中国の固定資産投資が4.1%増 インフラ・製造業は堅調、不動産は減速
2025年1〜2月の中国本土の固定資産投資が前年同期比4.1%増となり、インフラや製造業が伸びる一方、不動産投資が大きく減少したことが、国家統計局(NBS)の統計で示されました。2024年通年の伸び率を0.9ポイント上回るペースで、2025年の中国経済のスタートを読むうえで重要な数字です。
2025年初、中国本土の固定資産投資は4.1%増
国家統計局の発表によると、中国本土の固定資産投資(農家を除く)は2025年1〜2月に前年同期比4.1%増となりました。これは、2024年通年の伸び率を0.9ポイント上回る水準で、年明け時点ではやや加速した形です。
投資総額は5兆2619億元(約7340億ドル)に達し、中国経済にとって依然として投資が重要なけん引役であることがうかがえます。
固定資産投資とは何か
固定資産投資とは、工場・機械設備・インフラ・住宅など、長期間にわたって利用される資産への投資を指します。短期の金融取引ではなく、生産能力や都市インフラの整備状況を映し出す指標として、中国経済をみるうえで注目されてきました。
インフラ・製造業はプラス成長、不動産は二ケタ減
分野別にみると、中国本土の投資構造の変化がよりはっきり見えてきます。
- インフラ建設投資:前年同期比5.6%増
- 製造業投資:同9%増
- 不動産開発投資:同9.8%減
- 不動産を除く固定資産投資:同8.4%増
インフラと製造業はそろってプラス成長となり、とくに製造業投資は9%増と力強さが目立ちます。一方で、不動産開発投資は9.8%減と大きく落ち込んでおり、同じ「投資」といっても分野ごとの明暗がくっきり分かれました。
不動産を除く固定資産投資が8.4%増と全体(4.1%増)を大きく上回っていることから、統計上、不動産の減速が全体の伸び率を押し下げていることが分かります。裏を返せば、不動産以外の分野では比較的高い伸びが続いているともいえます。
インフラ・製造業に政策の重点
インフラ投資の伸び(5.6%増)は、公共事業や交通網、エネルギー関連などへの支出が引き続き行われていることを示します。製造業投資の9%増は、設備更新や生産能力の増強に向けた動きが続いていることを意味し、中国本土が産業の高度化や競争力強化を重視している流れとも重なります。
一方、不動産分野のマイナス成長は、住宅市場の調整が続いていることを反映しているとみられます。投資全体の中で、不動産からインフラ・製造業へと重点が移りつつある姿が読み取れます。
消費も回復基調 小売売上高は4%増
投資だけでなく、国内の消費動向を示す「社会消費品小売総額(小売売上高)」も、2025年1〜2月は前年同期比4%増となりました。金額ベースでは8兆3700億元超(約1兆1700億ドル)に達し、中国本土の消費市場の規模の大きさを改めて示しています。
自動車を除く小売売上高は7兆6800億元超で、伸び率は4.8%と全体(4%)より高くなりました。自動車以外の分野、例えば日用品や飲食、オンライン消費などが比較的堅調だったことがうかがえます。
投資と消費、両輪で景気を下支え
今回の統計からは、投資と消費の両面で、中国本土の景気が下支えされている様子が見えてきます。
- 投資面では、不動産の減速を製造業とインフラが補っている構図
- 消費面では、全体としてプラス成長を維持しつつ、自動車以外がより高い伸び
2025年12月の現在から振り返ると、年初のこのデータは、中国本土が投資構造の調整と消費の底上げを同時に進めようとしている姿を示すものとして位置づけられます。
この数字から読み取れる3つのポイント
1.2024年より高い成長ペースでスタート
固定資産投資の伸び率(4.1%増)が、2024年通年の伸び率を0.9ポイント上回ったことは、2025年が比較的しっかりした投資ペースで始まったことを意味します。年初時点では、投資が中国本土の景気を支える役割を保っていたと考えられます。
2.不動産依存からの転換が進む
不動産開発投資が9.8%減と大きく落ち込む一方、不動産を除く固定資産投資は8.4%増と高い伸びを示しました。この対比は、成長のけん引役が「不動産」から「インフラ・製造業」へと移りつつあることを象徴しています。
不動産への過度な依存を抑えつつ、インフラ整備と製造業の強化を進める動きは、産業構造や都市構造を中長期的に変えていく可能性があります。
3.消費の回復が経済の安定要因に
小売売上高が4%増、自動車を除くと4.8%増という数字は、投資だけでなく消費も中国本土の経済を支える重要な柱となっていることを示します。とくに自動車以外の分野が全体より高い伸びを記録したことは、日常消費やサービス消費の回復基調をうかがわせます。
日本やアジアの読者が押さえたい視点
今回の統計は、日本やアジアのビジネスパーソン・学生にとっても、いくつかの示唆を与えます。
- サプライチェーンの視点:製造業投資の9%増は、生産設備や工場への投資が続いていることを意味し、部品・素材の需要や国際的なサプライチェーンにも影響しうる数字です。
- インフラ関連ビジネスの機会:インフラ投資の5.6%増は、エネルギー、物流、都市インフラなど関連分野での需要拡大の可能性を示します。
- 消費市場の変化:自動車以外の小売売上高が4.8%増と伸びていることは、日用品やサービス、オンライン消費など、生活に密着した分野に注目する必要性を示しています。
2025年の終盤を迎える今も、年初の投資・消費データは、中国本土の経済運営の方向性や構造変化を理解するうえで重要な手がかりとなります。数字の背後にある「どの分野が伸び、どの分野が調整しているのか」という視点を持つことで、ニュースを自分なりに読み解きやすくなるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








