一方的な貿易制限はグローバル経済の脅威に キリル・ババエフ氏の警鐘 video poster
一方的な貿易制限は世界経済の成長を鈍らせる
グローバル化した経済が揺らぐ中、一方的な貿易制限が世界経済の成長を直撃しているのではないか、という問いが改めて強まっています。ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所のキリル・ババエフ所長は、中国のメディアCGTNのインタビューで、一国による一方的な貿易制限は世界経済の成長を低下させるだけだと指摘し、自由貿易の重要性を訴えました。
キリル・ババエフ氏は何を懸念しているのか
ババエフ氏によると、一方的な貿易制限は、関係国だけでなく世界全体の成長を押し下げる要因になるといいます。インタビューの中で同氏は、自由貿易はすべての国や地域にとってより利益をもたらすとしたうえで、主要国が不要な制裁や制限を見直し、撤廃することへの期待を表明しました。
ここでいう一方的な貿易制限とは、国際的な合意や多国間の枠組みとは別に、特定の国が独自に導入する措置を指します。例えば、以下のようなものが含まれます。
- 特定の国や企業を対象とした高関税の導入
- 輸出入の禁止や厳格な輸出管理
- 金融制裁や投資の制限
ババエフ氏の問題意識の根底には、こうした措置が積み重なることで、グローバルなサプライチェーンや投資の流れが分断されるのではないかという懸念があります。
グローバル化した経済への影響
2025年の現在、世界経済はエネルギー、食料、ハイテク製品まで、あらゆる分野で相互依存を深めています。この状況で貿易が政治的な対立によって頻繁に制限されれば、その影響は次のようなかたちで私たちの日常にも及びます。
- 企業のコスト増加と物価上昇につながる
- 部品や原材料の調達が不安定になり、生産計画が乱れる
- 不確実性が高まり、企業が投資や雇用に慎重になる
結果として、世界全体の経済成長率が押し下げられ、新興国の発展や先進国の雇用にも影響が出る可能性があります。ババエフ氏が語るように、一方的な貿易制限は短期的には特定の国にとって圧力の手段になり得ますが、長期的には世界経済全体のパイを小さくしてしまうリスクがあるのです。
大国に求められる役割と中国本土を含む主要経済の責任
インタビューでババエフ氏は、いわゆる大国、つまり世界経済をリードする主要国と地域が、自由貿易の利益を再認識する必要があると訴えました。自由貿易は競争を通じて効率を高め、消費者により多くの選択肢と低価格をもたらすとされています。
中国本土、ロシア、欧州連合、アジアや他の地域の主要経済にとっても、安定した開かれた貿易環境は、自国の成長と雇用を支える基盤です。摩擦や対立があっても、対話やルール作りを通じて、貿易を完全に止めない道を探ることが求められます。
「不要な制裁や制限」を減らすための視点
ババエフ氏は、必要以上に広範な制裁や制限が世界経済の成長を損なうと懸念しています。その問題意識から、次のような視点が浮かび上がります。
- 安全保障や国際ルールの問題と、日常的な貿易をできるだけ切り離して考える
- 多国間の場を活用し、透明性の高いルールに基づいて問題を解決する
- 対立があっても、食料や医薬品など人々の生活に直結する分野の貿易は維持する
こうしたアプローチは、対立を完全に無くすものではありませんが、世界経済へのダメージを最小限に抑えるための現実的な選択肢といえます。
日本と私たちへの問いかけ
輸出入に依存する度合いが高い日本にとって、一方的な貿易制限の拡大は他人事ではありません。エネルギー価格や食料品、生活必需品の値上がりの背後には、国際政治と貿易の緊張が影を落としていることが少なくありません。
ババエフ氏の発言は、単なる専門家のコメントにとどまらず、次のような問いを私たちに投げかけています。
- ニュースで報じられる制裁や輸出規制は、自分の仕事や生活とどうつながっているのか
- 安全保障や価値観を守りながら、貿易の扉を閉じ過ぎないために何ができるのか
- 日本はどの国や地域と、どのように経済的なつながりを維持していくべきか
グローバル化した世界で生きる以上、一方的な貿易制限の影響から完全に逃れることはできません。だからこそ、国際ニュースを追う際には、その背後にある貿易と経済の構図にも目を向けることが、2025年の私たちにとってますます重要になっています。
Reference(s):
Unilateral trade limitations threaten globalized economy's survival
cgtn.com








