中国「両会」開幕 専門家「消費政策パッケージは2024年を上回る見通し」 video poster
中国の最重要政治イベントとされる「両会」が北京で始まり、内需と消費をどう支えるかが大きな焦点となっています。米金融大手JPモルガンの朱ハイビン氏(チーフ・チャイナ・エコノミスト)は、CGTNのインタビューで、消費を下支えするための政策パッケージは「2024年を上回る」規模になるとの見方を示しました。中国経済の行方だけでなく、日本を含む世界経済への影響にも関心が高まっています。
中国の「両会」が始動 政協会議が口火に
2025年12月、北京で中国人民政治協商会議(政協)全国委員会の年次総会が開幕しました。政協は中国のトップ政治協商機関で、各界の代表が集まり、経済運営や社会政策など幅広いテーマについて意見を交わします。
この政協総会の開幕は、毎年の「両会」のスタートを意味します。両会とは、政協全国委員会と全国人民代表大会(全人代)の年次会議を合わせた呼称で、1年の政策方針が集中的に示される場です。内需拡大や消費促進策は、今回も最重要テーマの一つとなっています。
朱ハイビン氏「消費政策パッケージは2024年を上回る」
CGTNの番組に出演した朱ハイビン氏は、今後の中国経済政策について次のような見方を語りました。ポイントは、国内需要、なかでも個人消費を支える政策が強化されるという点です。
- 中国の成長を支える柱として、輸出だけでなく内需・消費が一段と重視される
- このため、消費関連の政策パッケージは2024年よりも規模が大きくなると見込んでいる
- 財政支出や税制、金融面のサポートを組み合わせ、家計と企業の信頼感を高めることが狙いだとみられる
具体的な数値や制度設計は今後の発表を待つ必要がありますが、「2024年を上回る」というコメントは、当局が内需のテコ入れを相当程度重視しているシグナルと受け止められます。
「消費政策パッケージ」とは何を指すのか
朱氏が言及した「消費政策パッケージ」とは、単一の政策ではなく、複数の施策を組み合わせた総合的な枠組みと考えられます。一般的には、次のような方向性が含まれる可能性があります。
- 家計負担の軽減:所得税や社会保険負担の調整、低所得層への支援など
- 大型消費の後押し:自動車、家電、住宅関連の買い替えや購入を促す優遇策
- サービス消費の拡大:観光、外食、文化・エンタメ産業への支援
- デジタル消費の促進:オンラインサービスやデジタル決済の利用拡大
いずれの方向に向かうにしても、焦点となるのは「消費者の心理をどう温めるか」です。将来への不安が強いと、人々は支出を控えがちになります。政策パッケージの規模だけでなく、生活者が安心してお金を使える環境づくりが問われます。
内需と成長をめぐる中国経済の背景
中国ではここ数年、経済の質の向上や構造転換が重視され、投資や輸出だけに依存しない成長モデルへの移行が進められています。その中核に位置づけられているのが、個人消費を中心とした内需です。
一方で、世界経済の不確実性や産業構造の変化などを背景に、企業や家計が慎重姿勢を強める場面もあります。こうしたなかで、政府がどの程度積極的に消費を支えるかは、中国経済の持続的な成長力を左右する重要な要素となります。
日本や世界への波及効果は
中国の消費政策は、中国国内にとどまらず、日本を含む周辺国や世界経済にも少なからぬ影響を及ぼします。消費政策パッケージの規模が2024年を上回る場合、次のような波及が考えられます。
- 中国市場向けに商品やサービスを提供する日本企業の需要拡大
- 観光やビジネス交流の活発化による、人の往来の増加
- 資源・素材分野などでの需要の底支えによる、世界的なサプライチェーンの安定効果
同時に、市場参加者が注視しているのは、短期的な景気押し上げだけでなく、中長期的な財政の健全性や改革の方向性とのバランスです。持続可能な成長のために、どこまで踏み込んだ施策が講じられるのかが問われます。
これからの注目ポイント
今回の両会とその前後の政策発表に向けて、注目したいポイントを整理しておきます。
- 消費関連の予算規模や目標値が、実際に2024年からどの程度拡大するのか
- 短期の支援策だけでなく、社会保障や所得分配など、構造的な改革とどう組み合わされるか
- 企業の投資マインドや家計の消費マインドが回復していくかどうか
中国の消費政策は、中国本土の人々の生活に直結するだけでなく、日本企業の戦略や世界経済の潮流にも影響を与えます。2024年を上回るとされる政策パッケージが、どのような形で具体化し、実体経済にどう波及していくのか。今後も継続してフォローしていきたいテーマです。
Reference(s):
Expert: Consumption policy package expected to be higher than 2024
cgtn.com








