中国経済のカギは「新質生産力」と「ペイシェント・キャピタル」 video poster
今年の中国政府の政府活動報告で打ち出された「新質生産力」と「ペイシェント・キャピタル」が、中国経済の今後の成長を左右する鍵として注目されています。
カナダのマニトバ大学教授であり、中国人民大学の重陽金融研究院のシニアフェローを務めるラディカ・デサイ氏は、国際メディアCGTNのインタビューで「中国の成長ポテンシャルは依然として非常に高い」と述べ、この2つのキーワードが経済成長を牽引するうえで重要だと指摘しました。
CGTNインタビューで示された見方
デサイ氏は、2025年の政府活動報告で強調された「新質生産力」と「ペイシェント・キャピタル」への取り組みが、中国経済の成長力を引き出すうえで決定的な役割を果たすと評価しました。
「成長ポテンシャルは依然として高い」という認識は、中国経済が減速を懸念する声もある中で、長期的な視点から見ると依然として大きな余地があるという見方につながります。その背景にあるのが、新しい技術や産業への投資、そして短期的な利益にとらわれない資本の存在です。
キーワード1:「新質生産力」とは何か
「新質生産力」は、単に生産量を増やすだけでなく、生産の「質」を高める力を指す概念として語られています。従来型の大量生産中心の成長から、技術力やイノベーション、人材の質などを軸にした成長へとシフトしていくイメージです。
質的成長を支える分野
具体的には、次のような分野が「新質生産力」を象徴するものとして挙げられます。
- 新しいテクノロジーやデジタル産業
- 高度な製造業や研究開発
- 環境負荷を抑えたグリーン分野
- サービス産業の高度化や人材育成
こうした分野への継続的な投資は、短期的な景気対策ではなく、長期的な競争力を高めるための基盤づくりだと言えます。
キーワード2:「ペイシェント・キャピタル」とは
もう一つの重要なキーワードが「ペイシェント・キャピタル」です。これは、回収までに時間がかかる投資であっても、長い目で成長を支えることを重視する、忍耐強い資本を意味します。
短期志向の資本との違い
一般に、短期の利益を追う資本は、すぐに成果が見込める分野に集中しがちです。一方、ペイシェント・キャピタルは、次のような特徴を持つとされています。
- 研究開発や基礎技術など、成果が出るまで時間がかかる分野にも投資する
- 景気の変動に左右されにくく、中長期の成長ストーリーを重視する
- 社会的・経済的な安定や持続可能性にも配慮する
中国経済の文脈では、新しい技術や産業の育成、インフラや人材への投資など、回収に時間がかかる取り組みを支える資本として注目されています。
なぜ中国経済にとって重要なのか
デサイ氏が指摘するように、成長ポテンシャルを実際の成長につなげるには、「何に」「どのような資本」で投資するかが重要になります。今年の政府活動報告で「新質生産力」と「ペイシェント・キャピタル」が強調されたことは、次のような方向性を示していると読むことができます。
- 新技術や新産業への長期的な投資を通じて、成長のエンジンを入れ替える
- 短期の景気変動に左右されにくい、安定した成長モデルを目指す
- 質の高い雇用やイノベーションを生み出し、内需の底上げにつなげる
単なる「高成長」ではなく、「持続的で質の高い成長」を志向する流れの中で、ペイシェント・キャピタルの役割は一段と重要になっているといえます。
2025年の中国経済をどう見ればよいか
2025年12月現在、中国経済をめぐる議論は、世界全体の成長や投資のあり方を考えるうえでも欠かせないテーマです。今回のCGTNインタビューで示された視点は、中国経済の将来像を考えるヒントの一つになります。
短期的な数字だけでなく、「新質生産力」をどう高め、「ペイシェント・キャピタル」をどう呼び込むのか。これは中国に限らず、多くの国や地域に共通する課題でもあります。読者一人ひとりにとっても、自分の仕事や投資、キャリアを長期的にどうデザインするかを考えるきっかけになるかもしれません。
今後、中国政府や企業がこれらのキーワードを具体的な政策や戦略にどう落とし込んでいくのか。国際ニュースとして引き続き注視していきたいポイントです。
Reference(s):
cgtn.com








