中国副首相「貿易の武器化に反対」訪中の米上院議員と会談
中国の何立峰(He Lifeng)副首相は北京で、訪問中の米共和党のスティーブ・デインズ上院議員と会談し、経済・貿易の問題を「政治化」したり「武器化」したりすることに中国は断固として反対する立場を伝えました。米中両国の関係や世界経済の行方を考えるうえで、注目すべき動きです。
中国副首相「経済・貿易の政治化と武器化に反対」
会談で何副首相は、中国は経済・貿易の問題を政治化したり武器化したりすること、あるいはそれらを手段として用いることに断固として反対すると述べました。
そのうえで、相互尊重(お互いを尊重すること)、平等(対等な立場)、互恵(双方に利益があること)の原則に基づき、米国と率直な対話を行う用意があると強調しました。
何副首相は、米中両国の間には広範な共通利益と大きな協力の可能性があると指摘し、両国はパートナーであり友人にもなり得ると述べました。協力を通じて相互の成功と共同の繁栄を実現し、それによって両国だけでなく世界全体にも利益をもたらすことができると呼びかけています。
今回の発言からは、中国側が次のような点を打ち出していることが分かります。
- 経済・貿易問題の「政治化」「武器化」に反対するという原則
- 相互尊重・平等・互恵に基づく「率直な対話」の重視
- 米中両国はパートナーであり友人にもなり得るという認識
- 協力によって両国と世界がともに繁栄できるとのメッセージ
2025年12月のいま、世界のサプライチェーン(供給網)や金融市場は、地政学的な緊張の影響を受けやすい状況が続いています。その中で、世界の二大経済である米中両国が、経済・貿易を対立の「武器」ではなく協力の「橋」として位置づけることができるかどうかは、各国にとっても大きな関心事です。
米上院議員デインズ氏「米中関係は極めて重要」
会談に出席したスティーブ・デインズ上院議員は、米国共和党に所属する議員です。デインズ氏は木曜日に北京に到着し、その後、何副首相ら中国側要人との会談に臨みました。
デインズ氏は、米中関係は非常に重要であり、双方は対話を強化すべきだと述べました。また、自身もそのために、より具体的で実際的な努力を重ねていく意向を示しています。米議会関係者によるこうした訪中は、両国の政府間対話を補完するルートとしても位置づけられます。
中国外務当局も訪問を歓迎
金曜日には、デインズ氏は中国の馬朝旭(Ma Zhaoxu)外交副部長とも会談し、米中関係や共通の関心事項について踏み込んだ意見交換を行いました。中国外交部によれば、双方は中国と米国の関係や、双方が関心を寄せる問題について深い意見交換を行ったとされています。
同じ金曜日の定例記者会見で、外交部の毛寧(Mao Ning)報道官は、米国のあらゆる分野の人々、特に議会関係者による訪中を中国は歓迎すると述べました。毛報道官は、中国は一貫して、中国と米国の関係が安定的で健康的、かつ持続可能な発展を遂げることが、両国の人々の共通の利益にかなうだけでなく、国際社会の普遍的な期待にも応えるものだと考えていると強調しました。
経済・貿易の「政治化」「武器化」とは何か
今回の会談で焦点となった「経済・貿易問題の政治化や武器化」という表現は、もともと経済や貿易の枠組みで議論されるべき問題が、政治的な対立や安全保障上の思惑によって過度に利用される状況を指します。
一般論として、経済・貿易の政治化や武器化が進むと、次のような事態が起きやすくなります。
- 関税や輸出入規制が、経済合理性よりも政治的メッセージを優先して導入される
- 特定の国や企業への制裁が、対話ではなく圧力の手段として頻繁に用いられる
- ハイテク製品や重要資源の輸出管理が、長期的なサプライチェーンよりも短期的な対立を優先して設計される
- 企業や投資家にとってのルールが予測しづらくなり、世界経済の不確実性が高まる
こうした動きが広がると、貿易や投資のコストが上昇し、企業の長期的な投資計画が立てにくくなります。その結果、物価の上昇や成長の鈍化を通じて、各国の人々の日常生活にも影響が及びかねません。
2025年の米中関係に示すメッセージ
2025年12月現在、世界経済は依然として不透明感の高い環境にあります。その中で、米中両国の対話の内容やトーンは、金融市場、エネルギー、ハイテク産業など、多岐にわたる分野に波及します。
今回の北京でのやり取りからは、少なくとも次のようなメッセージを読み取ることができます。
- 中国側は、経済・貿易を対立の道具ではなく協力の基盤として位置づける姿勢を改めて示した
- 米国側の議会関係者も、米中関係の重要性を認め、対話を強化する必要性に言及した
- 政府間の公式対話に加え、議会やその他の分野を通じた交流ルートを維持・拡大しようとする動きがある
米中関係は、単純な対立か協調かという二者択一では語り尽くせません。競争と協力の両面を抱えながら、具体的なテーマごとに調整が続いています。今回のような個別の会談がどこまで実務的な成果につながるかは今後の推移を見守る必要がありますが、「貿易の武器化に反対し、相互尊重と互恵に基づいて対話を続ける」というメッセージは、2025年の国際社会において一つの重要な指針となりそうです。
Reference(s):
Vice premier to U.S. senator: China opposes weaponization of trade
cgtn.com








