中国AI最前線:DeepSeekとロボットが変える2025年の日常 video poster
2025年、中国の人工知能に関するニュースが世界の注目を集めています。本記事では、CGTNの経済シリーズ「BizFocus」で放送されたエピソードを手掛かりに、国産AIのDeepSeekからヒューマノイドロボット、旅行、農業まで、日常生活に入り込みつつある中国のAIの今を整理します。
CGTN「BizFocus」が追う、中国ビジネスとAIの現場
CGTNは、中国で最も活気のあるビジネス分野やイベントを取材するシリーズ「BizFocus」を立ち上げています。その一編として放送された「AI breakthroughs redefining daily life」では、中国の人工知能がどのように日々の暮らしを変えつつあるのかがテーマになっています。
番組では、スタジオからの解説だけでなく、記者が現場に足を運び、企業や専門家へのインタビューを通じて、人工知能が実際に動いている場面を丁寧にすくい上げています。華やかな見出しの裏側で、どのような試行錯誤や制度づくりが行われているのかに焦点を当てている点が特徴です。
DeepSeekが象徴する、国産AIの台頭
番組の背景にあるのは、2025年初めに登場した国産の大規模言語モデルDeepSeekです。DeepSeekは、今年に入って世界的に名前を知られるようになり、中国の人工知能開発が一気に注目を浴びるきっかけになりました。
大規模言語モデルとは、膨大なデータを学習し、人間の文章に近いかたちでテキストを生成するAIのことです。DeepSeekは、その能力を生かして、対話、文章作成、情報検索など幅広い用途に応用できるとされ、番組でも中国のAIを象徴する存在として位置づけられています。
2025年12月現在、DeepSeekの名前が広く知られるようになってから、およそ一年が経とうとしています。その間に、中国のAIを取り巻く議論は、単なる技術力の競争から、実際にどのように社会やビジネスを変えていくのかという段階へと移りつつあることが、番組全体から伝わってきます。
ロボット、旅行、農業へと広がるAI活用
今回の「BizFocus」では、AIが入り込みつつある具体的な現場として、ヒューマノイドロボット、旅行、農業という三つの分野が取り上げられています。いずれも、人々の生活と距離が近い領域です。
ヒューマノイドロボットが担う、新しい「手足」
ヒューマノイドロボットは、人型の見た目や動きを持つロボットです。番組が扱う事例からは、AIによって自律的に判断し、作業を行うロボットが、製造現場やサービス現場などで試験的に導入されつつある様子がうかがえます。
ポイントは、AIが単に画面の中だけに存在するのではなく、物理的な身体を通じて人間の近くで動き始めているという点です。動き方や安全性の調整など、実社会で使うための課題は多いものの、試行の積み重ねが進んでいることが示されています。
旅行分野でのAIは、体験づくりの裏方に
旅行も、AIの活用が進む分野として番組で取り上げられています。移動や観光は、人々の日常と非日常が交差する場です。その裏側で、旅程の最適化、需要の予測、混雑緩和といった場面にAIを生かそうとする動きが紹介されています。
こうした仕組みは、利用者の目には直接見えにくい一方で、どの情報をどのタイミングで提示するのか、どのルートを勧めるのかといった意思決定にAIが関わるほど、体験そのものにも影響力を持つようになります。番組は、その変化の入口を映し出しています。
農業で試される、効率化と持続可能性
農業分野では、AIを使って作物の生育状況を把握したり、資源の投入量を調整したりする取り組みが番組で取り上げられています。広い農地や複雑な気象条件の中で、どこにどれだけの水や肥料を使うのかを決める作業は、長らく経験に頼る部分が大きい領域でした。
AIがその一部を支えることで、効率化だけでなく、環境負荷を抑えながら生産性を高める試みが模索されています。農業のように現場ごとの事情が異なる分野では、単純な一括導入ではなく、地域や作物に合わせた微調整が必要であり、そのプロセス自体がAI活用の大きな挑戦でもあります。
商用化へ向けて動く企業と政府
番組が描くもう一つの重要なポイントは、中国の企業と政府が、AIを研究段階から商用化の段階へ押し上げようとしている姿です。これは、中国の人工知能開発が、実際の製品やサービスとしてどこまで定着するかを左右する局面でもあります。
企業側は、AIを活用した新サービスの開発や、既存業務の効率化に取り組みながら、採算性や安全性といった現実的な制約と向き合っています。一方で政府は、産業政策や規制の枠組みを通じて、AIの普及とリスク管理の両立を図ろうとしています。
番組に登場する事例は、こうした動きが単独ではなく、企業と政府の双方の努力として進んでいることを示しています。研究所の成果が社会に届くまでの「最後の一歩」をどう埋めるかという問題に対し、さまざまな試行が行われていることが浮かび上がります。
2025年のいま、AIとどう付き合うか
DeepSeekのような大規模言語モデルから、ロボット、旅行、農業まで。2025年の中国で進むAIの取り組みは、私たちが日常のどこまでAIに役割を委ねるのかという問いを静かに投げかけています。
AIの活用が進むほど、生活は便利になりますが、そのプロセスや判断が見えにくくなる場面も増えていきます。今回の「BizFocus」のように、現場の試行錯誤や制度づくりの過程に光を当てる報道は、AIを単なる流行語としてではなく、社会のインフラとして捉え直すきっかけになります。
2025年12月のこの時点で、中国のAIは商用化に向けて一歩ずつ歩みを進めています。その足取りを追いかけることは、世界各地で広がる人工知能の活用を理解し、自分の生活や仕事にとって何が望ましいのかを考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








