米国株が時価総額4兆ドル消失 トランプ関税で売り加速
米国株式市場で、S&P500指数の時価総額がおよそ4兆ドル吹き飛ぶ急落が起きています。トランプ大統領の関税をはじめとする新たな政策への不安が、世界の投資家心理を冷やしています。
米国株、わずか数週間で4兆ドルが消えた
米国を代表する株価指数S&P500は、先月付けた過去最高値からすでに8.6%下落し、その間に時価総額で4兆ドル以上が失われたとされています。今回の売りは、ウォール街がつい最近まで歓迎していたトランプ政権の経済政策に対する見方が、一気に冷めつつあることを映しています。
「月曜日」に急落、ナスダックは調整入り
最新の取引では、株式市場の売りが「月曜日」に一段と加速しました。S&P500はこの日だけで2.7%下落し、今年最大の下げ幅となりました。ハイテク株中心のナスダック総合指数も4%下げ、2022年9月以来となる一日の大幅安を記録しています。
これにより、ナスダックはすでに12月の高値から10%を超えて下落し、一般に「調整局面」と呼ばれる水準に入っています。S&P500も、過去最高値からの下落率が10%に迫っており、市場全体が警戒モードを強めています。
背景:トランプ大統領の関税と政策の不透明感
投資家を不安にさせている中心要因は、トランプ大統領による一連の関税措置です。カナダ、メキシコ、中国など主要な貿易相手との間で、互いに関税を掛け合う動きが続き、企業や消費者、投資家の間に先行き不透明感が広がっています。
さらに、関税以外にもトランプ政権から新たな政策が次々と打ち出されており、「この先どのようなルールの下でビジネスを行えばよいのか」が読みづらくなっています。こうした政策の連発が、企業の投資計画や市場のリスク許容度を揺さぶっているとみられます。
変わる投資家心理:「これまでの勝ちパターンが通用しない」
米資産運用会社ウェルス・エンハンスメントの上級投資ストラテジスト、ヨシオカ・アヤコ氏は「投資家心理に大きな変化がはっきりと表れている。これまでうまく機能してきた投資手法が、今は通用しなくなっている」と指摘します。
トランプ政権の減税や規制緩和を追い風に上昇してきた米国株は、これまで「押し目買い」が有効な相場と見られてきました。しかし、政策リスクが前面に出る中で、その前提が揺らぎ始めています。特に、世界経済の成長に敏感なハイテク企業や輸出関連企業の株価が大きく動きやすい状況です。
日本の投資家が押さえておきたいポイント
米国株は世界の金融市場の指標であり、その大幅な下落は日本を含む各国・地域の市場にも波及しやすいです。短期的な値動きに振り回されすぎないために、次のような点を意識しておくとよいでしょう。
- 株価が直近高値から10%前後下落する「調整」は、相場では比較的よく起こる現象であること
- 政策が相場の方向性を左右しやすい局面では、ニュースや政府の発表に市場が過敏に反応しやすいこと
- 一つのテーマや国・業種に偏った投資は、予想外の政策変更に弱いこと
急落局面は不安になりがちですが、同時に「どの程度のリスクなら引き受けられるのか」「どれくらいの期間で資産を運用したいのか」を見直す機会でもあります。トランプ政権の政策をめぐる不確実性が続く中、国際ニュースとしての米国株の動きと、自分自身の資産運用スタンスの両方を冷静に点検しておきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








