中国商務部長、米国の対中関税に懸念表明 新商務長官に書簡
中国の王文涛商務部長が米国の新しい商務長官ハワード・ラトニック氏に書簡を送り、対中10%関税への強い懸念と、対話による解決を呼びかけました。米中経済関係と世界経済にとって無視できない動きです。
中国商務部長が米新商務長官に送ったメッセージ
王文涛商務部長は、米国の新しい商務長官に就任したハワード・ラトニック氏に祝意を伝える書簡を送り、同氏が第41代米商務長官に就任したことを歓迎しました。そのうえで、米国による対中関税、とくに中国から米国に輸出される製品に対する10%の追加関税に懸念を表明しました。
王部長は書簡の中で、経済・貿易関係は米中関係の重要な一部であり、世界第2位と第1位の経済として、両国が経済・貿易協力を強化することは双方の発展と世界経済の成長にとって大きな意味があると強調しました。
これまで両国の商務当局は、経済・貿易協力の推進と具体的な案件の調整に重要な役割を果たしてきました。王部長は、中国は今後も米国側と共に対話を強め、意見の違いを管理しつつ協力を促進し、相互尊重、平和共存、ウィンウィン協力の原則に基づいて、両国のビジネス界が実務的な協力を進められる公正で予見可能な政策環境をつくりたいと述べました。
焦点は対中10%関税とフェンタニル
今回、中国側がとくに問題視しているのが、米国がフェンタニルやその他の問題を理由に、中国から米国に輸出される製品に10%の関税を課している点です。王部長は、この措置に対して強い不満を示しました。
王部長によると、中国と米国はフェンタニル対策で幅広く深い協力を進め、顕著な成果を上げてきました。こうした協力が続いているにもかかわらず、フェンタニル問題などを理由に一方的な関税措置が取られていることに、中国側は納得しがたいとの立場です。
王部長は、米国による一方的な追加関税が、両国の「通常の」経済・貿易協力に損害を与えていると指摘しました。中国側は、関税ではなく対話と協議を通じて懸念を解消するべきだと訴えています。
米中経済・貿易関係への影響
世界の2大経済である米国と中国の関係は、サプライチェーンや金融市場、企業の投資判断に大きな影響を与えます。今回のような関税措置が長期化すれば、企業にとっての不確実性が増し、コスト構造や調達戦略の見直しを迫られる可能性があります。
一方で、王部長が強調したように、経済・貿易分野での協力は、両国だけでなく世界経済の成長にも寄与します。協力と対立が同時に存在するなかで、いかに衝突を管理し、共通の利益を広げていけるかが問われています。
対話と協力の行方
王部長は書簡の中で、中国は米国側と共に対話を強化し、意見の違いを適切に管理しながら協力を拡大していく意思があると繰り返し示しました。また、両国が互いの懸念を平等な立場で話し合い、協議によって解決策を探ることへの期待も表明しました。
米中の商務当局は、これまでも経済対話や協議の場を通じて、摩擦の緩和やルールづくりを進めてきました。今回の書簡が、新たな対話のきっかけとなるのか、それとも関税をめぐる緊張が続くのかは、今後の具体的な協議の行方にかかっています。
日本や企業にとって何を意味するか
米中関係の動きは、日本を含むアジアや世界の企業にとっても他人事ではありません。多くの企業が米中両市場で事業を展開し、中国からの製品や部品を調達しているため、関税や規制の変化はコストやサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。
今回の書簡は、対立の中でも対話と協力のチャンネルを維持しようとする中国側のメッセージと受け取ることができます。読者としては、関税や安全保障といった政治的なテーマだけでなく、その裏側で進む実務的な協力のあり方にも目を向けることで、米中関係をより立体的に捉えることができそうです。
米中の経済・貿易関係がどの方向に進むのかは、2025年以降の世界経済の行方を左右する重要な要素の一つです。今後の両国の対話の進展と、関税問題をめぐる具体的な動きに引き続き注目が集まりそうです。
Reference(s):
Chinese commerce minister expresses concerns over U.S. tariffs
cgtn.com








