国際ニュース:中国観光とインバウンドが回復 2024年の国内旅行と海外客が増加 video poster
2024年、中国本土の国内観光とインバウンド(海外からの訪中旅行)が持ち直し、中国の旅行会社の収入は前年比で約1割増となりました。文化と観光を「経済の柱」と位置づける中国本土は、2025年に入って観光の質をどう高めるかを明確にしつつあります。
2024年、中国本土の観光が回復基調に
中国のスン・イェリ(Sun Yeli)文化観光部長は、2025年に北京の人民大会堂で開かれた第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の閉幕後に設けられた「部長通路」で記者団の質問に答え、2024年の中国本土における国内観光とインバウンド(海外からの訪中客)の指標が改善したと明らかにしました。
スン部長によると、中国の旅行会社の収入は2024年に前年から10%増加しました。数字の上でも、観光需要の回復がはっきりと見え始めていることになります。
- 2024年、中国本土の国内旅行とインバウンドが改善
- 旅行会社の収入は前年比10%増
- 観光消費はサービス重視へシフト
- 観光インフラには「弱点補強」の余地
観光消費は「モノ」から「サービス」へ
スン部長は、観光分野での人びとの消費行動が変化していると指摘しました。以前は「必要だからモノを買う」という発想が中心でしたが、現在は「より深い満足を得るためにサービスにお金を払う」段階に移りつつあるとみています。
旅行先で購入する土産物だけでなく、宿泊の質やガイド、文化体験プログラムなど、サービス全体が旅行の満足度を左右するようになっている、というメッセージだといえます。
大ヒット映画『哪吒2』が示すコンテンツの力
スン部長は、観光や文化産業における「良いコンテンツ」の重要性を語る例として、中国のアニメ映画『哪吒2(Nezha 2)』を挙げました。同作品は、興行収入が総額でおよそ150億元(約20.7億ドル)に達しつつあり、中国本土で大きな話題となっています。
スン部長は「良い作品、良いサービス、良いプロジェクト、良いデザインがあれば、必ず利益を生み出すことができる」と述べ、質の高いコンテンツや体験を提供することが観光・文化ビジネスの収益性を高める鍵だとの見方を示しました。
インフラ整備と信頼性向上が次のテーマ
一方でスン部長は、観光関連のインフラ投資については、まだ十分とはいえない部分が残っていると認め、「弱い部分を補う必要がある」と述べました。空港や交通網、観光施設などの整備をさらに進めることで、国内外の旅行者の受け入れ体制を強化していく考えです。
スン部長はまた、文化と観光は中国経済の重要な柱であると位置づけたうえで、文化・観光分野の規制や標準を改善し、業界全体の信頼性や信用を高めていく方針を示しました。価格表示やサービス品質、トラブル対応などのルールを磨くことで、安心して利用できる観光市場を育てる狙いがあります。
日本とアジアへの波及をどう読むか
中国本土の観光市場の回復は、アジア諸国・地域の旅行需要やビジネスにも影響を与える可能性があります。2024年の国内観光とインバウンドの改善は、2025年以降の国際線の運航やビジネス出張、観光客の流れにも反映されていくかもしれません。
とくに、スン部長が強調した「サービス重視」「良いコンテンツ」の流れは、日本を含む周辺地域の観光地や企業にとっても参考になりそうです。単にモノを売るのではなく、ストーリー性のある体験やきめ細かなサービスをどう設計するかが、これからの観光競争力を左右していきます。
Reference(s):
China's domestic tourism, inbound arrival figures improved in 2024
cgtn.com








