中国交通相が語る物流コスト削減 2024年に約4000億元圧縮
中国の劉偉交通相は2025年3月、全国人民代表大会(第14期第3回会議)の部長通路で、統一的で開放的な交通運輸市場を整備し、物流コストを一段と引き下げる方針を示しました。2024年には全国で約4000億元の物流コスト削減が実現したと説明しており、中国経済と国際サプライチェーンにとって注目すべき動きです。
2024年に全国の物流コストを約4000億元削減
劉偉交通相によると、社会全体の物流コストは大きく「輸送」「保管」「管理」の3つから成り立ち、そのうち輸送コストが5割超を占めています。こうした構造を踏まえ、交通運輸部はコスト削減と品質向上、効率改善に向けた総合的な計画を策定しました。
その結果として、2024年には全国の物流コストが約4000億元(約550億ドル)削減され、そのうち輸送コストの削減分は約2800億元(約385億ドル)と、全体の約3分の2を占めました。輸送コストが大きく減少したことは、企業の負担軽減だけでなく、消費者価格の安定にもつながる可能性があります。
統一的で開放的な交通運輸市場とは何か
劉交通相は、統一的で開放的な交通運輸市場は、中国が進める統一的な全国市場の重要な一部だと位置づけています。地域や輸送手段ごとに分断されがちなルールや手続き、料金体系をできるだけそろえ、全国どこでも同じ基準で輸送サービスを利用できる状態を目指す取り組みです。
これは、国内の物資の流れを滑らかにしつつ、国際物流とも接続しやすい基盤を整えることを意味します。例えば、異なる地域間での通行許可や料金制度のばらつきが小さくなれば、物流企業はルート選択の自由度を高めやすくなり、輸送時間の短縮やコスト削減が進みます。
5つの分野で進むコスト削減と効率化
交通運輸部は、関連部門と連携しながら、次の5分野で具体的な実施計画をまとめています。
- 鉄道
- 道路
- 水運(海運・内航)
- 民間航空
- 郵便・宅配
詳細な施策は分野ごとに異なりますが、共通する方向性としては、インフラの相互接続性の向上、デジタル技術を用いた運行管理の高度化、手続きの簡素化などが挙げられます。これにより、輸送手段をまたいだ一貫輸送や、より効率的なルート設計が進みやすくなります。
なぜ物流コスト削減が重要なのか
物流コストは、企業の収益だけでなく、最終的には商品価格やサービス料金にも影響します。特に製造業が集積する中国では、輸送・保管・管理のコストをどこまで抑えられるかが、国際競争力を左右する重要な要素です。
コスト削減と同時に、品質と効率をいかに高めるかもカギとなります。単に料金を下げるだけではなく、輸送の信頼性や時間の正確さが向上すれば、在庫を持つリスクも減り、サプライチェーン全体の効率が高まります。
今後の焦点と見通し
劉交通相は、統一的で開放的な交通運輸市場の整備をさらに進め、コスト削減、品質向上、効率改善の取り組みを一段と強化していく考えを示しました。2024年の約4000億元という削減実績を土台に、今後どこまで追加的な効果を生み出せるかが焦点となります。
中国の物流政策の動きは、同国と取引のある日本企業やアジアの企業にとっても無関係ではありません。輸送コストやリードタイムの変化は、調達戦略や生産拠点の配置見直しに直結し得るからです。2025年以降、交通運輸部が打ち出す新たな施策が、中国と世界のサプライチェーンにどのような影響を与えるのか、注視していく必要があります。
Reference(s):
Transport minister: China to cut logistics costs and boost efficiency
cgtn.com








