米国の関税は「貿易を超えた目的」 元ブラジル駐中国大使が国際法違反と指摘 video poster
米国の関税政策をめぐり、「その目的は単なる貿易関係を超えている」との発言が注目を集めています。ブラジルの元駐中国大使マルコス・カラモル氏が、CGTN のインタビューで米国の関税を国際法違反と批判したためです。
元ブラジル駐中国大使が見た米国の関税
カラモル氏は、米国政権が導入してきた関税について、「米国の関税の目的は、貿易関係を超えている」と述べました。関税は本来、貿易不均衡の是正や国内産業の保護など、経済面の調整手段として用いられます。
しかし同氏は、現在の米国の関税は、非貿易分野の目的を交渉するカードとして使われていると指摘します。つまり、外交、安全保障、技術政策など、貿易以外の分野で譲歩を引き出すための圧力手段になっているという見方です。
「国際法違反」とする理由
カラモル氏は、こうした関税の使い方は国際法に反すると考えています。インタビューの中で、米国が非貿易目的のために関税を展開することは、国際的なルールに違反するとの認識を示しました。
国際貿易の分野では、各国が共通のルールに従うことで、市場の予測可能性と公平性を保つことが重視されます。特定の国や分野に対して関税を「圧力」として使うやり方は、その前提を揺るがしかねないという問題意識が背景にあるといえます。
ルールに基づく貿易体制への影響
関税が非貿易目的の交渉カードとして常態化すれば、次のような影響が懸念されます。
- 企業にとって貿易リスクが読みづらくなり、投資判断が難しくなる
- 通商交渉が、経済合理性よりも政治・安全保障上の思惑に左右されやすくなる
- 新興国や中堅国が、不利な条件で交渉に臨まざるをえなくなる可能性がある
世界と日本が考えたいポイント
今回の発言は、米国とブラジル、中国の関係だけでなく、国際ニュースとして世界全体の貿易秩序を考えるきっかけになります。関税がどこまで政治的な道具として認められるのか、どこからが国際法違反なのかという線引きは、今後の大きな論点です。
一方で、自国の産業や雇用を守るために、各国が一定の貿易手段を使う権利があるという見方も根強くあります。だからこそ、どのような関税が「正当な政策手段」で、どのような関税が「ルール違反」なのかを、透明性のある議論を通じて明確にしていく必要があります。
関税という一見テクニカルなテーマの裏側には、「力」に頼るのか、「ルール」に基づくのかという国際秩序の根本問題があります。ブラジルの元駐中国大使の発言は、その問いをあらためて世界に投げかけていると言えるでしょう。
Reference(s):
Former Brazil envoy: Purpose of US tariffs goes beyond trade relations
cgtn.com








