中国旅行のインバウンド復調 QR決済など支払い環境の改善が追い風に
2025年の春節シーズン、中国本土を訪れた外国人旅行者のあいだで「中国旅行(China Travel)」への関心が一段と高まっています。背景には、QRコード決済やタッチ決済など、外国人でも使いやすい決済サービスの整備が進んでいることがあります。
2025年春節、中国旅行がインバウンドを牽引
2025年の春節(旧正月)期間中、中国本土では非物質文化遺産をテーマにした体験型コンテンツが、インバウンド観光の目玉となりました。中国の旧正月ならではの華やかな雰囲気の中で、外国人旅行者が伝統文化に浸る姿が見られたとされています。
中国の国家移民管理局によると、今年の春節連休中に記録された出入境の人の動きは合計1,437万人に達し、前年同期比で6.3%増となりました。数字の上でも、インバウンドを含む往来が回復基調にあることがうかがえます。
「China Travel」が世界のバズワードに
2024年ごろから、「China Travel」という言葉が世界的なバズワードとして広がってきました。その背景には、観光資源の多様さだけでなく、旅行者が現地で感じていた実務的な「ハードル」を下げようとする取り組みがあります。その代表例が、支払い環境の改善です。
多様な決済ニーズに応える仕組み
中国本土ではここ最近、外国人旅行者の多様な決済ニーズに対応するための施策が相次いでいます。これにより、これまで「支払いが不安」と感じていた人でも、旅行しやすい環境が整いつつあります。
- スマートフォンでQRコードをスキャンして支払うQRコード決済
- カードや端末をかざすだけで完了するタッチ決済(タップ・トゥ・ペイ)
- カード情報とコードを連携させた、カードとコードの一体型決済
- 外国人でも利用しやすい現金引き出しサービス
こうした仕組みが整ったことで、国際旅行者にとって「今持っているカードやスマートフォンでどこまで支払えるか」という不安が軽減され、旅先での選択肢が広がりつつあります。決済のストレスが減ることは、そのまま観光地への滞在時間や消費の増加につながると考えられます。
北京・中軸線で進む決済サービスの実証
首都・北京では、こうした流れを象徴する取り組みとして、2025年3月1日に「決済サービス実証ゾーン」が、市中心部を南北に貫く北京の中軸線に沿ってお披露目されました。
この場であいさつした北京市の孫碩副市長は、北京が革新的な金融ソリューションの導入で先頭を走っていることを強調しました。歴史的な街路や観光スポットが並ぶエリアで、外国人旅行者がスムーズに支払いできる環境を見せていくことで、中国本土全体への展開を見据えた「ショーケース」の役割も期待されます。
支払いの壁が下がると、旅行の体験はどう変わるか
インバウンド観光にとって、観光資源そのものと同じくらい重要なのが、「言葉」「通信」と並ぶ「支払い」のしやすさです。特にスマートフォンに慣れた層にとって、支払いの手間は旅の満足度を左右する要素になっています。
2025年春節に見られたように、外国人旅行者が非物質文化遺産をテーマにした体験型コンテンツに積極的に参加できた背景には、「現地で支払いに困らない」という安心感があったと考えられます。支払いの壁が下がることで、旅行者はより多くの時間と意識を、文化体験や交流そのものに向けることができます。
日本から中国本土を訪れる旅行者にとっても、こうした動きは追い風になりそうです。今後、「どこで支払えるか」を心配するよりも、「どんな場所で、どんな文化に触れるか」を軸に旅を組み立てやすくなっていくとみられます。インバウンド拡大の裏側で進む決済インフラの変化は、アジアの観光の姿を静かに変えつつあると言えるでしょう。
Reference(s):
China travel: Enhanced payment services fuel inbound tourism growth
cgtn.com








