アジア経済、2025年4.5%成長予測 ボアオ・フォーラム最新報告
アジア経済は2025年、どこまで世界をけん引できるのか──。アジアをテーマとする国際会議組織、ボアオ・フォーラム・フォー・アジア(BFA)が公表した2025年報告書によると、アジア全体の経済成長率は今年4.5%に達する見通しで、世界経済の「成長エンジン」としての存在感が一段と高まりそうだとしています。
ボアオ・フォーラムが示した2025年の数字
BFAは火曜日に公表した最新の2025年報告書の中で、アジア経済は今年、実質4.5%成長すると予測しました。これは、前の年である2024年に記録された4.4%からわずかに高い伸びです。
報告書は、アジアの経済見通しと経済統合の進展をまとめたもので、2025年の主要なポイントとして次の数字を示しています。
- アジアの2025年の経済成長率見通し:4.5%(2024年実績は4.4%)
- 市場為替レートベースで見た世界経済に占めるアジアの比率:2024年の36.1% → 2025年は36.4%
- 購買力平価(PPP)ベースで見た比率:2024年の48.1% → 2025年は48.6%
成長率の上昇幅は小さいものの、アジアの存在感が量・質ともに拡大していることを数字が物語っています。
世界経済の「成長エンジン」としてのアジア
BFAは、地政学的な緊張やインフレ圧力、サプライチェーン(供給網)の混乱といった逆風が続く中でも、アジアは世界経済の重要な「成長エンジン」であり続けていると強調しています。
報告書が指摘する主な課題は、次の3点です。
- 地政学的な緊張:各地での対立や不安定さが、貿易や投資の先行き不透明感を高めています。
- インフレ圧力:物価上昇が家計と企業活動の双方に負担となり、金融政策の難しさが増しています。
- グローバルなサプライチェーンの混乱:物流の遅延やコスト上昇が、製造業やサービス業に広く影響を与えています。
それでもなお4.5%成長が見込まれるという点は、アジアの内需の強さや、デジタル化・サービス化の進展など、構造的な底力をうかがわせるものと言えます。
数字から読み解くアジアの比重拡大
BFAの報告書は、世界経済に占めるアジアの比重についても、2025年にさらに高まると試算しています。
- 市場為替レートベース:アジアのシェアは2024年の36.1%から、2025年には36.4%へと上昇
- 購買力平価(PPP)ベース:同じく48.1%から48.6%へと伸び、世界全体のほぼ半分に迫る水準
ここでいう「市場為替レートベース」とは、各国通貨を実際の為替レートで米ドルなどに換算した場合の比率を指します。一方、「購買力平価ベース」は、各国の物価水準の違いを調整して算出したものです。
購買力平価ベースで約5割近い比率を占めるという見通しは、実体経済の規模という意味で、アジアが世界の中心的な市場・生産拠点であり続ける可能性を示しています。
日本とビジネスへのインパクト
アジアの成長が堅調に続くという今回の見通しは、日本やアジアと関わる企業・投資家にとっても重要なシグナルです。2025年の4.5%成長という数字から、次のような示唆を読み取ることができます。
- 需要サイドの拡大:アジアの中間層拡大や消費市場の成長が続けば、日本企業にとっての輸出や現地販売の機会は引き続き期待できます。
- サプライチェーン戦略の見直し:供給網の混乱リスクを意識しつつも、アジアの生産・調達拠点としての重要性は高止まりする可能性があります。
- 通貨・物価動向への注目:インフレと金利の動きは、企業の資金調達コストや投資採算に直結するため、各国・地域ごとの状況を丁寧に見る必要があります。
日本の家計にとっても、アジア経済の安定成長は、輸入物価やエネルギー価格、雇用環境などを通じてじわじわと影響してきます。ニュースを追う際には、単なる成長率の数字だけでなく、その裏にある構造やリスクにも目を向けたいところです。
2025年12月時点で押さえておきたい視点
2025年12月現在、BFAの4.5%成長という見通しは、今年のアジア経済を読み解くうえで重要な基準の一つになっています。今後、読者として注目しておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 実績値とのギャップ:最終的な統計が出そろった際、実際の成長率が4.5%の予測にどれだけ近づくのか。
- 国・地域ごとのばらつき:アジア全体の平均値の裏で、どの国・地域が成長をけん引し、どこが伸び悩んだのか。
- 物価と賃金の動き:成長が家計の実質所得や生活水準の向上につながっているかどうか。
- 経済統合の進展:BFA報告書が扱う「統合の進展」が、貿易や投資、人的交流の面でどこまで具体的な成果につながったか。
アジアの成長率が4.5%に達し、世界経済に占める比重が36.4%(市場為替レートベース)、48.6%(購買力平価ベース)に達するとの見通しは、今後の国際秩序やビジネスのあり方を考えるうえでも重要な示唆を与えます。数字の背景にある構造変化やリスクに目を向けながら、アジアと世界の関係がどのように変わっていくのかを丁寧に追っていくことが求められています。
Reference(s):
Asia's economy to grow 4.5% in 2025: Boao Forum for Asia report
cgtn.com








