中国グリーン経済の新たな原動力:新エネルギー電力価格の市場化改革
中国のグリーン経済に新たな動きです。今年2月9日、国家発展改革委員会と国家エネルギー局が、新エネルギーの送電価格を市場メカニズムに本格的に組み込む改革方針を発表しました。この市場化改革は、風力・太陽光発電の拡大と「双炭」目標に向けたエネルギー転換を支える重要な一歩とみられます。
2025年2月の通知で何が決まったのか
2025年2月9日に公表された通知は、新エネルギーの送電価格を「計画価格」から「市場価格」へと段階的に移行させることを明確にしました。対象となるのは主に風力発電と太陽光発電で、これらを電力市場の取引枠組みに本格的に組み込み、価格形成を市場に委ねていく方針です。
狙いは二つあります。
- 新エネルギー産業の高品質な発展に、市場の活力をより強く取り込むこと
- 再生可能エネルギーを中核に据えた新しい電力システムの構築に、制度面の裏付けを与えること
長期的には、この制度改革が中国のエネルギー転換と、「2030年までの二酸化炭素排出ピークアウト」「2060年までのカーボンニュートラル」という双炭戦略の実現を後押しすると位置づけられています。
なぜ今、新エネルギー価格の市場化なのか
風力・太陽光が歴史的な転換点に
中国の新エネルギー開発は、すでに量的拡大から質の向上へと軸足を移しつつあります。2024年末時点で、風力と太陽光の設備容量は12億キロワットを超え、中国全体の発電規模の35%超を占めるまでに拡大しています。
これだけ規模が大きくなると、従来の政策枠組みでは対応しきれない課題が表面化します。特に、変動が大きい新エネルギー電源をどう安定的に系統に組み込み、既存の火力や水力との運用バランスをどう取るかが重要なテーマになっています。
補助金と固定価格の時代からの転換
これまで中国の新エネルギー産業は、固定価格での買取保証や財政補助など、政策的な後押しによって急速に拡大してきました。この仕組みは産業の立ち上げには大きな効果があった一方で、市場の価格シグナルが十分に機能しないという側面もありました。
特に次のような課題が指摘されていました。
- 固定価格に依存することで、市場の需給状況が投資判断や運用に反映されにくい
- 電力スポット市場の整備が進む中で、新エネルギーが市場の枠外に残ると、正確な価格シグナルが出しにくい
- 変動の大きさに伴う調整コストや責任の所在があいまいになりやすい
財政補助が段階的に縮小される中で、持続可能な価格メカニズムをどのように構築するかは、新エネルギー産業にとって避けて通れないテーマとなっていました。
改革の中身:価格シグナルで資源配分を変える
今回の市場化改革の核心は、価格を通じて資源配分をより効率的に行う仕組みを整えることです。これまでのような一律の固定価格ではなく、市場で形成される価格を基準に、新エネルギー事業者の収益構造を組み立て直していきます。
通知では、とりわけ電力スポット市場との連携が重視されています。新エネルギーがスポット市場の外にとどまる場合、市場参加者は新エネルギーの発電変動にどう対応するかについて、十分なインセンティブを持ちにくくなります。市場価格がリアルタイムの需給状況を映し出すことで、系統の柔軟性向上に向けた投資や運用改善が促されることが期待されています。
<h3「市場価格+差額決済」という二重の仕組み< h3=Reference(s):
cgtn.com








