中国・長汀県の奇跡 荒れ地からエコ経済へ、緑が生んだ成長 video poster
中国南東部の長汀県(Changting County)が、荒れ果てた赤茶けた山から、果樹や放し飼いのニワトリが行き交う「エコ経済」の拠点へと生まれ変わっています。国際ニュースとしても注目されるこの変化は、環境再生と地域経済の両立を考えるうえで、世界共通のヒントになりそうです。
荒れ地だった山々が「緑の資産」に
かつての長汀県は、土壌の浸食が進み、山肌がむき出しになった不毛の地として知られていました。植生が失われ、暑い日には山一帯が「燃えるよう」に赤く見えるほどだったといいます。
しかし、この10数年あまりで景色は一変しました。今では山頂まで緑が覆い尽くし、次のような風景が広がっています。
- 果物をたわわに実らせる樹木
- 山の斜面を自由に歩き回る放し飼いのニワトリ
- 自然環境を生かしたエコ志向のビジネス
環境を立て直す取り組みが、地域の新たな収入源と雇用を生み出し、「エコ経済」と呼べる循環をつくり出していることが、今回の中国ニュースの大きなポイントです。
エコロジーと成長を両立させる発想
長汀県の事例で特徴的なのは、「自然を守ること」そのものをコストではなく、長期的な投資ととらえている点です。CGTNのビジネスシリーズ「BizFocus」では、業界の専門家へのインタビューや現地取材を通じて、この発想の転換がどのように実現していったのかを掘り下げています。
番組の内容からは、環境再生と持続可能な成長に共通する、いくつかのポイントが浮かび上がります。
- 環境回復を出発点にする: まず山や土壌をよみがえらせ、そのうえで農業や畜産、観光などのビジネスを組み立てる。
- 自然と調和した生産: 果樹や家畜を「できるだけ自然に近い形」で育てることで、ブランド価値や付加価値を高める。
- 地域全体での共有: 環境を守ることのメリットを住民が実感できるようにし、長期的な協力関係を築く。
こうした考え方は、中国だけでなく、山間部や農村が多い日本を含むアジア各地にも応用可能な視点といえます。
CGTN「BizFocus」Ep.121が追った現場
CGTNの新シリーズ「BizFocus」は、中国各地のビジネス現場や成長分野を深掘りする国際ニュース番組です。第121回では、記者のリンカーン・ハンフリーズ氏が長汀県を取り上げ、どのようにして環境再生と持続可能な開発が現実のものになったのかを探りました。
番組では、緑に覆われた山々の映像とともに、果樹園や放し飼いの養鶏、エコ志向のビジネスに携わる人びとの姿が紹介されています。かつて「何も生まれない」と見なされていた土地が、いまでは地域経済を支える基盤になっていることが伝えられました。
なぜ今、長汀県の「逆転劇」に注目するのか
長汀県のような環境再生の事例は、気候変動や資源制約が課題となる2020年代の世界経済にとって、重要な示唆を含んでいます。
- 「成長か環境か」の二者択一を超える: 緑化とエコビジネスの組み合わせによって、環境と経済の両方を高める道が見えてくる。
- 地方から始まるグリーン転換: 大都市だけでなく、地方の小さな地域からも、持続可能なモデルが生まれうる。
- 物語として伝える重要性: 国際ニュースを通じて成功事例が共有されることで、他地域の政策や企業戦略にも影響を与えうる。
中国南東部の一地方から始まったこのエコ経済の動きは、環境を負担ではなく「成長のエンジン」に変える試みとして、今後も注目を集めそうです。長汀県の「緑の逆転劇」をどう生かすかは、私たち自身の地域づくりやビジネスの発想にもつながる問いになっています。
Reference(s):
BizFocus Ep.121: Changting's ecological revival fuels green growth
cgtn.com








