中国、外資13社に通信サービス試行認可 国際ルールとの整合はどこまで
中国の通信市場に関心のある読者にとって注目の動きです。中国が外資系企業13社に付加価値通信サービスの試行認可を与え、高水準の国際ルールとの整合を図ろうとしていると伝えられています。
何が起きたのか:中国が外資系13社を認可
中国工業・情報化部(MIIT)は2025年2月28日、外資が出資する13社に対し、付加価値通信サービスの試行的な営業を認めると発表しました。対象となる地域は、
- 北京
- 上海
- 海南
- 深圳
といった、中国本土の主要都市・地域です。
これらの企業は、インターネット接続サービスや情報サービスなどの付加価値通信サービスに携わることが許可されたとされています。
どんな企業が参加しているのか
認可された13社の中には、世界的な多国籍企業の関連会社や親会社が含まれています。具体的には、
- ドイツテレコムの中国における関連会社である T-Systems P.R. China Ltd.
- Siemens Digital Technology(Shenzhen)Co., Ltd.
- 欧州に本社を置く航空機メーカー、エアバスの関連会社
などが名を連ねています。通信インフラやデジタル技術に強みを持つ企業が、試行段階から関わる構図が見えてきます。
専門家はどう見ているか:国際ルールとの整合
中国情報通信研究院(China Academy of Information and Communications Technology)の政策与経済研究所・国際治理研究部主任である石麗娜(Shi Lina)氏は、中国メディアのインタビューで今回の動きを評価しています。
石氏は、今回の認可によって、中国国内の通信産業に関する管理体制や規制モデルが、高水準の国際経済・貿易ルールと実質的に整合してきたと指摘しました。また、こうした取り組みが、通信業界全体の規制システムを継続的に改善していくことにつながると述べています。
なぜ重要なのか:通信とデジタル経済の「インフラ改革」
付加価値通信サービスは、単なる電話や回線の提供にとどまらず、インターネット接続、オンライン情報提供、各種デジタルサービスの基盤となる分野です。外資系企業がこの領域で試行的に参入することには、いくつかのポイントがあります。
- 中国本土の通信市場に、新しいビジネスモデルや技術的ノウハウが入りやすくなる
- 国内企業と外資系企業が協業・競争することで、サービス品質向上が期待される
- 実際の運用を通じて、国際ルールと国内規制のすり合わせが進む
特に、デジタル経済が各国で成長戦略の柱となるなか、通信分野でのルールメイキング(規則づくり)は国家間の経済関係や企業戦略にも直結します。今回の試行は、その一端を示すものだと考えられます。
日本・アジアの読者にとってのポイント
日本やアジアの企業・ビジネスパーソンにとって、今回のニュースは次のような示唆を含んでいます。
- 通信、クラウド、デジタルサービス分野での中国本土の市場機会が、制度面から少しずつ広がる可能性
- 同時に、データ保護やネットワーク安全など、規制順守への対応力が一層重要になること
- 試行段階での制度運用や評価が、今後の本格的な開放の枠組みを方向づけること
こうした動きは、単に一つの国の規制変更にとどまらず、アジアのデジタル経済全体に波及していく可能性があります。特にグローバル志向の読者にとっては、自社のデジタル戦略やキャリア選択を考えるうえで、押さえておきたいニュースです。
2025年12月のいま、どこに注目すべきか
2025年12月時点では、この試行措置がどのような具体的成果を生み出すのかは、まだ検証の途中だといえます。それでも、次のような点は今後の注目材料となります。
- 試行の対象地域やサービス分野が、今後さらに拡大するかどうか
- 利用者保護やデータガバナンスに関する詳細なルールづくりがどのように進むか
- 多国籍企業間の連携や、国際的な標準化の動きとどう整合していくか
デジタルネイティブ世代にとって、通信やインターネットはあまりにも身近で、時に意識しにくいインフラです。しかし、その裏側では、こうした規制緩和や国際ルールとの調整が進んでいます。
自分が毎日使っているサービスの背景にどのような政策や国際交渉があるのかを知ることは、ニュースの見方をアップデートし、家族や職場、オンラインコミュニティでの議論を一段深めるきっかけにもなります。
静かに進む「開放」のプロセスを追う
今回の外資系13社への試行認可は、華々しい見出しよりも、むしろ静かな制度改革の一コマとして受け止めるべきかもしれません。ただ、その積み重ねが、数年後の通信市場の姿や、国際的なデジタルルールのかたちを左右する可能性があります。
今後も、中国本土の通信・デジタル分野でどのような開放策が打ち出され、各国・各地域の企業がどのように関わっていくのか。継続的にフォローしていく価値のあるテーマといえます。
Reference(s):
China's nod to 13 foreign firms for pilot telecom services praised
cgtn.com








