中国の電子製品買い替え補助に2000万人超申請 消費刺激の狙いを読む
中国で電子製品の「買い替え補助」制度が始まり、開始からわずか3週間の時点で、申請者が2000万人を超えたことが中国商務省のデータで分かりました。スマートフォンなどの買い替えを後押しするこの政策は、国内消費をどう押し上げようとしているのでしょうか。
開始3週間で2000万人超が申請
商務省によると、中国は2025年1月20日から電子製品の買い替えに対する補助をスタートしました。これは、既存の消費財買い替え(トレードイン)プログラムの対象を拡大したもので、デジタル製品の購入時に1点あたり最大500元(約69.7ドル)の補助が受けられる仕組みです。
制度開始から3週間時点で、
- 約2009万人の消費者が申請
- 対象となった電子製品は約2541万台
とされています。スマートフォンをはじめとする電子機器の需要を、短期間で大きく喚起したことがうかがえます。
決済ネットワーク最大手の中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ)によると、この期間中に補助付き取引は約627万件、取引額は合計205.8億元に達しました。カード決済データからも、買い替え補助が実際の消費行動につながっている様子が見て取れます。
春節前にスマホ販売が急増
政府のインセンティブに後押しされ、中国の携帯電話販売は、春節(旧正月)前の1週間で大きく伸びました。市場データによると、春節直前の週には、
- 販売台数が前週比74%増
- 販売金額が前週比65%増
となりました。2025年の春節は1月29日で、この時期はもともとボーナス支給や帰省シーズンと重なり、消費が盛り上がりやすいタイミングです。そこに買い替え補助が加わったことで、スマホの「駆け込み需要」が一気に高まった形です。
特にスマートフォンのようなデジタル機器は、
- 性能向上のスピードが速い
- 中古端末の下取り価値が相対的に読みやすい
- オンライン決済やSNSなど、生活インフラとしての重要度が高い
といった特徴があり、補助金とトレードインを組み合わせることで、買い替えを決断しやすい分野だといえます。
2024年から続く「買い替え」政策の流れ
今回の電子製品向け補助は、2024年から進められている「買い替え」政策の流れの中に位置づけられています。
中国は2024年3月、大型設備の更新と消費財の買い替えを促進する行動計画を打ち出しました。内需(国内需要)を拡大し、経済成長を下支えすることが狙いです。
公式データによると、このトレードイン(買い替え)スキームは、2024年に
- 自動車販売で約9200億元
- 家電販売で約2400億元
の売り上げを押し上げたとされています。電子製品に対象を広げた今回の補助策は、こうした実績を踏まえた「第2段階」ともいえる動きです。
自動車や家電に続いて、スマートフォンなどのデジタル製品にも買い替え需要を波及させることで、消費全体の底上げを図る構図が見えてきます。
日本の読者が押さえておきたい視点
日本からこのニュースを見るとき、意識しておきたいポイントは次のような点です。
1. 消費データから見える「政策の効果測定」
申請者数、取引件数、カード決済額、そしてスマホ販売の伸び率といったデータが短期間で公表されている点は、政策の効果をタイムリーに把握しようとする動きでもあります。数字で政策のインパクトを追いかけるスタイルは、消費動向を読むうえで重要な手がかりになります。
2. デジタル機器が内需拡大の主役に
これまでの買い替え政策は、自動車や家電が中心でしたが、今回はスマホを含む電子製品が前面に出ています。生活のデジタル化が進む中で、
- 新しい端末への買い替え
- モバイル決済やオンラインサービスの普及
といった流れが、消費拡大と結びついていることがうかがえます。
3. 日本企業や日本市場への示唆
中国の消費政策は、日本企業や日本市場にとっても参考になる部分があります。
- 中国市場に製品や部品を提供している企業にとっては、買い替え需要の波をどう取り込むかがテーマになる
- 日本国内でも、省エネ家電や自動車の買い替え支援策が議論される中、「下取り+補助金」という組み合わせの設計はひとつの事例となる
電子製品の買い替え補助に2000万人以上が応募したという事実は、政策と消費行動が結びついたときのスケールの大きさを示しているともいえます。
2025年の中国経済を読み解くうえで、電子製品の買い替え補助は「内需」と「デジタル消費」の両方を映し出す鏡のような政策として、今後も注目されそうです。
Reference(s):
Over 20 million Chinese apply for electronics trade-in subsidies
cgtn.com







