中国、2025年に預金準備率と金利を引き下げへ 中央銀行総裁が方針表明
中国の中央銀行である中国人民銀行の潘功勝(パン・ゴンション)総裁は木曜日、2025年内に預金準備率(RRR)と金利を、国内外の経済・金融情勢を見ながら適切なタイミングで引き下げる方針を示しました。世界第2位の経済大国による金融緩和のシグナルは、アジアや世界の市場にも影響を与える可能性があります。
潘総裁が示した2025年の金融緩和方針
潘総裁は、中国の金融機関全体の平均預金準備率が現在6.6%であり、なお引き下げの余地があると述べました。また、中央銀行が構造的な金融政策手段を通じて商業銀行に資金を供給する際の金利についても、引き下げの余地があるとしています。
こうした発言は、第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の記者会見の場で行われました。潘総裁は、金融市場の動向や国内外の経済状況に応じて、2025年を通じて柔軟に対応していく考えを強調しました。
預金準備率とは?企業や家計にどう影響するか
預金準備率(RRR)は、銀行が預かった預金のうち、どれだけを中央銀行に預けておかなければならないかを示す割合です。数字が下がると、銀行が企業や家計への貸し出しに回せる資金が増える方向に働きます。
現在の平均6.6%という水準について、潘総裁はさらに引き下げる余地があると説明しました。実際に引き下げが行われれば、企業の設備投資や個人向けローンの資金調達コストを下げる効果が期待されます。
オペや中期貸出など、多様な金融政策ツールをフル活用
潘総裁は、中央銀行が今後活用していく具体的な金融政策の手段として、次のようなツールを挙げました。
- 公開市場操作:国債などの売買を通じて、市場の資金量(流動性)を調整する手段
- 中期貸出制度(Medium-term Lending Facility, MLF):銀行に中期の資金を供給することで、金利水準に影響を与える仕組み
- 再貸出・再割引:特定分野への資金供給を支えるため、中央銀行が銀行に低利で資金を貸し出したり、手形を買い取ったりする制度
- 政策金利:中央銀行が決める基準となる金利で、金融機関の調達コストや貸出金利に大きな影響を持つ
これらのツールを組み合わせることで、市場に十分な流動性を確保しつつ、銀行の調達コスト(負債コスト)を引き下げ、社会全体の資金調達コストをさらに押し下げていく方針が示されています。
科学技術イノベーションや消費、貿易を後押しする構造的政策
潘総裁は、既存の手段に加えて、新たな構造的な金融政策手段の検討・導入も進めると明らかにしました。ここでいう構造的政策とは、経済全体を一律に刺激するというよりも、重点分野に的を絞って資金の流れを支える性格の強いものです。
具体的には、次のような分野への投資・資金調達を支援することが掲げられています。
- 科学技術イノベーション分野の投資と研究開発
- 個人消費を下支えし、内需を高める取り組み
- 外需を支える外貿(対外貿易)の安定化
世界経済の不確実性が続くなかで、こうしたピンポイントの支援は、成長のエンジンとなる分野を強化しつつ、経済の安定を図る狙いがあると考えられます。
日本と世界の投資家にとっての意味
中国の金融政策の方向性は、日本を含むアジア各国や世界の市場参加者にとって重要な情報です。預金準備率や政策金利の引き下げは、通常は金融緩和と受け止められ、株式や債券、為替など幅広い市場に影響を与える可能性があります。
とくに、日本企業にとっては、次のような点が注目ポイントになりそうです。
- 中国市場で事業を展開する企業にとっての資金調達環境の変化
- 中国の消費や投資の動きが、日本企業の輸出や現地販売に与える影響
- 金利差の変化を通じた為替相場や資本の流れの変動
今回の潘総裁の発言は、2025年における中国の金融政策運営が、柔軟でありつつ重点分野にしっかりと焦点を当てたものになるというメッセージとも受け取れます。今後、具体的な引き下げのタイミングや幅がどのように決まっていくのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
China to cut RRRs, interest rates in 2025, says central bank governor
cgtn.com








