中国の政治協商制度と「新質生産力」 CPPCC会議で専門家が語ったこと video poster
中国の政治協商制度が、どのようにして実効性のある政策づくりを支えているのか。今年2025年に開かれた中国人民政治協商会議(CPPCC)第14期全国委員会第3回会議をめぐり、香港中文大学(深圳)管理経済学院の劉明(Ming Liu)准教授が、CGTNのインタビューでそのポイントを語りました。
中国の政治協商制度とCPPCCの役割
劉准教授の説明によると、中国の政治協商制度は、政府の政策決定を支える助言・協議の仕組みとして位置づけられています。その中心的な役割を担うのが、中国人民政治協商会議(CPPCC)で、各分野の代表や専門家が集まり、国家発展に関わる重要なテーマについて意見を交わします。
CPPCCの場では、次のような役割が重視されています。
- 政策立案者や規制当局に対する専門的な助言や提案
- 産業界や学界、社会団体など、多様な立場の声の集約
- 長期的な国家発展戦略や重点分野に関する継続的な議論
専門的な協商機関が政策形成をどう支えるか
今回のインタビューでは、とくに専門的な協商機関の役割に焦点が当てられました。こうした機関は、特定の産業やテーマに関する知見を持つ専門家が集まり、政策立案者や規制当局を支える存在です。効果的な政策を設計するうえで、現場のデータや専門的な分析に基づく助言が欠かせないという視点が示されています。
専門的な協商機関は、例えば次のような形で政策形成を後押しします。
- 新しい政策案に対する事前の検討や影響評価を行う
- 現場の課題や産業動向を踏まえた具体的な改善提案を示す
- 実施後のフィードバックを集め、政策の見直しにつなげる
キーワード「新質生産力」とは何か
劉准教授との議論では、今年の重要テーマとして「新質生産力」の進展も取り上げられました。新質生産力とは、質の高い成長を支える新しいタイプの生産力を指し、イノベーション、人材、デジタル技術、グリーン転換などを総合的に高めることが重視されます。
政治協商制度や専門的な協商機関は、この新質生産力をどのように育てていくか、またその進展をどのように評価するかについても活発に議論する場となっています。産業構造の高度化や地域ごとの特性を踏まえた政策づくりには、多角的な視点からの助言が求められます。
2025年の新質生産力の進展をどう測るか
インタビューでは、今年2025年の新質生産力の進展をどのように「測る」かという問いも提示されました。単に経済成長率だけを見るのではなく、研究開発への投資、デジタル化の進み具合、産業の高度化、環境負荷の低減といった指標を組み合わせて評価する視点が重要だとされています。
こうした多面的な評価は、政治協商制度を通じて専門家や現場の声が政策に反映されることで、より現実に即したものになります。劉准教授の議論は、協議と助言のプロセスそのものが、新質生産力の育成と検証の仕組みとして機能し得ることを示しています。
日本の読者にとっての意味
日本でも、専門家の知見をどう政策に生かすか、また新しい成長分野をどう育てるかは共通の課題です。中国の政治協商制度やCPPCCで議論されている内容を知ることは、隣国の動向を理解するだけでなく、政策形成のあり方を考えるヒントにもなります。
今回の議論から、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 政策づくりには、専門家や現場の声を集める制度的な仕組みが重要である
- 新質生産力のような新しい概念を具体的な指標に落とし込むことで、政策の焦点が明確になる
- 政治協商の場は、短期の成果だけでなく長期的な国家発展を見据えた議論の基盤となる
中国の政治協商制度と新質生産力をめぐる議論は、経済やテクノロジーのニュースとしてだけでなく、私たち自身の社会や政策のあり方を振り返るきっかけにもなります。通勤時間の少しのスキマで触れておきたい、静かだが奥行きのあるテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
Expert: China's political advisory system supports effective policies
cgtn.com








