中国人民銀行総裁「外国資本のテック投資を歓迎」 不公正な障壁に反対 video poster
中国人民銀行(PBOC)の潘功勝(パン・ゴンション)総裁は木曜日の記者会見で、中国のテクノロジー分野への国際投資を歓迎し、市場原理に基づく投資活動の「道具化」や「政治化」、不公正な投資障壁に反対する姿勢を示しました。あわせて、テクノロジー革新と産業高度化を後押しする新たな金融支援策を発表しました。
中国のテック分野は「依然として活発」
潘総裁によると、中国のテクノロジー革新の現場は依然として活発で、中国国内だけでなく海外の投資家からも大きな関心を集めています。国際ニュースとしても、中国のテック企業やスタートアップへの資金流入は注目されています。
ここ数年、中国人民銀行は関係部門と連携し、株式や債券、保険などの金融ツールを活用して、テクノロジー関連企業への資金供給を強化してきました。その結果、テクノロジー分野への金融支援は「大きな進展」を遂げたとしています。
1. 債券市場に新設される「テック板」
今回発表された柱の一つが、債券市場に新たに設けられる「テック板」です。これは、テクノロジー革新をテーマにした債券発行を集中的に扱うプラットフォームで、次の三者を主な対象としています。
- 銀行などの金融機関
- テクノロジー企業
- プライベート・エクイティ投資会社(未上場企業に投資するファンドなど)
これらの主体が「テクノロジー革新債」と呼ばれる債券を発行しやすくすることで、市場に出回る商品(プロダクト)の種類を増やし、多様な投資ニーズに応える狙いがあります。
債券市場に専用の板を設けることで、投資家にとっては「どの銘柄がテクノロジー関連なのか」が見えやすくなり、企業側にとっても資金調達の選択肢が広がる可能性があります。
2. テクノロジーと産業高度化向けの再貸出を拡充
二つ目の柱は、テクノロジー革新と産業高度化に向けた「再貸出政策」の強化です。再貸出とは、中央銀行が銀行に対して低利で資金を貸し出し、その資金を企業向け融資などに回してもらう仕組みを指します。
中国人民銀行は、この再貸出の枠を現在の5,000億元から、8,000億元〜1兆元へと拡大する方針を示しました。米ドル換算では約1,100億〜1,380億ドルの規模になります。あわせて、再貸出の金利も引き下げ、企業がより有利な条件で資金調達できるようにする考えです。
潘総裁は、こうした措置によってテクノロジー分野の企業活動と市場の活力を高め、民間資本だけでなく公共部門の資金も呼び込みたいとしています。
投資の「道具化」と「政治化」への懸念
今回の記者会見で潘総裁は、中国がテクノロジー分野への外国投資を歓迎すると強調する一方で、市場に基づく投資活動が政治的な思惑によって左右されることに反対する姿勢を鮮明にしました。
ここで言う「道具化」「政治化」とは、本来は企業の成長性や技術力にもとづいて行われるべき投資判断が、政治的な圧力や外交上の駆け引きの手段として用いられてしまう状態を指します。潘総裁は、不公正な投資障壁が設けられることに反対し、開かれた投資環境の維持を重視しているといえます。
イノベーションを支える金融エコシステムづくりへ
今後について、中国人民銀行は関係当局との協調を一段と強め、テクノロジー革新を支える金融政策の枠組みを整えていく方針です。
具体的には、以下のような点に力を入れるとしています。
- イノベーションを後押しする金融市場のエコシステム(生態系)づくり
- テクノロジー分野への金融支援の規模や強度を継続的に拡大
- 資金供給の「質」を高め、実際の企業成長につながる効率的な支援を追求
2025年末の時点で、中国はテクノロジーと金融政策を組み合わせ、イノベーションを軸にした産業構造の高度化を進める姿勢を改めて示した形です。国際投資家にとっても、中国のテック分野へのアクセス方法や金融支援策の行方は、今後の重要なウォッチポイントになりそうです。
Reference(s):
China welcomes foreign investment in tech, opposes unfair barriers
cgtn.com








