世界の投資家が中国資産に回帰 株式発行119%増とAI銘柄再評価の背景
2025年の中国株式市場で、世界の投資家が中国資産への信頼を取り戻しつつあります。2025年1〜3月期の株式発行額は168億ドルと、前年同期比で119%増となり、中国経済と市場の回復力への期待が数字に表れました。
2025年1〜3月の株式発行額が示すもの
国際ニュースでも注目されたのが、中国株式市場の株式発行額の急増です。ロイターがロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータを引用して伝えたところによると、2025年第1四半期の株式発行総額は168億ドルに達し、前年同時期から119%増加しました。
株式発行額の増加は、企業が新たな資金を調達しやすくなっていることを意味します。裏を返せば、投資家側に「中国企業の株を引き受けてもよい」という需要が戻ってきているということです。
2025年12月の時点で振り返ると、この第1四半期の数字は、世界の投資家が中国資産に再び目を向け始めた節目として位置づけられます。
世界の投資家は何に期待しているのか
今回の株式発行の伸びは、単なる一時的な資金需要ではなく、中国経済の回復と市場のポテンシャルに対する評価の変化を映し出していると見られます。
投資家が注目しているポイントは、おおまかに次のように整理できます。
- 中国経済の回復が続き、企業収益の改善が期待できること
- 株価水準や企業価値が見直される余地があると見られていること
- 新興産業、とくにテクノロジー分野に成長ストーリーがあること
こうした要素が重なり、グローバル投資家が中国資産への配分を再調整し始めているという見方が広がっています。
テクノロジー株再評価の起点となったDeepSeek
今回の中国株式市場の動きで象徴的なのが、テクノロジー株の再評価です。その背景にある存在として、AIソフトウエア開発で先行する中国の企業、DeepSeekが挙げられています。
DeepSeekは、中国のAIソフトウエア分野を代表する存在として位置づけられ、市場ではその成長力や技術力への期待が高まっています。この企業の台頭がきっかけとなり、中国のテクノロジー株全体の見方に変化が生まれました。
具体的には、
- AI関連銘柄の成長性に対する評価が高まったこと
- 過去に売られ過ぎていた一部のテック銘柄に、見直し買いが入ったこと
- 中国のイノベーション力に対する世界の認識が、改めて注目され始めたこと
といった動きが、投資家の間で意識されるようになっています。
日本の投資家にとっての示唆
日本から中国株式市場や中国資産をウォッチするうえで、今回の動きは次のような示唆を与えています。
- 株式発行の増加は、短期的な需給だけでなく、中長期の成長期待を映す重要なシグナルになり得ること
- AIやソフトウエアなど無形資産を軸にした企業が、市場全体の評価を押し上げる力を持ちうること
- 中国経済や産業構造の変化をフォローすることで、グローバルな投資機会をより立体的に捉えられること
一方で、どの市場でも同じですが、短期のブームだけを追うのではなく、企業のビジネスモデルや収益力、リスク要因を丁寧に見ていく姿勢が欠かせません。
これからの中国資産をどう見るか
2025年の中国株式市場は、AIをはじめとするテクノロジー分野の伸びと、世界の投資家による中国資産への信頼回復が重なり合う一年となりました。DeepSeekのようなAI企業の存在は、その象徴といえます。
今後、グローバル投資家がどのように中国資産への配分を見直していくのか、そして中国のテクノロジー企業がどこまで世界の競争環境で存在感を高めていくのかは、日本の投資家にとっても引き続き重要なテーマとなりそうです。
日々の国際ニュースをフォローしながら、中国市場とAI分野の動きをセットで追いかけることで、次の投資アイデアやビジネスのヒントが見えてくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








