中国本土で消費マインド回復 健康や旅行への支出が拡大傾向
中国本土で消費者の景況感が持ち直しつつあります。最新の調査や公式データからは、多くの人が昨年より家計に余裕を感じ、健康や旅行といったウェルビーイング関連の支出を優先し始めている様子が浮かび上がっています。
中国本土で高まる消費者の自信
中国本土の消費マインドは、2025年に入って回復の兆しを見せています。ブルームバーグがドイツ銀行のリポートを引用して伝えたところによると、消費者は昨年と比べて経済に対してより前向きな見方を持つようになっており、2025年の最新四半期の調査では、回答者の54パーセントが自分の家計は以前より良くなったと感じているといいます。
こうした調査結果は、各種の公式データから読み取れる個人消費の持ち直しともおおむね歩調を合わせていると考えられます。家計の手応えが少しずつ戻るなかで、消費者はお金の使い方そのものも見直し始めているようです。
消費の優先順位は生活の質へ 健康・食・衣・旅行が中心
今年前半に米コンサルティング会社アリックスパートナーズが行った調査でも、同じ流れが確認されています。同社のサーベイによると、中国本土の多くの消費者は、従来型の消費よりも、自分の暮らしや心身の健康を高める商品やサービスへの支出を優先するようになっているといいます。
特に、今後支出を増やしたい分野として挙げられたのは、次のような項目です。
- サプリメントなどの健康関連商品
- 食料品や日用品などのグロサリー
- 衣料品
- 旅行やホリデーといった余暇
調査では、ウェルビーイングという言葉で語られる健康、心のゆとり、生活体験の充実、そして価格に見合う価値を重視する志向が強まっていることも示されています。ウェルビーイングとは、単に病気でないというだけでなく、心身の健康や日々の満足度が高い状態を指す言葉です。
中国本土の消費行動にも、こうした考え方が反映され始めていると見ることができます。
数字から見える三つのキーワード
一 安心感
健康関連商品や食料品への支出を優先する動きは、日々の生活を安定させたいという意識の高まりと結び付きます。家計に余裕が出てきた分を、まずは自分と家族の安心につながる分野に振り向けたいという気持ちがうかがえます。
二 体験
旅行やホリデーへの支出意欲が高まっていることは、物を所有することよりも、体験そのものに価値を見いだす傾向を示しています。家族や友人との時間、印象に残る旅やアクティビティにお金をかけたいというニーズが強まっていると考えられます。
三 価値
調査では、支払う価格に見合う価値を重視する姿勢も浮かび上がっています。単に価格が高いから良い、安いから悪いという判断ではなく、品質やサービス、体験を総合的に比べながら選択する消費スタイルが広がりつつあるといえます。
国際ビジネスへの示唆
中国本土の消費マインドの回復とウェルビーイング志向へのシフトは、日本を含む海外企業にとっても見逃せない変化です。同市場に関わる企業は、次のような観点から自社の戦略を考える必要が出てくるかもしれません。
- 健康や安心、安全性を前面に出した商品・サービス設計
- 旅行や体験型サービスと連動した情報発信
- 価格だけでなく、長く使える品質やアフターサービスといった総合的な価値の訴求
消費者が何に価値を感じているのかを丁寧に読み解くことが、これからの市場で存在感を保つうえでいっそう重要になっていきそうです。
これからの注目ポイント
今回の各種調査は、中国本土の消費者が家計の改善を感じながらも、より慎重かつ選択的にお金を使おうとしている姿を映し出しています。今後注目したい点としては、次のようなものがあります。
- 今後発表される調査や公式データで、消費マインドの改善がどこまで持続するか
- 健康や旅行などウェルビーイング関連の支出が、中長期的なトレンドとして定着するか
- 世代や地域ごとに、消費の優先順位にどのような違いが表れていくか
ニュースを受け取る私たちにとっても、自分なら家計に余裕が出てきたとき、何に優先してお金を使うのかを考えてみるきっかけになります。中国本土の消費トレンドは、日々の暮らしの価値観を映す鏡にもなっています。
Reference(s):
cgtn.com








