氷雪経済」
アジア冬季競技大会は、アジアの冬季スポーツの祭典です。今大会の開催地となったハルビンは、厳しい寒さと雪を逆手に取った街づくりで知られ、英語で「Ice City」とも呼ばれています。
2022年の北京冬季オリンピック以降、中国ではスキーやスケートなどの冬季スポーツを楽しむ人が急増し、「氷雪経済」と総称される関連産業が全国で成長してきました。今回のアジア冬季大会は、その流れをさらに後押しし、中国国内だけでなく世界の冬季スポーツにも新たな活力を与えるイベントとして位置づけられています。
ハルビン「氷城」がつくる観光ブーム
ハルビンは、巨大な氷像やライトアップされた氷の建築物で有名な冬の祭りを毎年開催し、世界中から多くの観光客を引きつけてきました。近年はその勢いがさらに増しています。
ハルビン市文化と観光局によると、市内の氷と雪に関連する観光施設は、来訪者数が大きく伸びました。冬の目玉スポットであるハルビン氷雪大世界がオープンして以降、市全体の観光客数は前年同期比で21.3%増加したとされています。
数字でみるハルビンの成長
ハルビンの「氷雪経済」の伸びは、具体的な数字にも表れています。2024年の1年間だけを見ても、その勢いは際立ちます。
- 観光客数:1億7,900万人(2024年)
- 観光収入:2,314億2,000万元(約317億5,000万ドル)
- いずれも前年比で30%超の増加
当時の見通しでは、2024年12月から2025年2月までの冬シーズンの観光客数は、さらに15%増えると予測されていました。また、2月上旬の時点で、中国各地からハルビンへの国内線航空券の予約は20%以上増え、ホテルの予約も約60%増えるなど、足元の需要も強さを見せていました。
ギネス認定の氷雪テーマパークが牽引
ハルビンの観光ブームを象徴する存在が、ギネス世界記録にも認定された世界最大級の氷雪テーマパーク、ハルビン氷雪大世界です。
2024〜2025年シーズンの同パークは、アジア・オリンピック評議会(OCA)に属する42の国と3つの地域の象徴的な建築物をモチーフにした氷像を展示し、国際色豊かな空間を演出しました。
同シーズンの再オープンから47日間で、来場者数は延べ270万人を突破。2月1日には、1日あたり10万人を超える入場者を記録する日もありました。冬の夜空の下で光り輝く氷像を目当てに、多くの人が訪れたことがうかがえます。
なぜ今、「氷と雪」が経済のキーワードなのか
「氷雪経済」とは、氷の祭典やスキー場、ウィンタースポーツ用品、関連する交通・宿泊・飲食など、冬の寒さを資源として活用する一連の経済活動を指す言葉です。ハルビンはその典型例の一つと言えます。
今回のアジア冬季大会とハルビンの事例からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 寒さや雪といった自然条件を「弱点」ではなく「魅力」として打ち出す地域戦略
- 国際スポーツイベントを観光や都市ブランドづくりと結びつける発想
- 短い冬のシーズンに集中する需要を、文化イベントやナイトタイムエコノミーで底上げする工夫
中国各地で広がる冬のスポーツ熱は、アジアのウィンターツーリズムやスポーツビジネスにも波及しつつあります。アジア冬季大会は、その動きを象徴的に見せる場になっていると言えるでしょう。
読者への問いかけ:冬の楽しみ方をアップデートする
極寒の地として知られてきたハルビンが、「氷雪経済」というキーワードで注目を集めるようになったのは、視点を変えれば地域の価値は大きく変わるという好例でもあります。
冬は家にこもりがち、というイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、スポーツ、観光、文化イベントを掛け合わせることで、冬を楽しむ選択肢は大きく広がります。アジア冬季大会をきっかけに、私たち自身の冬の過ごし方や、雪国のポテンシャルをどう生かすかを考えてみるのも一つの視点かもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








