中国の雇用は安定、春節要因の失業率変動をどう読むか
中国の雇用情勢に関する国際ニュースです。今年1〜2月の都市部失業率は春節要因で一時的に揺れたものの、全体としては安定した水準が保たれたことが、中国国家統計局のデータから分かりました。
2025年初の失業率、平均5.3%で横ばい
中国国家統計局(NBS)の公表によると、2025年1〜2月の全国都市部の調査失業率は平均5.3%となり、前年同期と同じ水準でした。月別に見ると、1月は5.2%、2月は5.4%と、2月にかけて0.2ポイント上昇しています。
統計局報道官の付凌暉氏は、この変化について、春節(旧正月)連休の影響で毎年1〜2月は失業率が一定程度上下しやすいと説明しています。
春節連休が雇用統計を動かす理由
今年の春節連休は1月28日から2月4日まで実施され、多くの企業が操業を一時停止しました。付氏によると、この期間前後には短期的な離職や転職が増える傾向があり、調査失業率にも一時的な変動が表れやすくなります。
そのため、当局は短期の数字だけで雇用情勢を判断するのではなく、1〜2月の平均や通年の動きを重視して分析しているとみられます。今回のデータでは、平均5.3%という水準が維持されており、全体としては雇用が安定して推移していることがうかがえます。
内需拡大と産業高度化で雇用の土台づくり
付氏は会見で、中国が進める経済政策が今後の雇用拡大を支える基盤になるとの見方を示しました。具体的には、次のような取り組みが挙げられています。
- 国内需要(内需)の一層の喚起
- 経済の質の高い発展の推進
- 従来型産業の高度化やアップグレード
- 新興産業や新たなビジネス形態の育成
これらの取り組みが組み合わさることで、新たな雇用の受け皿が生まれ、経済構造の転換と雇用安定を両立させるねらいがあります。
それでも残る課題:国際環境は複雑で厳しい
一方で、付氏は2025年について、雇用の安定と拡大には依然として大きな努力が必要だと指摘しました。背景には、国際情勢の不確実性や、国内経済の回復基盤がまだ十分に固まっていないという認識があります。
企業の投資計画や家計の消費マインドが慎重になれば、雇用の伸びにも影響が出る可能性があります。そのため、中国は雇用を優先する姿勢を明確にし、景気対策とあわせて雇用対策を進めていく方針です。
2025年の目標:失業率5.5%前後、新規雇用1200万人超
今年の政府活動報告によると、中国は2025年の調査失業率の目標をおおむね5.5%に設定し、都市部で1200万人以上の新規雇用を創出することを掲げています。
この目標達成に向け、政府は雇用優先の方針を一段と明確にし、さまざまな基金や財政資金、政策ツールを組み合わせて雇用支援を強化する考えです。付氏は、こうした政策の効果が徐々に現れていくことで、今年を通じた全体としての雇用の安定が維持されるとの見通しを示しました。
日本の読者が押さえておきたいポイント
中国の雇用と失業率の動きは、中国経済そのものだけでなく、周辺の国や地域との貿易やサプライチェーンにも影響し得ます。雇用が安定すれば、所得や消費の下支えとなり、市場としての中国の姿も見えやすくなります。
一方で、国際環境の変化や景気回復のペースによっては、雇用情勢が再び揺れる可能性もあります。日本のビジネスパーソンや学生にとっては、失業率という一つの指標を通じて、中国経済の足元と先行きを継続的にウォッチしていくことが、自分なりの見方をアップデートする手がかりになりそうです。
Reference(s):
China maintains stable employment despite seasonal fluctuation
cgtn.com








