中国が公平競争を強化 統一市場めざす新たな48条措置とは
中国で「公平競争審査」の実施を強化する新たな48条の措置が2025年4月20日に施行され、全国で統一された市場づくりを進める動きが本格化しています。本記事では、この新ルールの中身と狙いを、日本語で分かりやすく整理します。
新措置の狙い:統一された全国市場と公正な競争環境
今回の新措置は、中国の市場規制を担当する国家市場監督管理総局が発表したもので、公平な競争環境を整え、地域ごとの保護的な取り組みを抑えながら、全国レベルで一体となった市場をつくることを目指しています。
ポイントは「すべての市場参加者にとって公平な土俵を整える」ことです。国有企業、民間企業、国外企業を問わず、同じルールの下で競争できる環境づくりを掲げています。
48条の措置が定める具体的な内容
新たな措置は、全部で48条から構成されており、公平競争審査をどのように運用するかを細かく示しています。国家市場監督管理総局によると、主な柱は次のような内容です。
- 公平競争審査の全体的な要件の明確化
- 中央・地方の各部門の責任分担
- 審査の基準やチェック項目
- 審査の手続きや運用プロセス
- フォローアップや監督・検証の仕組み
こうした枠組みにより、各部門がバラバラに判断するのではなく、共通のルールに沿って審査を進められるようにする狙いがあります。
「公平競争審査」とは何か
新措置の土台となる「公平競争審査」に関する規定は、2024年に制定されました。この規定の目的は、当局が市場競争を排除・制限してしまうおそれのある措置を導入しないよう、事前にチェックすることにあります。
具体的には、ビジネス活動に関わる法律や規則、政策をつくる際に、次のような点を審査することが求められます。
- 市場への新規参入や市場からの退出に、不必要な障壁を設けていないか
- 商品やサービスの自由な流通を妨げていないか
- 特定の企業だけに有利・不利となるようなコスト負担を強いていないか
- 事業運営の方法を過度に制限していないか
このように、公平競争審査は「新しいルールや政策が、公正な競争をゆがめていないか」を事前にチェックする仕組みと位置づけられています。
地域保護から統一市場へ:中国が目指す方向性
中国は大きな国内市場を持つ一方で、地域ごとに独自のルールや慣行が存在し、企業が複数地域で事業を展開する際の負担になることがありました。今回の新措置は、こうした市場の分断を減らし、全国でよりスムーズにモノやサービス、人材が動く「統一された大市場」の形成を後押しするものです。
公平競争審査を徹底することで、
- 特定地域の企業を過度に保護するような施策を抑える
- どの地域でも似た基準でビジネスがしやすい環境を目指す
- 企業が長期的な投資判断をしやすい制度面の安定性を高める
といった効果が期待されています。
企業にとって何が変わるのか
では、中国市場と関わる企業にとって、今回の動きはどのような意味を持つのでしょうか。国内企業だけでなく、日本企業を含む国外企業にとっても、次のような変化が想定されます。
- 市場参入条件の透明化:参入や退出の条件を審査の対象とすることで、ルールがより明確になる可能性があります。
- 見えにくい「壁」の低減:商品やサービスの移動コストを不必要に高めるようなローカルルールが見直されれば、事業展開はしやすくなります。
- 政策変更リスクの抑制:政策立案段階で競争への影響が検証されることで、企業にとって予測しにくい規制変更のリスクを和らげる効果が期待されます。
- コンプライアンスの重要性増大:同時に、企業側も各地域の政策動向や審査結果をより丁寧にフォローし、自社の事業が新ルールに沿っているか確認する必要が高まります。
審査能力の強化に向けた取り組み
国家市場監督管理総局は、新措置の施行にあわせて、公平競争審査の「能力」を高める取り組みも進める方針を示しています。これは、制度をつくるだけでなく、実際に審査を行う担当部門が適切に判断し、運用できる体制づくりに力を入れるという意味合いがあります。
今後は、
- 担当者向けの研修やガイドラインの整備
- 審査プロセスの標準化や情報共有
- 審査結果のフォローアップや改善の仕組み
といった取り組みを通じて、公平競争審査がより実効性のある仕組みとして定着していくことが期待されます。
日本のビジネスパーソンが押さえたい視点
中国の公平競争に関するルール整備は、中国市場に関わる日本企業や投資家にとっても重要なテーマです。特に次のような点に注目すると、日々のニュースが立体的に見えてきます。
- 「統一市場」づくりの流れが、物流・販売網・サービス展開にどのような追い風となるか
- 地方ごとの制度差がどの程度縮まっていくのか
- 新たな審査ルールが、デジタル産業や新興分野の競争環境にどのような影響を与えるのか
- 長期的に見て、ビジネス環境の予見性や安定性が高まるのかどうか
公平競争を重視する制度づくりは、企業にとってルールが明確になる一方で、短期的には制度理解や情報収集の負担も伴います。中国でのビジネス展開を考える日本企業にとっては、制度そのものだけでなく、各地域での運用状況を継続的にウォッチする姿勢が重要になりそうです。
公正な競争環境の整備を通じて、中国経済がどのような方向に進んでいくのか。今回の48条の新措置は、その流れを読み解くうえで、今後もしばらく注目しておきたいテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
China unveils new measures to bolster fair market competition
cgtn.com








