中国経済回復に弾み 2025年2月PMIが3指標そろって拡大圏に
2025年2月の統計から、中国の景気回復が着実に勢いを増していたことが見えてきました。製造業と非製造業の景況感を示すPMI(購買担当者景気指数)がそろって拡大基調に戻り、中国経済の先行きに対する見方に、あらためて注目が集まっています。
製造業PMIが50超え、設備・ハイテクも拡大圏に
国家統計局(NBS)が公表した2025年2月の中国の製造業PMIは50.2と、前月から1.1ポイント上昇し、景気の「境目」とされる50を上回りました。50を上回ると「景気拡大」、下回ると「景気後退」とされるため、製造業が全体として拡大局面に戻った形です。
内訳を見ると、
- 生産を示す指数:52.5
- 新規受注を示す指数:51.1
といずれも50を明確に超えており、生産活動と受注がそろって持ち直していたことが分かります。
さらに、今後の成長を左右する設備製造やハイテク関連も堅調でした。
- 設備製造業のPMI:50.8
- ハイテク製造業のPMI:50.9
いずれも拡大圏を維持しており、産業構造の高度化に沿った分野で回復の力強さがうかがえます。
サービス業・インフラ関連は堅調、消費関連は一服
製造業に加えて、サービス業などを含む非製造業PMIも回復を続けました。2月の非製造業PMIは50.4と、前月から0.2ポイント上昇し、拡大基調を維持しました。
特に勢いが目立ったのは、次のような分野です。
- 航空輸送
- 郵便・宅配サービス
- 通信・ラジオ・テレビ・衛星伝送サービス
- 貨幣・金融サービス
- 資本市場サービス
これらの業種では事業活動指数がいずれも55を上回り、全体のビジネス量が力強く増加していたことを示しました。
一方で、消費に近い分野では違った動きも見られました。小売業や宿泊・飲食(ホテル・レストランなど)では事業活動指数が大きく低下しました。NBSの趙清河氏は、春節(旧正月)前の「先買い」需要が1月までに集中したことや、連休後に一時的な反動減が出たことが影響したと分析しています。
建設業は大きく持ち直し、複合PMIも51.1に
インフラ投資などと関連の深い建設業にも改善の兆しが見られました。2月の建設業活動を示す指数は52.7と、前月から3.4ポイントの大幅な上昇となりました。
製造業と非製造業を合わせた中国の複合PMIは51.1で、前月比1.0ポイントの上昇です。NBSは、
- 製造業PMI:50.2
- 非製造業PMI:50.4
- 複合PMI:51.1
という3つの主要指数がそろって拡大圏(50以上)にあることから、「景気回復が全体として加速している」と評価しています。
回復の背景に「季節要因+政策+構造変化」
今回のPMIの改善には、複数の要因が重なっています。趙清河氏は、春節連休後に企業の生産再開が進んだことが、2月の数値を押し上げたと指摘しました。連休で一時的に落ち込んだ稼働率が、2月にかけて戻った影響です。
一方で、中国物流情報センターのアナリスト、温韜(Wen Tao)氏は「2月の製造業PMIの回復は、季節要因だけでなく、政策と需要・供給の両面に支えられた『構造的な回復』だ」と分析しています。
温氏によれば、いくつかのサブ指数がここ最近の高水準を更新しており、単なる一時的な反発ではなく、「質の高い成長」につながる動きも確認できるといいます。これは、設備投資やハイテク分野が拡大圏にあることとも整合的です。
日本を含む周辺国が読むべきポイント
今回のPMIの動きは、日本を含むアジアの企業や投資家にとっても重要なシグナルです。中国経済の動きは、部品調達や輸出需要、観光・サービスなど、多くの分野で周辺国と密接に結びついているからです。
とくに注目されるポイントは、次の3点でしょう。
- 製造業が拡大圏に戻り、生産と新規受注がともに改善していること
- ハイテクや設備関連など、付加価値の高い分野で回復の動きが見られること
- サービス業では金融や通信などのビジネス需要が堅調な一方、消費関連は春節後に一服していること
このように、2025年2月時点のPMIは、中国経済が「量の回復」と同時に「質の向上」を模索している局面にあることを示していると読めます。日本の企業や投資家にとっては、どの分野で需要が強く、どの分野で変動が大きいのかを見極める上で、重要な手がかりとなりそうです。
Reference(s):
Key indicators show China's economic recovery gaining momentum
cgtn.com








