世界貿易パターンが転換期に マッキンゼー中国会長が語る南南貿易 video poster
世界貿易の構図が、この数年で大きく揺れ動いています。マッキンゼー中国会長のジョセフ・ンガイ氏は、CGTNのインタビューで「世界貿易はここ数年で大きく変化している」と述べ、従来の東西貿易が中心だった枠組みから、新興国同士の「南南貿易」が急速に存在感を増していると指摘しました。
CGTNインタビューで語られた「世界貿易の変化」
グローバルなコンサルティング会社マッキンゼーの中国拠点を率いるジョセフ・ンガイ氏は、CGTN(China Global Television Network)のインタビューに応じ、世界の貿易パターンがここ数年で大きく変わったと話しました。
特に同氏が強調したのは、これまで世界貿易の主流とされてきた「東西」の取引、つまり欧米とアジアなどを結ぶ流れに加えて、「南南貿易」と呼ばれる新興国・発展途上国同士の取引が急速に伸びているという点です。
東西貿易から南南貿易へ:何が変わるのか
長いあいだ世界貿易のイメージといえば、欧米とアジアなどを中心とした東西の取引でした。製造拠点としてのアジア、消費市場としての欧米という役割分担です。
ンガイ氏が指摘する「変化」は、この一本線のようなイメージが崩れつつあるということです。かつては東西の取引が「幹線道路」だったのに対し、いまは南の国や地域同士を結ぶネットワークが太くなってきている、という見方です。
南南貿易とは何か
南南貿易とは、おおまかに言えば、いわゆるグローバル・サウスと呼ばれる国や地域同士の貿易を指します。具体的には、例えば次のような地域間の取引がイメージされます。
- アジアの新興国と中東・アフリカとの間のエネルギーやインフラ関連の取引
- アフリカと南米の間で行われる資源や農産物の輸出入
- アジアの新興都市同士を結ぶデジタルサービスや製造業の取引
従来は、こうした国や地域が先進国に向けて輸出する構図が主流でしたが、いまは互いに取引を拡大し、「南から南へ」という流れが太くなりつつある、というのがンガイ氏の見立てです。
急成長する南南貿易が示すもの
南南貿易の成長は、世界経済の重心が一方向ではなく、多極化していることを示しています。消費市場も技術も資本も、特定の地域だけでなく、複数の地域に広がり始めています。
世界貿易が「一極集中」から「ネットワーク型」に変わることで、企業にとっては新しい市場やパートナーシップの可能性が生まれます。その一方で、サプライチェーン(供給網)のリスク管理や、各地域の規制や文化を理解する力も、これまで以上に重要になります。
日本の読者にとっての意味
こうした世界貿易の変化は、日本で暮らす私たちにも無関係ではありません。南南貿易の台頭は、日本企業や日本で働くビジネスパーソンに、次のような問いを投げかけています。
- 取引先やパートナー候補を、従来の欧米中心からどのように広げていくのか
- アジアやアフリカ、中東、南米など多様な地域とのビジネスに対応するために、どのようなスキルや知識を身につけるべきか
- サプライチェーンを見直す際に、南南貿易の流れをどう織り込むか
国際ニュースをフォローするときも、「どの国がどの国と新しく結びつき始めているのか」という視点で見ていくと、これまで見えなかった動きが見えてきます。
これからの世界貿易を見るためのヒント
世界貿易のパターンが変わるということは、世界の「つながり方」が変わるということでもあります。2025年の今、ンガイ氏のような実務家が南南貿易の成長を強調していることは、これからの10年を考えるうえで重要なサインと言えます。
国際ニュースを追うとき、次のような点に注目してみると、世界貿易の変化が立体的に見えてきます。
- 新興国同士の協定や経済連携のニュースが増えていないか
- インフラ、エネルギー、デジタルなど、どの分野で南南のつながりが強まっているか
- 従来の東西貿易と、南南貿易がどのように補完し合っているか
世界の貿易パターンが変わるとき、それは同時に、働き方やビジネスのチャンスの地図も書き換えられていくことを意味します。南南貿易というキーワードを頭の片隅に置きながら、これからの国際ニュースを見ていくと、ニュースの背景が一段とクリアに見えてくるはずです。
Reference(s):
McKinsey China chairman: World trade pattern undergoing transformation
cgtn.com








