金価格が過去最高、米トランプ大統領の関税計画で安全資産需要が急増
金価格が安全資産としての需要の高まりから過去最高値を更新しました。米国のトランプ大統領による新たな関税計画とドル安が重なり、2025年の国際商品市場の大きなテーマとなっています。
金価格が過去最高、3000ドルが視野に
国際市場での現物の金価格(スポット価格)は週明けの取引で1オンスあたり0.5%高の2951.19ドルまで上昇し、取引時間中には2956.15ドルを付けて過去最高値を更新しました。2025年に入ってからの最高値更新はこれで11回目となり、金は年初来で12%超の上昇となっています。
市場では「3000ドル」という心理的な節目が意識されており、足元の2950ドル前後の水準はその手前の助走期間とみられています。
- 終値ベースの金価格:2951.19ドル(1オンス)
- 取引時間中の高値:2956.15ドル
- 2025年の最高値更新回数:11回
- 年初来パフォーマンス:+12%超
背景にトランプ大統領の関税計画とインフレ懸念
今回の金高の直接のきっかけとされているのが、米国のトランプ大統領が打ち出した新たな関税計画です。米国はメキシコとカナダからの輸入品に対する関税を、1カ月の猶予期間を経て予定どおり実施する方針を改めて表明しました。
市場では、こうした関税が
- 輸入品価格の上昇を通じてインフレ(物価上昇)を招く
- 報復関税や貿易摩擦の激化につながる
- 企業のコスト増や成長減速をもたらす
と広く受け止められています。インフレ懸念や景気の先行き不透明感が強まる局面では、価値がゼロになりにくいとされる金などの安全資産に資金が向かいやすくなります。
ドル安が金相場を後押し
金はドル建てで取引されるため、ドルの価値が下がると、その他の通貨を使う投資家にとって金が割安に感じられます。今回も、ドルの強さを示すドル指数が106.597と弱含んだことで、金価格の上昇に追い風となりました。
ドル安・インフレ懸念・貿易摩擦という3つの要因が同時に意識されていることが、2025年の金市場の特徴だと言えます。
日本の投資家はどう見る?3つのチェックポイント
日本から国際ニュースとして金価格の動きをフォローする読者や投資家にとって、今回の局面で意識しておきたいポイントは次の3つです。
- 短期の値動きの大きさ
最高値更新局面では、利食い売り(利益確定の売り)も出やすく、上下の振れが大きくなります。安全資産といっても、短期的には大きく下落するリスクもあります。 - 為替レートの影響
金はドル建てで取引されるため、日本の個人投資家が円で運用する場合、ドル円相場の動きも成績に影響します。ドル安・円安が同時に進むときなどは、ドル建ての値上がりがそのまま円ベースの収益につながらないこともあります。 - 分散投資としての位置づけ
金は株式や債券と値動きのパターンが異なることが多いため、ポートフォリオ(資産全体)の値動きを安定させる役割が期待されます。ただし資産を金だけに偏らせるのではなく、あくまで全体の一部として組み入れる考え方が重要です。
今後の焦点:3000ドル到達と関税発動の行方
足元で国際市場の関心は、次の2点に集まっています。
- 金価格が心理的節目とされる1オンス3000ドルに到達するかどうか
- 米国の対メキシコ・カナダ関税が予定どおり発動され、その後どの程度拡大・長期化するのか
金価格は、地政学リスクや金融政策、為替など多くの要因で動きます。今回の関税問題も、その一つの材料にすぎません。国際ニュースを追いながら、自身のリスク許容度や投資の目的に照らして、冷静に情報を整理していくことが求められます。
Reference(s):
Gold hits new record highs as US tariffs trigger demand increase
cgtn.com








