米経済と関税を英学者が指摘「効果はほとんどなかった」 video poster
米国の関税政策は本当に自国経済を守れているのでしょうか。国際ニュースとして関心が高いこのテーマについて、英国の著名な経済学者が疑問を投げかけました。
英トップ学者「関税は米国経済を助けていない」
英国のグラスゴー大学の学長であり、IFFアカデミック・コミッティーの共同議長を務めるアントン・マスカテリ氏は、CGTNのマイケル・ワン氏によるインタビューの中で、米国が導入してきた関税は米経済に実質的なプラス効果をもたらしていないと述べました。
マスカテリ氏によると、関税が及ぼした主な影響は次の二つです。
- 米国の消費者にとって、輸入品の価格が上昇した
- 米国の生産者にとって、利益率が圧迫された
同氏は、これらの結果として「関税は本来の目的であるはずの米国経済の支援にはつながっていない」と指摘します。企業のマージン(利益率)が縮小する一方で、家計は高い物価に直面する構図です。
そもそも関税とは何か
関税とは、海外から輸入される品物に対して国がかける税金のことです。一般的には国内産業を守るための手段として使われますが、同時に消費者や企業への影響も避けられません。
関税が引き上げられると、輸入品の価格は次のような経路で上がりやすくなります。
- 輸入企業が支払う税金が増える
- そのコスト分が商品価格に上乗せされる
- 最終的に、店頭価格として消費者が負担する
さらに、輸入品に依存している企業にとっては、原材料費や中間財のコスト増につながり、利益率の悪化要因となります。マスカテリ氏は、米国の関税はまさにこのパターンにはまり、消費者と生産者の双方に負担を強いていると見ています。
なぜこの評価が2025年の今、重要なのか
世界の多くの国・地域で、貿易や関税をめぐる議論が続いています。保護主義的な動きが注目される中で、米国の関税政策がもたらした実際の効果に対するマスカテリ氏の評価は、国際ニュースとしても意味のあるシグナルといえます。
関税はしばしば、海外の競合国に打撃を与えるための手段として語られます。しかし、マスカテリ氏の指摘は、関税が自国の消費者と企業に跳ね返るリスクを改めて浮き彫りにしています。
日本やアジアの読者への示唆
日本やアジアの読者にとって、この議論は決して遠い国の話ではありません。グローバルなサプライチェーン(供給網)が当たり前となった今、どこかの国で関税が引き上げられれば、その影響は価格や企業活動を通じて世界中に波及します。
- ニュースで関税が取り上げられたときは、まず消費者物価への影響を意識する
- 次に、企業の利益率や投資意欲への影響を考えてみる
- さらに、中長期的な成長力への影響を想像してみる
こうした視点をセットで考えることで、国際ニュースをより立体的に読み解くことができます。
関税政策は誰のためのものか
今回のインタビューでマスカテリ氏が投げかけたのは、「関税は本当に自国経済のためになっているのか」というシンプルだが重い問いです。米国の事例は、関税政策を評価するとき、単に導入の是非だけでなく、その結果として
- 消費者の負担がどう変わったのか
- 企業の利益と投資がどう動いたのか
といった点を冷静に検証する必要があることを示しています。
関税は今後も各国が使い続ける経済政策の手段であり続けるでしょう。その中で、今回のような専門家の分析は、政策の見かけの強さではなく、実際の効果を見極めるための重要な手がかりとなります。日々流れてくる日本語ニュースを追う私たちにとっても、関税をめぐるニュースをどう読み解くかを考え直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








