2025年「国際氷河保全年」と中国のグリーン行動Wander Lens video poster
2025年は、国連が定めた「国際氷河保全年」。中国発の映像プロジェクト「Wander Lens」が、氷河と人々の日常をレンズでつなぐグリーン行動として静かに注目を集めています。
カメラ一台を手に、山や海を越えて「一瞬で過ぎ去る瞬間」を追いかける――。雪をいただく山々から日差しの差し込む教室まで、送られてきた一枚一枚が、日常の中の小さな「いのちのきらめき」を映し出します。プロジェクトではカメラを郵送し、さまざまな立場の人びとに「レンズを通して日常を見つめ直してみませんか」と呼びかけています。
2025年は「国際氷河保全年」 氷河がなぜニュースになるのか
今年2025年、国連は氷河保全への意識を高めるため「国際氷河保全年(International Year of Glaciers' Preservation)」を掲げ、3月21日を「世界氷河デー」としました。世界各地で、市民参加型のイベントや教育プログラムが行われ、氷河がもたらす水資源や文化、そして気候変動の影響について議論が続いています。
山々の氷河は、淡水の貯水庫であると同時に、地球の温度変化を映す「体温計」のような存在です。気温の上昇とともに多くの氷河は縮小し、その変化は下流の農業、水力発電、都市の暮らしにも少しずつ波及しています。氷河のニュースは、遠い山岳地帯だけでなく、私たちの日常の水やエネルギーの問題ともつながっています。
中国のグリーン行動と第14次五カ年計画
こうした世界的な流れの中で、中国は第14次五カ年計画と2035年までの長期目標を通じて、「緑の発展」と「人と自然の調和」を重要な柱に掲げています。エネルギー構造の転換や生態系の保全、低炭素技術の普及など、経済成長と環境保護を両立させる取り組みが進められています。
2025年の「氷河の年」は、これらの方針を社会のすみずみに根付かせるための象徴的なタイミングでもあります。行政による大型プロジェクトだけでなく、Wander Lensのように日常の視点から自然との関係を見直す市民発の試みが、グリーン行動の幅を広げています。
カメラを届けるWander Lens 日常と氷河をつなぐ試み
Wander Lensは、中国からスタートした映像プロジェクトです。参加者は郵送で受け取ったカメラを手に、身近な風景や人、自然を自由に撮影します。雪をかぶった山の尾根、朝日が差し込む教室、通勤電車の窓から見える空――何気ない場面が、レンズを通すことで新しい意味を帯びていきます。
その一枚一枚は、氷河の存在だけでなく、私たちの生活が気候や水とどれほど深く結びついているかを静かに語りかけます。「忙しい毎日の中にも、驚きや温かさの光が潜んでいる」と気づかせてくれる点も、このプロジェクトの魅力です。
探検家フー・ジャオジャオが見た「溶ける氷河」の現実
Wander Lensは、探検家でありPolarHubの創設者でもあるフー・ジャオジャオ(Hu Jiaojiao)さんの活動とも重なっています。彼女は中国本土からニュージーランドへと渡り、国際的な女性ラフティング遠征に参加しました。そこで目の当たりにしたのは、溶け続ける氷河の姿でした。
遠征の最中、氷河の融解によって思いがけない危険にさらされ、彼女自身が大きな個人的損失を被る寸前だった出来事もあったといいます。氷が崩れ、川の流れが急に変わる――その変化は、少し前まで「遠い未来の話」と思われていた気候変動が、すでに目の前の現実となっていることを実感させるものでした。
氷河を守ることは、未来を守ること
その経験を通じてフーさんは、氷河保全は単に「自然を守る」だけでなく、自分たちの安全や暮らし、そして次の世代の選択肢を守ることでもあると語ります。彼女のメッセージはシンプルです。氷河を守り、未来を守るために、ともに行動しよう――という呼びかけです。
氷河を守るために、私たちにできること
では、日本に暮らす私たちは、氷河から遠く離れた場所にいながら、何ができるのでしょうか。Wander Lensのような取り組みは、そのヒントを与えてくれます。
- 知る・撮る・伝える:氷河や気候変動についての記事やドキュメンタリーを見るだけでなく、自分の身近な自然や季節の変化を写真や動画に記録し、SNSで共有することも一つの行動です。
- 日常の選択を少し変える:省エネを意識した暮らし方や、環境負荷の少ない商品を選ぶことは、遠くの氷河にもつながる小さなグリーン行動です。
- 環境保全のプロジェクトを応援する:氷河研究や生態系保全に取り組む団体、環境教育や市民参加型のプロジェクトに関心を寄せ、情報発信をフォローしたり参加したりすることも力になります。
- 国際的な記念日をきっかけにする:毎年3月21日の「世界氷河デー」や、2025年の「国際氷河保全年」をきっかけに、家族や友人、職場の同僚と環境について話してみるのもよいでしょう。
SNS時代の「レンズ越しの環境ニュース」
デジタルネイティブ世代にとって、カメラはスマートフォンとほぼ同義です。ニュースアプリやSNSで世界の出来事を追いながら、自分自身も写真や動画を発信する――その行為自体が、環境ニュースの一部になりつつあります。
Wander Lensのようなプロジェクトは、国際ニュースと自分の日常の距離を縮めてくれます。氷河の写真だけでなく、近所の川、雨上がりの空、教室の窓から差し込む光――そうした「いつもの風景」が、気候や水とつながる物語になるかもしれません。
2025年の「国際氷河保全年」が終わりに近づく今こそ、レンズを通して自分と地球の関係を見つめ直すタイミングです。次にシャッターを切るとき、その一枚がどんな未来につながっていくのか、少しだけ思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
SNSでシェアするときのハッシュタグ例
氷河や環境、グリーン行動について発信するときに使いやすいハッシュタグの一例です。
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Reference(s):
cgtn.com








